2007年09月08日 瓶ヶ森周回

秋を探して

西之川〜瓶ヶ森〜東之川

GPSによるトラックログ(カシミールソフト使用)
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第582号)」

 

西之川〜常住〜瓶壺〜男山〜女山〜台ガ森〜東之川〜西之川

                             (10時間40分)

明日は白露だねぇ

天気も良さそうだし、のんびり秋の花でも見に行こうか

西之川の標高が430mだから・・・標高差1470m!

こりゃ、のんびりって訳には・・・ 明日、4時30分集合ね

仙ちゃん、歌姫さんと4人で賑やかに出発

5時50分 西之川名古瀬集落の車道横に駐車して出発

山には雲がかかり、雨が降り出しそうな雰囲気だけど

予報は晴れ! 「瓶は、きっと雲海よ〜」 

(なんて、甘かった)

振り返れば名古瀬谷は秋の気配

水路の上には養蜂箱が二基並んでいる

此の甘い箱を狙って、物部で熊が出没していたそうだ

右手の大森山斜面は、赤茶けた岩石が転がり

昔、鉱山だった跡が偲ばれる

開坑は元禄年間とも伝えられている「西之川鉱山」があったこの地域は

家も沢山有り、昔からかなり拓けていたようだ

名古瀬谷に沿って走る西之川林道を、1時間歩くと、上の登山口

少し手前にあった登山口は茂っていたが、有り難い事に此処は刈られている

吹く風は爽やかだけど、朝から蒸し暑い

橋の上は天然クーラー

涼んでいたいけど、そういう訳にも

先は長いんだから・・・

7時45分 常住着

 十郎アレと呼ばれるザレ場を越し、ジグザグの急坂を頑張ると常住に着く

解体された常住院跡が残る小広いスペースで、暫し休憩

シロジ谷沿いの道になると、途端にひんやりとした空気に変わり

登りもあんまり汗をかかなくなる

それにしても気になる名前

十郎アレやシロジ谷の他にも地図を見ると、ハト谷、おだま谷、極印本谷

どんな意味なのかなぁ

アップダウンを繰り返し、大岩の転がる谷道に入る

谷筋を詰め標識に導かれて、左岸に取り付く

8時40分 鳥越着

面白い形をした岩だわ

「鳥越ノ岩」だって、もっと面白い名前付けてあげればいいのにねぇ

通行止めのロープが張られた子持権現行者道を右に分け

瓶壺を目指して、最初は緩やかに登って行く

最初はっていう事は・・・最後はどうなるの?

天気が良くても、うっと暗い場所なのに

霧が立ち込め、尚一層暗い!

幽玄の世界に閉じ込められたようだ

姿勢の良いオオバショウマ

咲き揃った秋の花が次々と迎えて、疲れを癒してくれる

登山道沿いに大きく口を開けている洞窟が有るが

中に入って行く勇気は無いわ

洞窟を過ぎ、梯子を登りどんどん高度を稼いでいく

咲き誇る花々に元気を貰いながら一歩、一歩

足場の悪い釜床谷の急坂も、あと少し

「最後の梯子から、急に平坦道になるから」

後ろからグランパの檄が飛ぶ

「急に平坦」で元気が出て「キュウヘイ」「キュウヘイ」を掛詞に頑張る

ブナやモミが混じる笹原に出て、急に平坦道になったと思ったら

あら、ぱらぱらと雨が・・・気にしない、気にしない

瓶ヶ森といえばリンドウ

お日様が差さないから、寝ぼけ眼ねぇ〜

10時30分 瓶壺着

顔を洗うと、冷たくていい気持ち〜♪

空になったペットボトルに水を汲み、下山に備える

あるガイド本には、鳥越〜瓶壺(45分)となっているが

足場の悪い、標高差約500mの行程、ちょっと無理じゃないかな

ちょっと空が明るくなって来たよ

少し青空が見え出した〜♪

頂上へ着いたら、絶対に青空よ!

自分自身に言い聞かせながら登って行く

男山直登の道は笹で埋め尽くされ、おまけに雨でビッショリ

白露なんて、呑気な事を言っている場合じゃないわ

「いくぞー」

エッー! 此の道〜

まぁ、どうせ汗でビッショリだから濡れてもいいけど・・・

渋々ついていく三人

段々、笹が深くなり、小さい私なんか頭の先まで埋まってしまったわ

ミヤマノダケが心配そうに覗いているが

岩が濡れて滑るものの、なんなく通過

11時40分 蔵王権現が祀られた男山頂上

断崖絶壁の白猪谷から、吹き上がってくる風が心地好い

女山へ向かう尾根道の潅木帯では、薄っすら紅葉し始めている木々もある

西黒森への分岐を右に分けると、霧が薄くなり女山頂上が見え出した

11時50分 、女山頂上 (1896,5m) バンザ〜イ!

ガスが晴れて石鎚が出て来てくれるかなと、期待しながら休憩

30分ほど待ったが、結局、展望は無いまま下山開始

瓶ヶ森のシンボル・氷見二千石原

石鎚がデーンと聳えていれば申し分無いが

此の時期の濃い緑の笹原が一番綺麗!

グランパが確か高校生の頃、一面の笹原が枯れてしまったそうだ

笹は50〜60年に一度、花が咲き枯れると聞いた事があるが

その頃から、もう40年以上は過ぎたから10年、20年後が心配

でも、此の雄大な緑の平原が枯れるなんて、想像したくないわ!

12時30分 キャンプ場前の道を右に取り、東之川へ向かう

ミヤマアキノキリンソウが咲き乱れる道

可愛いアケボノソウがあちらからも、こちらからも呼び止めるので

なかなか進めない

お星様みたいなアケボノソウ

梯子が濡れて滑りそう

じゃ、滑っちゃえ

シコクブシの群生

此の辺りはアジサイ沢と言われているそうだが

初夏にはアジサイで埋め尽くされるのかしら

夏の花オタカラコウ、ソバナ、シラヒゲソウ等も咲き残っていた

オオマルバノテンニンソウ、サラシナショウマの園

花には目移りするし、足場が悪く滑りそうだねって言っていたら

突然、歌姫さんが一回転して下の道まで落ちてしまった

大事無くて良かったが・・・慎重に、慎重に

また、霧が濃くなった来たようだ

1時40分 モミが平と言われているウラジロモミ林を抜け

シャクナゲの尾根を過ぎると、風が吹き抜ける台ガ森鞍部に着く

5分程、直進すれば台ガ森なんだけど、此の霧ではねぇ パスしよ

台ガ森から、逆光に輝く石鎚、瓶ヶ森の展望も楽しみにしていたんだけど・・・

台ガ森鞍部から下ってくると

シコクママコナ、サラシナショウマ、レイジンソウ、シコクブシ等の花畑

花を見ていると、足場の悪いのも苦にならない

昼だというのに、薄暗い植林帯

これからウンザリするくらい下っていかなければ・・・

4年前、十人程で今日と同じコースを歩いた時、体調を崩した同行者が居て

グランパが植林帯を駆け下り、西之川まで車を取りに走ったんだけど

その3ヵ月位後、真っ黒になった親指の爪が剥がれてしまって大変

今日はゆっくり休みながら下りましょうね

2時30分 新道分岐

崩壊している幾島新道は、ロープが張られて”通行止”になっている

伐採地の所で、突然肘に痛みが

思わず 「痛い!」 どうもアブに咬まれたらしい

「腱鞘炎で手首が痛いうえに、肘が痛くて、もう二重苦!」ってわめいていたら

すかさず仙ちゃん、「私はごじゅうく(59)」

大笑いで一件落着〜

今日の駄洒落大賞でした

4時 東之川登山口着

やれやれと思った途端、雨足がひどくなったが

どうせ汗ビッショリなんだからと、東之川林道を歩き出すと、何時の間にか止んでいた

何度かスイッチバックを繰り返し、高宮小学校跡が見えて来た時はほっとした

4時30分 大宮橋を渡り、西之川バス停着

ザックを置いて、グランパが車の回収に駐車地点まで10分

 

久し振りに、標高差約1500mのロングコース

登りの釜床谷も、下りのわさび沢も、足場の悪い急坂で気が抜けない

「瓶ヶ森は、下から歩かんと値打ちあるかい」と言われても

やっぱり、しんどかった〜

今度、瓶ヶ森に来る時は瓶林からにしようね

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