2008年06月07日  石 鎚 (面 河 道)

静寂の裏参道を歩き 西冠お花畑、三角点のシャクナゲ満喫

GPSによるトラックログ(カシミールソフト使用)
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平18総使、第582号)」

バス停〜霧ガ迫は概念図です

面河バス停〜登山口〜面河乗越〜西ノ冠岳お花畑〜三角点〜弥山〜土小屋

                                       (9時間35分)

 

梅雨の晴れ間、やっぱり石鎚へ

お目当ては西冠のユキワリソウ&イワカガミ、三角点のシャクナゲ

緑に染まる面河道で、ひょっとしたら、未だ見ぬ花に会えるかも

5時45分 面河バス停・駐車場を出発

「石鎚のチョウ・世界のチョウ」の資料展が開催されている面河山岳博物館を過ぎ

素彫りのトンネルを抜けると、カエデの柔らかい緑が迎えてくれる

ウワミズザクラやサワグルミの大木を見ながら進んでくると、五色河原に着く

高さ100m、幅200mの花崗岩の大断崖、亀腹が見えて来た

 

渓泉亭前の桜に、エドヒガンの名札?

ある本には、分布西南限のオオヤマザクラだと書かれていたんだけど・・・

素敵な名前の「紅葉河原」

右岸に面河尾根に出る遊歩道が整備され、展望台から石鎚が見えるそうだ

今日の面河川は、水量が多いわ

下熊淵からエメラルドグリーンの淵や小さな滝を見ながら進み

段々峡谷が狭くなり、水音が大きくなってくると上熊淵

明治頃の面河渓谷は、ツキノワグマも棲息する秘境だったとか

 

6時45分 登山口     快適な遊歩道は終わり、急な石段を上がって行く

 

見落としそうなコケイラン(ラン科 別名ササエビネ)  水遊びが大好きなミズタビラコ(ムラサキ科)

ツガやブナの大木に圧倒される

8時 ジグザグの霧ガ迫を登り詰め面河尾根の支尾根に出ると

やっと石鎚が見え始めた

山頂まで 4850m /2時間45分  登山口まで 2300m / 45分 の標識が立つ

登山口からここまで標高差560m 1時間15分 しんど〜

此処からは緩やかに登って行く

アルペンムードを醸しだす峻険な南尖峰をズーム

北沢って何処を歩くんかしら?

日が差さないから、暗いわ

見下ろせば、木々の間に御来光ノ滝の頭

雨上がりの今日は、豪快に流れ落ちている

傷んでいた桟橋も補強され歩き易くなっている

賑やかなアケボノツツジも終わり、山の中は落ち着いた初夏の装い

辺り一面、緑で覆われて、眼の中が緑色になりそう〜

ブナ林から、生まれたばかりの爽やかな空気が流れてくる

樹間に西ノ冠岳が見える

9時15分 愛大小屋

昨年、建て直されたばかりで中はとっても快適

毛布やシュラフが用意されていたが、10人くらいは寝られるかな

「ご自由にお食べ下さい」と、ビールやお菓子まで置かれていた

石鎚弥山は、天空の要塞

新緑越しに三角点から西ノ冠岳への稜線がクッキリと見え出した

稜線の下には二の森への縦走路 その下にこれから歩く面河道が笹原にラインを引いている

 

緑の中に、オオカメノキやミツバツツジが彩を添える

この上辺りが仁淀川源流かな

あら、イシヅチザクラも!  頑張っているね〜

 

小鳥の飛んでいるみたいな姿からノビネチドリ(ラン科)   

車輪状につく花が、五重塔の先端・九輪に似ているのでクリンソウ(サクラソウ科)

面河谷を隔てた東方には、仲良し岩黒山、筒上山、手箱山が並ぶ

前方にシラベ林が現れ、快適な笹原をゆっくり高度を上げていく

石鎚山系のシラベ林は日本最南端の亜寒帯林だそうだ

朝日新聞掲載記事(5月30日)「温暖化が今世紀中に日本に及ぼす影響」の中で

このまま温暖化が進むと、シコクシラベ絶滅の恐れがあると書かれていた

(ブナ林分布が激減して、白神山地のブナがなくなる可能性もあるとか)

そういえば、年々気温が上昇し洪水被害も増えつつあるし、今年は梅雨入りも早かったわ

出来る事といえば、ガソリン高騰の折、遠出しなければいいんだけど・・・

せめて冷房は最小限に留めたい

 

シコクヒロハテンナンショウ?(サトイモ科)       イシヅチテンナンショウ(サトイモ科) 

 

シラベ林の中にある最後の水場を過ぎると、あと一息で、二ノ森分岐

10時45分 縦走路に出る (登山口から、6130m)

分岐から西へ向いながら石鎚を振り返る

いろいろな姿を見ながら登って来たけど、石鎚は何処から見ても岩の殿堂

もう直ぐ、お花畑〜 ルンルン ランラン〜♪

爽やかな風が吹き抜ける

空気が澄んでいるのか二ノ森が随分近く感じる

行って見たいけど 又、今度にしよ

破れ帽子が、とっても可愛いイワカガミの群生

 

イワウメ科のイワカガミ 艶やかな葉っぱが名前の由来だそうだ

雪解けを待って咲き出すというユキワリソウ(サクラソウ科)

花の真ん中にある白と黄色の輪が可愛い

斜面いっぱいに、満開のユキワリソウが揺れる

 

充分お花畑を堪能して、引き返す途中

縦走路から笹斜面に取り付き、笹を掻き分けながら三角点を目指す

ほんの10分程の急坂だけど、雄大な景色を振り返って、ちょっと一休み

面河谷へ落ちていくスロープが美しい

前から気になっていたけど、やっぱり、此処はカールだわ

ウワー、満開のハクサンシャクナゲ〜♪

周りはシャクナゲだらけ 北面には未だ蕾が沢山ついている木も

疲れがいっぺんに吹き飛ぶわ

 

12時 三角点(1920,6m)        三ケ森から高縄山系まで稜線がクッキリ

 

面河渓12kmの標識が立つ、表参道に飛び出した   三ノ鎖巻き道では、ミヤマダイコンソウが開花準備中

12時40分 弥山着

天狗岳もピンク色は見えなくなり、夏色に染まり出した

   

弥山周辺をのんびり散策していたら、イシヅチザクラのさくらんぼがほんのり色付き

 ナンゴクミネカエデも黄緑色の可愛い花を咲かせている

面河行きのバスは、土小屋発4時30分  まだまだ時間がたっぷりあるわ

頂上小屋で、おでんを食べながらゆっくりしていたら、なんだか眠たくなって来た

1時20分 風が強くて少し寒い、そろそろ下山しよう

カエデの新緑に染まる天狗岳北壁を見上げる

  

葉っぱに隠れてあまり目立たない黄緑色の花は、ルイヨウボタン (メギ科)

 「類葉牡丹」、漢文の読み下し通り、牡丹の葉に似ている

 

木曽駒ヶ岳にちなんだ名前のコマガタケスグリ(ユキノシタ科)   なんだか酸っぱそうな名前

 花の見頃は過ぎていたが、見事な群生のヤマシャクヤク (ボタン科)                

ブナに見送られて、のんびり帰〜ろ

3時20分 土小屋着

バス停に座っていると  アッー! ○森さん!

クラブの例会で岩黒山〜筒上山だったそうだ

出席率の悪い会員で・・・小さくなって座席に収まりました

皆さん 有り難う御座いました

 

花々が咲き出す梅雨時の石鎚、緑に覆われ、もうすっかり初夏の装いだった

ミヤマダイコンソウ、シコクイチゲ、ナンゴククガイソウが咲き乱れる夏も楽しみ〜

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