2007年08月12日 蔵王山・山寺・羽黒山

蔵王山

天武天皇の頃、吉野金峯山の蔵王権現を分祀した蔵王山は

奥羽山脈南部、山形・宮城にまたがる連峰を指し

蔵王という名前の特定のピークは無い

冬にはトドマツやカラマツが樹氷になり、スノーモンスターとして有名

夏も沢山の高山植物が楽しめるそうだ

楽々省エネ「百名山」〜♪

コマクサまだ咲いているかな〜

蔵王エコーライン途中の滝見台より

澄川にかかる日本滝百選「三階の滝」を展望

直ぐ横には落差54mの不動滝が勢いよく流れ落ちている

コマクサ平から荒々しい火山の五色岳を見る

朝から暑くて、日差しはまだ真夏を思わせるけど

ススキが風に揺れて、秋の気配も感じられる〜♪

苅田岳直下の駐車場より、熊野岳頂上を目指して広い馬ノ背を歩く

長い頂稜の左に、熊野神社が有りその奥が熊野岳頂上、右には避難小屋が見える

馬ノ背の縁は、御釜へと切れ落ちている

火山特有の赤茶けた断層が生々しい

エメラルドグリーンの水を湛えた御池は「蔵王の宝玉」とも言われているが

やっぱり火山の噴火口、ちょっと不気味な感じがする

あんまり覗き込んだら危ないよ〜

タカネコウゾリナの咲くガレ場を、避難小屋へ直登

稜線に咲く、コマクサ〜♪

眼下には山形盆地・蔵王温泉?

遥か遠くには、朝日連峰、大朝日岳が見える

地蔵山方面を見ると、薄っすら月山が・・・

最近見かけなくなったオニヤンマや小さいトンボが沢山飛び

写真を撮っていたら手にとまって遊んでいる

細長い熊野岳(1840,5m)頂上の端に

故郷の山・蔵王を愛した斉藤茂吉の歌碑が立つ

陸奥を ふたわけざまに聳えたまふ 蔵王の山の 雲の中に立つ

すぐ側に、熊野神社の祠がある

広い頂上は、360度の贅沢な展望

雪が残る飯豊連峰が見えているけど、写真では厳しいかな〜

ゆっくり展望も楽しんだので、ガレ場で転ばないように気をつけながら下山

中丸山尾根の向こうに、吾妻連峰が霞む

苅田駐車場側のレストハウスまで帰ると、、一登りで苅田岳(1758m)に着く

頂上には、千年余の歴史を持つ苅田嶺神社が祀られている

苅田岳頂上から熊野岳頂上、蔵王のシンボル御釜を眺める

下山して、レストハウスでのんびりコーヒータイム

窓から外を眺めると、段々観光客も多くなって来たわ

ウワッー!何時の間にか、車が溢れている〜

駐車場に入れない車が、沢山順番待ちをしているわ

さっさと、出発しよう

エコーラインを走り、次の目的地・山寺へ〜ワクワク

 

山寺 (宝珠山立石寺)

「行春や 鳥啼き 魚の目は泪」と、別離の詩を残して

江戸深川を出立した芭蕉と曾良の長〜い六百里の旅「奥の細道」は

白河の関、仙台、平泉、奥羽山脈を越え、尾花沢で出羽路に入る

出羽という地名は、鳥の羽毛を貢物として献上したからと風土記にある

山寺へやってきたのは、夏も盛りの旧暦5月27日(今の7月13日)

やっぱり、今日みたいに暑かったんかなぁ

石段を登ると、天台宗の古式を伝える国の重要文化財、根本中堂が現れる

東北唯一の宗門修行道場で、ブナ材の建造物としては日本最古ともいわれる

社殿には、大体欅とか針葉樹が使われているけど、ブナの社殿を見るのは初めて

閑さや岩にしみ入る蝉の声

「佳景寂寞として 心すみ行のみ おぼゆ」とその日の旅日記に書かれているが

今は、芭蕉さんに会いに来る観光客で賑やかですよ〜

山門を入ると、1100余段の石段が続く

その昔は、石段も無く、「苔滑に崖をめぐり、岩を這て仏閣を拝し・・・」

と命懸けでお参りした様子が、芭蕉の日記に記されている

芭蕉が句をしたためた短冊を埋めた場所に、せみ塚が立つ

ミ〜ン、ミ〜ンと賑やかに蝉の啼き声が響いている

岩にしみ入るようにも思えないけど

芭蕉が聞いた啼き声も同じだったのかしらん?

左右に仁王尊像が安置されているケヤキの仁王門

風格あるわ〜

此処が、奥之院までの中間点、流れ出る汗を拭いて一休み

見上げると、まだまだ階段が続いている

立石寺を開いた慈覚大師の像が安置されている開山堂

手前の赤く小さい建物が納経堂で、開山堂の奥の岩の上には

宝珠山を守る五大明王が安置されている五大堂が立つ

五大堂の舞台からの眺めは素晴らしく、山寺随一の展望所

爽やかな風が吹き上げてくる

やっと奥之院に着いた〜♪

左が大仏殿で、右が奥の院(如法堂)

三国伝来の釈迦牟尼仏と、多宝如来の本尊が祀られている

岩屋の中に、大日如来が祀られた三重小塔(高さ248,5cm)が立つ

山門まで下りて来ると、汗ビッショリ

山寺名物、からしたっぷりの力こんにゃくで元気が出たわ

 

山寺を立った芭蕉達は、最上川を下って出羽へ

五月雨を あつめて早し 最上川

 

羽黒山

今は、高速道路でひと走り、速いよ〜

あっという間に、羽黒町に着いたわ

出羽三山の主峰・月山が笑顔で出迎えてくれたけど

残念ながら、今回はお邪魔出来ないわ

出羽三山と呼ばれる月山、羽黒山、湯殿山の歴史は古く

約1400年前、第32代崇峻天皇の皇子・蜂子皇子が、三本足の烏の先導で

羽黒山に入り、難行苦行の末、羽黒権現を感得、次々と三山を開いたと伝えられる

大鳥居を潜り門前町手向(とうげ)に入って行く

涼しさや ほの三日月の 羽黒山

羽黒山の上にほのかに光る三日月を見た芭蕉が、霊山の神秘を詠んだ詩である

鳥居越しに、これから登る羽黒山が見えている

羽黒山門前町を抜け、三山神社の随身門を潜り神域に入って行くと

杉の巨木が立ち並んで日を遮り、ひんやりとした空気が流れる

継子坂と名付けられた石段を下って行くと

祓川にかかる紅い欄干の神橋が見え出した

いい雰囲気〜

月山に源流を発するこの川で、出羽三山に参拝する人々は身を清めたそうだ

対岸の須賀の滝(不動の滝ともいう)が涼しそう〜

樹齢1000年余の天然記念物「羽黒山の爺スギ」

昔は、爺スギと婆スギが並んで立ち羽黒山の名物だったが

婆スギは台風で倒れてしまったそうだ

アララ、グランマーの方が弱かったのねぇ

杉木立と高さを競うように立つ、柿葺(こけらぶき)の立派な五重塔が見える

側へ行って見上げると、さすが国宝五重塔、風格がある

この東北地方最古の塔は、平将門創建

四方に掲げられている額は、小野道風書と伝えられている

石段の登り坂が一の坂、二の坂、三の坂と続く

ところで、全部で石段は何段あるの?

エッー! 2446段! 金比羅さんの3倍もあるじゃん!

三の坂を右手に逸れて下って行くと、芭蕉が泊まった南谷別院跡がある

有難や雪をかほらす南谷

石段を登りきって鳥居を潜ると、沢山の社殿が建ち並ぶ境内に着く

月山・湯殿山・羽黒山の神様を祀る三神合祭殿にお参り

前面の鏡池は、平安時代から江戸時代における古鏡が数百枚も出土したそうだ

広々した境内には、出羽三山を踏破した芭蕉像や三山を詠んだ句碑が立つ

    涼しさやほの三か月の羽黒山

雲の峯幾つ崩て月の山

    語られぬ湯殿にぬらす袂かな

境内を抜けると、羽黒スギに囲まれた有料道路駐車場に出る

此処から、バスに乗ると1時間ほどで、月山八合目・弥陀ヶ原に着く

月山が見下ろす庄内平野には、一面の田圃が広がる

月山には登れなかったけど、出羽三山が育んだ美味しい庄内米も食べたし満足〜

これで東北の旅はお終い   さぁ、四国へ帰ろう

「月山〜! 何時かは登りに来るからね〜」

「もう うづさ かえっびゃー」

「そうすっべにゃー」

「今、歴史の宝庫・東北が熱い!」 とやって来たが、やっぱり暑かった〜

啓子の部屋  ホーム