2006年06月10日 大和三山
大和三山とは奈良盆地に浮かぶ畝傍山(199m)耳成山(139m)香久山(152m)
今も、数々の神話、伝説、万葉ロマンがひっそりと息づく
三山を結ぶと三角形が出来、絶妙のバランスで呼応しあっている
香具山は畝傍雄々(をを)しと 耳成と
相争ひき神代よりかくにあるらしいにしへも
しかにあれこそうつせみも つまを争ふらしき
万葉集にも詠われた三山を巡って来ました〜
万葉の時代からの、ため池・深田池
畝傍山の南斜面から流れ込む雨水が水源で、かんがい用水、又、洪水調整池
現在は、親水、景観空間を創造する目的で水環境整備事業が行われている
借景の畝傍山を見ながら、池の周りを早朝から散歩している人が沢山居た
畝傍山を背景に、壮大な入母屋造りの橿原神宮・外拝殿(げはいでん)
安政2年の建造で、現在は重要文化財に指定されている奥の本殿には
日本書紀に記される初代天皇・神武天皇と
媛蹈鞴五十鈴媛(ひめたたらいすずひめ)皇后が祀られている
広い境内を横切り、橿原神宮北門を出て100メートルほど進み、登山道へ入って行く
三等三角点が設置された、大和三山の最高峰・畝傍山頂上(199,2m)
畝傍山口神社跡が残っていて、頂上からの展望もよい
悲運の大津皇子が眠る二上山
うつそみの 人なるわれや 明日よりは 二上山(ふたかみやま)を いろせ(弟)とわが見む
姉の大来皇女(おおくのひめみこ)が詠んだ万葉集の歌
南西の方は金剛葛城山地
東には耳成山の向うに青垣の山々が見渡せる
橿原神宮から車で、耳成山登山口へ移動
南側の公園前の登山口からうっそうと茂った樹林の中を登ってゆくと
中腹にある耳成山口神社にたどりつく
耳成山(139m)
神社の右手を高巻くように登れば、三等三角点のある山頂に達する
周りが潅木に囲まれて展望は良くない
南側へ下ってゆるやかな幅広い道を時計回りにたどってゆくと登山口に戻る
登山道も展望は良くないが、木の間から先程登った畝傍山が〜♪
車道脇に「万葉の森」と書かれた駐車場がある
天香久山は龍門山地の支脈が風化侵食された山で山容は目立たないが
「春過ぎて夏来たるらし 白たへの衣干したり 天の香具山」 持統天皇(万葉集)
と詠われているように、山名に「天(あめの)」と冠され古代から神聖視されてきた山である
山頂は小広く切り開かれ、国土と雨の二神を祀った国常立尊神社が建っていた
周囲に樹林が茂り展望は利かない
山頂標識は見当たらなかったが、山頂に立つ説明版
香久山の鹿骨と波波迦(ははか)の木で占いをしたとか、様々な神話が残る
南麓に岩穴を祀る天岩戸神社、北麓に波波迦の木がある天香山(あめのかぐやま)神社
そして西麓に畝尾都多本(うねおつたもと)神社がある
祭神は泣沢女神(さきさわめのかみ)で「涙」という世にも不思議な神さま
いずれもうっそうとした森につつまれ謎めいた雰囲気がたちこめている
女人高野・室生寺
木造如意輪観音坐像が安置されている本堂(国宝)
室生川を渡ると「別格本山女人高野室生寺」の石柱が立つ檜皮葺の門がある
鎧坂と呼ばれる石段を上がり、金堂、弥勒堂を過ぎると、鎌倉時代中期に建てられた
入母屋作り、檜皮葺の本堂が眩いばかりの新緑の中に現れる
本堂脇の石段を上がりきった所に、丹塗りの美しい国宝五重塔が建つ
高さは16,2mでそんなに大きくはないが、五層の屋根の上にのる相輪が珍しい
九輪の上には水煙のかわりに宝瓶をおき、八角の傘蓋を上げている
五重塔よりさらに奥に進んでいくと鬱蒼とした杉林になる
石段を390段登り詰めると、御影堂のある奥之院へ着く
結構、急で疲れたわ〜
滝谷花菖蒲園
静かな山あいの里にある滝谷花しょうぶ園は
1万坪の園内に自然の風情をそのままに池や東屋が配され
600種、100万本の花菖蒲が植えられている
気品ある紫、白、ピンクの花が、凛としている姿は美しい
四季折々に、てっせん、しばざくらなどが園内を艶やかに彩るそうだが
池では水面を覆って見えないくらいに睡蓮が咲き誇っていた
又、垣根は色とりどりの満開のテッセンで飾られとっても素敵〜
広場では、賑やかに餅つき大会真っ最中
花三昧の中、美味しいお餅も頂きました
長谷寺
西国八番の札所として栄えた長谷寺は、天武天皇の飛鳥時代の創建
ぼたんの寺として有名な長谷寺は、150種類、7000株におよぶ日本一の牡丹園
百八間、三九九段と長〜い登廊の周辺に植えられている牡丹は
唐の皇妃馬頭夫人の献木と伝えられている
外舞台から眺める境内は、春は桜、牡丹、夏はあじさい秋は紅葉、冬は寒牡丹と
花の寺にふさわしく、絶景
緑の中に、五重塔
風格ある本堂
いくたびも参る心ははつせ寺 山も誓いも深き谷川
明日香の棚田
石舞台から多武峰へと向う細川地区の棚田
沢山のカメラマンが三脚を立て、夕焼けを待っていた
「日本の棚田百選」に選ばれている稲淵の棚田
巨大な案山子が立っていたが、秋には案山子コンテストが開催される
飛鳥川をはさみ、両側の傾斜地に整然と棚田が広がる
06月11日 今井町
飛鳥川に架かる蘇武橋の西側に伝統的建造物を残す今井・寺内町がある
江戸時代、「大和の金は今井に七分」と謡われるほど町民による
商業活動が活発化し、自治都市的な地位を保持していた
現在、今井町は760戸のうち江戸時代の伝統的形式の町屋が550戸残っている
御堂筋の南側に浄土真宗・称念寺がある
18世紀中頃の建築推定される住居や蔵が立ち並ぶ
8軒が国の重要文化財に指定されているが
内部を見学できるのは、旧米谷家・中橋家・豊田家・河合家の4軒だけ
通りを歩くだけでも、中2階は白い漆喰の塗籠壁が低く立ち上がり
格子や板戸がよくマッチして、雰囲気あるわ〜