2007年04月29日 八経ヶ岳
大峰山系の主峰 八経ヶ岳を駈ける
GPSによるトラックログ(カシミールソフト使用) |
行者還トンネル西口〜奥駈出合〜弥山〜八経ヶ岳〜弥山〜トンネル西口 |
(7時間) |
修験道の開祖・役ノ行者が白鳳時代(7世紀)に開いた奥駈道は
吉野と熊野を結ぶ修行の道場である
昨秋、大普賢岳から七曜岳まで奥駈道をほんの少し歩いたが
今回は、日本百名山でもある大峰山系の最高峰八経ヶ岳へ
花の時期には少し早いんだけど・・・
萌え出した川迫川渓谷の新緑を愛でながら、行者還トンネル西口
に着くと、もう車が溢れかえっている。近畿圏や関東周辺
のナンバーが多い。何箇所か「熊出没注意」の看板を見ながら
行者還林道を走ってきたが、こんなに賑やかだと熊も出て来れないわ
天気は好いが、気温3度、風も強くて少し寒い
小坪谷右俣の橋のたもとにある登山口 新緑はこの辺り迄
登山口の標高は1100m 目指す八経ヶ岳は1915m 標高差約800m
楽勝! 楽勝! 7時30分出発
歩き始めて直ぐ風流な木橋を渡る
今年は雪が少なかったのか沢の水も少ない
沢を渡れば、沢沿いの道と尾根道に分かれると
本には書いてあったが、沢沿いの道は見当たらない
尾根道を進んでいくと
振り返れば
ブナの木の間越しに、山上ヶ岳が見え出した
コブシやミツバツツジが咲いているんだけど・・・
写真ではちょっと分からないわ
歩き難い急坂が続く
周りにはブナやヒメシャラが林立し
シャクナゲ(花芽が少ない)が群生している
奥駈道出合が近付いてくると、シロヤシオの古木が群生している
まだ、花の気配は無いが、これから真っ白い花回廊になるのだろう
8時20分 奥駈道出合
女性先達に連れられた10人位の団体さんが
此処から行者還岳に向かって行った
私たちは、主稜を西へ向い、弥山を目指す
石休ノ宿跡 木の間越しに大普賢岳
弁天ノ森(1600,1m)
アップダウンを繰り返しながら、明るく快適な尾根道を進んでいくと
目の前に、弥山小屋、その左には八経ヶ岳が見え始めた
ブナ林の林床一面に、バイケイソウが春の日差しを
受けて勢い良く伸びてきている
大峰中興の祖・聖宝理源太子像が鎮座する聖宝ノ宿跡
いよいよ聖宝八丁の急坂が始まる
もうちょっとかな〜と見上げていると、すれ違った人が
「まだまだですよ〜」 ガックシ、余計にしんどくなるわ
視界が開けてきて大峰北部の山々がはっきりと見え出す
やっぱり大普賢岳はスタイルいいわ〜
良く整備された木道の階段
意外としんどい
かすかに弥山小屋の自家発電の音が聞こえてきた
見上げると、白骨林の奥に小屋が見える
10時20分 弥山小屋
収容人数 200人の大きくて綺麗な山小屋だわ
お腹も空いてきた 小屋前のベンチで栄養補給
暫く休んで、元気回復したので
トウヒ、シラビソで覆われた八経ヶ岳へ向かう
古今宿の鞍部を過ぎた所にオオヤマレンゲを
鹿の食害から守る保護柵が設けられていた
此処はオオヤマレンゲの故郷
この山地で発見命名されたオオヤマレンゲの群落は
国の天然記念物に指定されている
今は枯れ木の様な古木だが
夏には、真っ白い気品のある花を咲かせるのだろう
11時10分 近畿最高峰、八経ヶ岳頂上(1915m)
別名、国土地理院地形図では八剣山とか仏教ヶ岳と
表示されているが、なんともややこしい
役ノ行者が法華経八巻を、此処に埋めたと伝えられている
錫杖の側に第五十一靡・八剣山の行場があり
沢山の護符が納められていた
此処から峯中第一の名峰、釈迦ヶ岳へと奥駈道が続く
駈けてみたい〜
頂上から弥山、大普賢岳、山上ヶ岳と続く北奥駈道の展望
白骨林化が進んでいるのか、弥山のトウヒやシラビソはまばら
仏生ヶ岳、釈迦ヶ岳と続く南奥駈道の展望
孔雀岳っていうのもあるけど、いい名前!
どんな山なんだろう?
きっと、孔雀が羽根を広げたように綺麗なんだろう
まさか
八経ヶ岳より弥山小屋に引き返し、鳥居を潜って弥山頂上に向かう
側に「皇太子殿下行啓記念」の石碑が立つ
また、坪内、川合方面 (天河弁財天、天の川温泉)と書かれた標識
此処から、天川川合までの標高差1300m
弥山山頂にある天河大弁財天社の奥宮
お参りしてから、弥山小屋まで戻りベンチで休んでいると
身体ほどもあるザックを背負った子がよちよち歩いて来る
あらっ、今朝横に停まっていた多摩ナンバーの家族だわ
お父さんが背負子で担いで登って来たそうだけど
まさか弥山まで登ってくるとは・・・2歳だって!
小屋の側に国見八方覗の標識
ならば、覗かなくてはと、下を覗いてみたけど迫力無かったわ
前方には台高山系が広がる大展望
下じゃなくて、四方八方覗けっていう事かしら?
充分展望も楽しんだ
12時25分 そろそろ帰ろう
途中、登ってくる人に沢山会ったけど、今日は小屋泊まりかしら?
2時30分 トンネル西口登山口着
新緑も花も無く、ちょっと物足りなかったけど
天気最高、大展望の八経ヶ岳でした
帰途、立ち寄ったミタライ渓谷(山上川)
山上川は、山上ヶ岳を源流とし洞川湧水と合わさって流れてくる
大蛇伝説、後醍醐天皇の皇子・護良親王や長慶天皇の
哀史が残され、観音峯の洞窟には詩が刻まれている
吉野山 花ぞ散るらむ 天の川
雲のつつみを くずす しらなみ