2007年08月11日 早池峰(はやちね)

北上高地最高峰・早池峰(1917m)

 

河原坊登山口〜早池峰山頂〜小田越〜(林道歩き)〜河原坊登山口

(6時間20分)

遠野物語によると

「母女神が、今夜よき夢を見たらん娘によき山を与ふべしと

夜深く天より雪華降りて姉の姫の胸の上に止まりしを

末の姫目覚めてひそかにこれを取り、ついに最も美しき早池峰の山を得たり」とある

遠野郷の四方の山々の中で最も秀でたるを早池峰といふらしい

早池峰(はやちね)、なんて素敵な名前かしらと思っていたら

高山植物の宝庫で、土壌や植生が東赤石に良く似ていると「赤石の四季」に書かれていた

行って見たい! でも岩手までは遠いな〜 

NHK連続テレビ小説で、4月から毎朝、岩手の風景が呼んでくれる

思い立ったが吉日、3000km走っちゃえ!

ところで、誰が運転するの?

紫波町から見た早池峰

昔は山の神、水の神、海上守護の神の霊峰として、信仰登山が行われていたそうだ

様々な伝説が「遠野物語」に残っている

岳集落にある早池峰神社

7月31日、8月1日に行われる早池峰神社大祭には「岳神楽」「大嘗神楽」が奉納される

マイカー規制のある時期には(今年は6月10日〜8月5日)

此処からシャトルバスかタクシーで河原坊登山口に入る

早池峰自然保護センター下に駐車して(80台駐車可)

6時 河原坊登山口出発

昔、快慶という僧が「河原の坊」寺を建立し、

参拝者は此処で水垢離をとり山頂に向かった

岳川を渡り、コメガモリ沢沿いを進む

東北のブナって色白ねぇ〜

何度か渡渉を繰り返す

水の中へザブザブ入ると、気持ちいい〜

タマガワホトトギスに見送られて沢沿いを歩く

ナンゴククガイソウ?が涼しそう

渓谷沿いの道から分かれて、沢水が伏流する岩石帯を進む

目の前に立ちはだかる様に現れた山塊に圧倒される

団体さんが七合目にある、頭垢離(こうべごり)の大岩の上で休んでいるのが見える

岩場や岩礫の急峻な御神坂(おみさか)を登って行くと

左側に祈願成就を願った「ござ走り岩」の大岩が現れる

茣蓙を敷いて逆さになってから、この岩の上を3度滑り降りると願い事が成就するそうだ

右に現れた妖怪の様な岩塊が、「打石(ぶちいし)」

昔、天狗が飛んで遊んでいた所、雲が出てきて辺りが見えなくなり

この岩で頭を打ったと言い伝えられている

岩の天辺に凹んだ場所があるそうだ

祈願者は「打石をかける」といって、この岩塊に攀じ登ったそうだが・・・

ちょっと怖そうなので、静かに通り過ぎる

見下ろせば、歩いて来た道筋が連なり、その先に河原坊登山口が見える

先程休んでいた団体さんも登って来ている

花が終わり、種子になっても存在感のあるチングルマ

蛇紋岩の岩場には、いたるところにお花畑

沢山の高山植物が咲き、目を楽しませてくれる

頂上近くになって、ハクサンボウフウ越しに薬師岳方面を見ていると

あらら、ガスが湧いてきた

小さなクサリ場を越すと、少し傾斜も緩やかになる

巨岩の隙間に咲くタカネコウゾリナの側を通り抜けると

突然、辺りが開けてきて頂上が見え出した

9時 早池峰山頂(1917m)

悪霊退散を祈願して奉納された剣が、何本も突き立てられていた

大同二年(807)建立、瀬織津姫命が祀られた早池峰神社の奥宮である本宮

本宮より400年後位に建立された、元附馬牛村(つくもうし)の村社である若宮が並ぶ

天気は好かったのに、生憎ガスが湧いて来て、岩手山が見られなかったのが残念!

山頂西側の中岳、鶏頭山へと続く三山縦走コース方面に

先達の修験者が観音経を唱えると、たちまち水が湧き出したという小さな池が有るそうだ

「開慶水」と呼ばれるこの池が、早池峰の名前の由来だとも言われている

山頂西側の岩場で、充分花を楽しみ

避難小屋前から小田越コースを下る

小田越からも、次々と沢山の登山者が登って来ている

何処までも続くコバイケイソウのお花畑〜♪

登山道沿いに広がるお花畑

タカネニガナやタカネコウゾリナの黄色、白いレースの様なミヤマウイキョウ

の中で、ピンクのヨツバシオガマが目立つ

良く見ると、ハクサンチドリも咲き残っている〜♪

右に左にと、花を楽しみながら下りていたら

ナンブヤマブキショウマ越しに見える山頂避難小屋も、随分遠くなったわ

御田植場の木道をモクモクと歩く

あんまり面白くない駄洒落だわ

薄っすら雪が積もったような綿毛があるハヤチネウスユキソウ

やっぱり東赤石の雰囲気〜

岩手に居るのを忘れてしまいそう

八合目付近の「天狗ノ滑リ岩」には、ほぼ垂直につけられた鉄梯子が二段続く

下に3人居るのだけど、2人しか見えないわ

浮石があるので注意して歩く

六合目付近の竜ヶ馬場、荒天時はまるで竜が暴れるように風が吹き荒れるらしい

左の、千両箱が積まれた様な岩は「千両函または銭蔵金蔵」という

真下にアオモリトドマツ林が有り、小田越山荘、林道が見える

目を上げれば、前方にはシルエットの美しい薬師岳が・・・写ってない!

振り返ればハイマツ帯の岩礫に凄い行列、人気の山なのがうかがえる

そりゃそうだわ、四国くんだりから登りに来ているんだから・・・(笑)

四合目付近にある御鉢廻り岩

ロープの張られた岩石帯を下って行く

アオモリトドマツやコメツガの林を抜け、木道を歩いて

 11時40分 小田越登山口着 

早池峰の岩稜を見上げながら、ブナ林を縫うように林道を歩いて

12時20分 河原坊登山口着

登りも下りも急峻で結構疲れたけど、念願のハヤチネウスユキソウも見られたし

面白い岩場や沢山の花が咲き乱れ、何処か懐かしい雰囲気のするいい山だった

14時間かけて走って来た甲斐があったわ

さぁ、これから遠野へ行って、河童と遊んでこよう

 

早池峰で出合った高山植物

酸欠ショットでフラフラ〜

センジュガンピ

シロバナヨツバシオガマ

シギンカラマツ

タカネナデシコ

オヤマソバ

タカネウスユキソウ(別名タカネヤハズハハコ)

シモツケソウ

マルバシモツケ

タカネアオヤギソウ

オオバギボウシ

クルマユリ

ナンブトラノオ

ナンブトウウチソウ

ミネウスユキソウ

イブキジャコウソウ

ミヤマシャジン

ウメバチソウ

ミヤマアケボノソウ

ダイモンジソウ

カトウハコベ

ハヤチネウスユキソウ

ヨツバシオガマ

ミヤマアズマギク

ハクサンチドリ

ナガバキタアザミ

チシマフウロ

ハイマツとナンブイヌナズナ

イワウメ

キンロバイ

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