2007年12月08日 三 嶺

祖谷の貴婦人を訪ねて

GPSによるトラックログ(カシミールソフト使用)
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第582号)」

 
菅生(いやしの温泉郷)〜三嶺〜名頃〜(車)〜いやしの温泉郷   (7時間)

 

久しく三嶺に行ってないなぁ

明日は天気もまずまず、霧氷も出来ているかもしれないわ

久し振りに祖谷の貴婦人にあって来よう〜

さて、まだ歩いた事が無い菅生コースから行くとして

ピストンも面白くないし、名頃へ下りてみようかな

でも、車道歩きが長いわ・・・

そうだ、仙ちゃん〜〜

名頃で、はなわさんの案山子にも会って帰ろうね

名頃登山口に車をデポしてから、菅生まで引き返す

8時15分 いやしの温泉郷出発

初めての道はわくわくするわ〜

指標に従い民家の前を通って歩いて行くと

刈り払われた萱が束ねられ寒々とした萱場に出る

最近、萱場もあまり見かけなくなったけど

大伴家持を想って詠んだ笠女郎の歌が浮かぶ

陸奥の 真野の萱原 遠けども 面影にして 見ゆといふものを

 

最終民家の庭先に立つハデ

もう直ぐ、沢庵用の大根が沢山干されるんだろうか

  日本の原風景ともいえる懐かしい風景〜 

呑気に郷愁に浸っていては、何時まで経っても頂上には着けないわ

山道へ入って行かなくっちゃ

フカフカの落ち葉の絨毯を踏みしめて、冬枯れの森へと入って行く

足もとに落ちているドングリを、良く見ると根が出ている

来年の春には双葉を出すのかしら?

植林の間を縫って、真新しいモノレールが走る

延長4,600m のこの奥祖谷観光周遊モノレールは、

標高1380mの所迄、高低差590m を1時間10分かけて

周回するそうだけど、冬は寒いだろうな

時間が早いのか、まだ動いていなかった

後で、HPを見たら営業は4月〜11月だった

そりゃそうよね

間伐された木がほったらかしにされて、何だか勿体ない

灯油高騰の折、いやしの温泉の燃料に使えないかしら

で、どうやって持って下りるの?

其処が問題なんよね〜

造林小屋跡の側に残る小さな建物

竈にしては大きいし、風呂にしては少し小さいかな?

切れ落ちた箇所を慎重に歩き、広々とした笹原に出る

青空に霧氷〜  ルンルン〜♪

11時20分  1791m峰に立つと

霧氷で薄化粧した三嶺が目の前にドーンと現れた

感動! 感動! 感動! 大感動!

鞍部まで下り、霧氷の急坂を登って行く

綺麗なんだけど、まるで冷蔵庫の中に居るみたい

手が冷たい!

バリバリに凍てついた笹は、固くて痛いくらい

後、ひと頑張りで大展望よ〜

11時50分 ミヤマクマザサの笹原へ飛び出す

ウワー! 思わず駆け出していた

笹原を横切って、頂上へ続く尾根に出る

一面のコメツツジ群落に霧氷の華が咲いて、綺麗〜

12時10分 三嶺頂上(1893m)

気温が高く、少し舫ってはいるものの大展望!

山々が重畳と連なり雄大な景色が広がる

此処から、西は西熊山、天狗塚へ、東は剣山へと人気の縦走路が続いている

先客さんは、お亀から登って来られ、カヤハゲへと周回されるそうだ

やっぱりこの山は、縦走が良く似合う

ピークを踏んだだけで引き返すのは、何だか勿体ないわ

東へ目をやれば、白く雪を被った剣山と次郎笈が仲良く並び

左下に丸笹山が、可愛くちょこんと控えている

塔ノ丸頂上の笹原は、雪も無く暖かそうな雰囲気

歩いて来た道を見れば、先程立っていた1791m峰が白く光る

山頂より少し下の方に見える巻き道らしき道を歩けば、少しは楽だったかな

笹原とコメツツジ、ヒュッテに良くマッチする山上池

まるで、貴婦人のエクボみたい

そうだ、スケート靴持って来ればよかったわ

と言いながら、三嶺ヒュッテまで下りて来て休憩

食後の美味しいコーヒーも戴いて、のんびり寛ぐ

少し風はあるが、日差しが暖かい〜

1時15分 さぁ、そろそろ下山

笹原が切れ落ちている大岩辺りは、高度感がある

南斜面の雪は殆んど融け、暖かい

コメツツジには、まだ秋の気配が残る

東尾根をどんどん下って来ると

ウラジロモミの純林が立ち並ぶダケモミの丘分岐着

林道登山口まで1km  平尾谷登山口まで1,4km

三嶺山頂まで1,8km の標識が立つ

モミが林立し静かないい雰囲気〜

「モミの木〜、モミの木〜♪ いつもみどりよ〜♪」

もう直ぐ、クリスマスね〜

樹幹を覆っている地衣類は、緑のビロードみたいで綺麗

たっぷりと水を含み、ふわふわとして柔らかかった

三嶺は、昭和51年に自然休養林に指定されているが

いろんな木が次々と世代交代していっている

あらら、堰堤が壊れ道が崩れている

根こそぎ倒れていった木々が折り重なっているが

下山路のあちらこちらに、災害の跡が色濃く残る

対岸の山腹も、ザレた跡が生々しい

2時50分 平尾谷登山口(林道第3カーブ)が見えて来た

あれ、前より綺麗ないい道になっている

又、上の登山口迄、通れるようになるんかしらん?

林道から平尾谷へ下り、ショートカットの道を歩いていたら

対岸から「ケーン ケーン」と鹿の啼き声が聞こえて来た

歩きながら前方を見上げると、塔ノ丸が間近に迫る

林道を車でさっと走り抜けていた頃は、気がつかなかったわ

第一カーブの所で再び林道に出て、暫く歩くと駐車場が見えて来た

広くて立派な駐車場に、停まっていたのは2台だけ

3時15分 名頃駐車場着

デポしておいた車でいやしの温泉郷へ

祖谷最奥の名頃集落は、長閑な雰囲気〜

畑仕事の合間に、楽しいおしゃべりが弾む

はなわさん、すっかり寛いでギターを抱えて唄っていたわ

いやしの温泉で温まり

美味しいものを戴いて、3人で小さな忘年会

お疲れ様〜

 

念願の菅生からの道は、霧氷の大歓迎

久し振りの三嶺、満喫〜♪

これほど素晴らしい山なのに

石鎚山、笹ヶ峰、剣山のように信仰の対象にもならず

地元に語り継がれた歴史をあまり聞いた事が無いんだけど・・・

それとも、私が知らないだけかしら?

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