2007年03月31日 焼畑の故郷”椿山”
仁淀川町(旧 吾川郡池川町)
小学校の社会科の教科書にも、その焼畑の様子が載せられ
民俗学、焼畑の項には必ず紹介されている椿山の話を
M先生にお聞きしたのは、もう随分前の事になる
椿山(つばやま 1585m)は
ガイド本には、「辺境に位置する隠れた名山」だが
相当の藪漕ぎ覚悟しなければ行けないと紹介されていた
頂上から、間近に迫る筒上山や手箱山も見たい〜
今日は、クラブの例会
大人数で藪漕ぎにアタック!
GPSトラックデータ カシミール3D使用 |
国土地理院長より平18総使、第582号の承認 |
椿山林道登山口〜椿山頂上(往復 4時間40分)
急斜面の土地にある椿山集落
平成6年には、21戸31人が生活していたと聞いていたが
霧に包まれた集落は、静かな佇まいだ
かつて外界と隔絶されていた、この地にも
安徳天皇ゆかりの伝説が残る
雨ガ森を越えて来た安徳天皇一行が
要塞堅固なこの地で3年滞在した後、雑誌山を越え
三嶽古道を経て横倉山へ入ったと伝えられている
雲が厚く、霧が湧いているが、天気が心配
大野椿山川を挟んで対岸には
落差50mあまりの五色ノ滝がある
名前の由来は滝の周囲に五色の岩があるからだとか
五色の虹がかかるからだとか言われている
平家伝説を伝える椿山神社
古来よりこの地の産土神で文政4年、大元山より現社地に還座
大正3年、地名に基づき、椿山神社と改める
大元七社権現や金刀比羅神社等が祀られている
平成5年に補強新設されていた
神社から少し進むと、椿山林道起点
この先、未舗装の林道が終点迄、8,857m続く
落差10mあまりの二升ヶ淵ノ滝
横に 「歩道入口(嶺北森林管理署)」の標識があるが・・・
さらに林道を進んで、今日の登山口を目指す
やっと、登山口に着いたと思ったら、霧雨
午前中は晴れの予報だったんだけど〜
8時40分 「歩道入口」と書かれた標識から登山道に取り付く
崖に苔むした石段がつけられているが
かなり急な階段なので滑りそう
登山道から椿山集落を見下ろす
集落の周りは全て杉、登山道のかなり高い所まで
杉が植えられていたが、焼畑の名残だろう
焼畑をした年は、稗(ひえ)、2年目は大豆や小豆、
3、4年目はとうもろこしや栗や三椏 (だんだん三椏が主流)
その後は、杉が植えられたそうである
植林の中の急坂にうんざりしていたら
目の前にタムシバ〜♪
ブナ林が現れだした
霧に包まれた急坂を喘ぐ
ブナ林には霧が似合う
視界20メートルほどの幻想的な世界
霧の中で、ブナも喜んで踊っている
いい雰囲気のブナ林〜
スズタケの海を泳ぎながら、
急坂を頑張る
今日はずーっと、急坂ばっかり
後ろから、雨ガ森でも応援してくれたら
勢い良く、登れるんだけどな
スズタケは深いけど、道はしっかりしている
でも、どうやって撮ったの
10時50分 三角点はあるんだけど山名板が無い
「此処、本当に椿山頂上?」 っと、みんな半信半疑
「有ったー!」と、勘のいい人(笑)が
風で飛ばされていた山名板を見つけ出すと
全員拍手!
展望は無くて、残念だったけど、話に華が咲く
「Sさん、去年、百名山踏破したんよ」と、Kさんに教えて貰い
「すごいね、で、最後は権田山だったん?」ってSさんに聞くと
「朝日岳よ。」 「エッー、日本百名山。ウッソー、ホントー」
と賑やかに盛り上がる
頂上北斜面にアケボノツツジの大木がある
あと1ヶ月余もすれば見事に咲き出すのだろう
いくら待っても、周囲はモノクロ世界
展望は諦めて、また賑やかに下山
1時20分 全員無事登山口着
急坂が続き、スズタケも茂っていたが
思ったほどの藪漕ぎじゃなくて良かった〜
期待していた展望は無く、椿山集落も霞んでいたが
焼畑の故郷を訪れる事が出来、満足な山行だった
リーダーまつさん、皆さん ありがとう御座いました
帰途、立ち寄った 旧吾川村さくら地区の 「ひょうたん桜」
年月を感じさせる風格に、圧倒されました
樹齢500年 樹高30m 根元回り8mの堂々たる江戸彼岸
高知県の天然記念物に指定されている
バックの椿山は雲の中
天気が好ければ桜と椿、最高なんだけど