2007年10月8日  長 門

西条八十が「若き童謡詩人の巨星」と絶賛した

金子みすヾの故郷を訪ねる

雨に煙る深川湾から黄波戸(きわど)温泉付近を見る

今岬、二位ノ浜に建つ二位の尼の碑

安徳天皇を抱いて入水した二位の尼の亡骸が

此の浜に流れ着いたと伝えられている

白砂の海浜にはハマユウが群生し

日本海海岸の自生北限地として県天然記念物に指定されている

長門市駅から一駅しかない仙崎駅のために、仙崎線がつくられているが

この小さな漁師町が如何に栄えていたかがうかがえる

駅前に、みすヾの作品からつけられた「いいこと通り」がある

512の童謡を残し、26歳の若さで亡くなったみすヾの詩は

この世にある全てのものに深い眼差しを注いだ優しさが満ち溢れている

「金子みすヾ記念館」がある「みすヾ通り」は、随所に詩碑がある

雨にもかかわらず、記念館は沢山の来館者で賑わっていた

青海大橋を渡り、みすヾの「王子山」の歌碑が建つ

小高い王子山より仙崎湾を見下ろす

大羽鰛の時期には、沢山の漁船で活気があふれるんだろうな

  公園になるので植えられた、 桜はみんな枯れたけど、               

 伐られた雑木の切株にゃ、 みんな芽が出た、芽が伸びた。           

木に間に光る銀の海、わたしの町はそのなかに、竜宮みたいに浮かんでる。

銀の瓦と石垣と、  夢のようにも、霞んでる。                  

王子山から町見れば  わたしは町が好きになる。               

         干鰛(ほしか)のにおいもここへは来ない  わかい芽立ちの香がするばかり。        

いきなり海から上がってきた時はビックリしたけど

雨の中のダイビング、寒くないのかしら

断崖の付け根に長浜群洞と呼ばれる洞窟群が続いているが

崖の上にはミサゴが巣を作っているそうだ

碧潯台(へきとうだい)展望台より

荒波に浸食された青海島北岸、海上アルプスを見下ろす

其々の岩には、カモメ岩、十六羅漢、変装行列等の

面白い名前が付いている

黄金洞だったかな?

萩の大照院より移築された西圓寺山門

県指定有形文化財に指定されている

此処は世界最古の日曜学校発祥の地

あれ、此処にも弁天島(大日比の弁天島)

青海島のほぼ中央、仙崎町大日比にあるナツミカンの原樹

県の花にも指定されているナツミカンは山口の特産品

国の史跡・天然記念物に指定されている

太平洋戦争後、博多、舞鶴と共に、此処仙崎港にも

多くの引揚船が接岸され41万人が上陸した

前方をゆっくりと歩いて行く老夫婦、先程懐かしそうに海を見ていたが・・・

「あまりにかわいい島だから ここには惜しい島だから、     

貰ってゆくよ、綱つけて。」                       

北のお国の船乗りが、ある日、笑っていいました。         

うそだ、うそだと思っても、夜が暗うて、気になって         

朝はお胸もどきどきと、駈けて浜辺へゆきました          

弁天島は波のうえ、金の光につつまれて、もとの緑でありました。

鯨のモニュメントが迎えてくれる広々とした「青海島シーサイドスクエア

お土産屋さんも軒を連ねる

宿の朝食に出された干物が美味しくて・・・

でも二人なのに、こんなに買ってどうしましょう

「日本童謡集1926年版」に選ばれた「大漁」の詩

他に選ばれたのは、西条八十、泉鏡花、北原白秋、島崎藤村、

野口雨情、三木露風、若山牧水等で、女流では与謝野晶子と

金子みすヾの二人だけ。23歳と最年少だった

 

鈴と、小鳥と、それから私、 

みんなちがって、みんないい

金子みすヾのこの詩に出合って以来

その不思議なやさしさやさびしさが深く心に残っていた

今回、みすヾの詩に出てくる故郷・仙崎を訪ね

詩がより身近に感じられるようになった

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