2008年08月01〜02日 穂 高

アルピニズム発祥の地「穂高連峰」の吊尾根を歩く

 

穂高岳山荘泊で、翌日に念願の吊尾根 ちょっとハードスケジュールかな

しんどかったら涸沢 岳沢 山中2泊 も考えていたが、岳沢ヒュッテがなんと休業中

こうなりゃあ どうでも1日目に穂高岳山荘まで頑張らねば!

1日 上高地〜横尾〜涸沢〜ザイテングラード〜穂高岳山荘      (8時間55分)

2日 山荘〜奥穂高岳〜紀美子平〜前穂高岳往復〜岳沢〜上高地 (7時間45分)

 

アカンダナ駐車場始発(4時50分)のバスで上高地へ

5時30分 上高地バスターミナル(1504m)を出発 

梓川左岸を明神、徳沢と進み、屏風岩が見え出して来ると横尾に着く

山荘前で休んでいると、次々と登山者がやって来て

其々の目的地、槍ガ岳、蝶ガ岳、涸沢・穂高へと向けて分かれて行く

天気は好いけど、今日はちょっとロング あまりのんびりも出来ないわ

8時30分 横尾大橋を渡り、横尾本谷を詰めて行く

岩小屋跡を過ぎると左に屏風岩 正面に大キレット 北穂 が目に飛び込んで来る

屏風岩と北穂の迫力に圧倒されながら進んで行くと、まもなく本谷橋

本谷橋を渡ると亜高山帯の植生に変わり本格的な上りとなる 

上高地から傾斜の緩やかな道を歩いてきた足には ここからのジグザグの急登はかなり堪える

キヌガサソウが一輪、咲き残っている                  ゴゼンタチバナの群生

ナナカマドやダケカンバの潅木林になりSガレの押し出しに出ると、右前方に吊尾根が見え

やがてモレーンの上に建つ涸沢ヒュッテが目視出来るようになる

右後方には長い横尾尾根 尾根の向こうは槍沢 

今日も沢山の人が槍を目指して歩いているんだろうな

涸沢カールのテント場に出る道を右に見ながら

雪渓の中に付けられた道を真っ直ぐ進み、涸沢ヒュッテを目指す

11時10分 涸沢ヒュッテ着(2309m)

屹立する主峰の奥穂、涸沢岳、涸沢槍、北穂、左には吊尾根を隔てて、前穂から屏風ノ頭まで

目の前に広がる壮大なカールバント(圏谷壁)に思わず息を呑む

稜線左方の鞍部に穂高岳山荘が見える 

此処から奥穂までは標高差880m 山荘まで670m まだまだ遠いなぁ

登山道は涸沢小屋の上を通るルートと、パトロール宿舎前からのパノラマコースの2つ有り

パノラマコースの方が花が多いらしいけど、一面の雪渓なのでテン場の中を歩き、涸沢小屋へ向う  

此処のテン場は大きな石がゴロゴロ 寝るのは、かなり根性が要りそう 

涸沢小屋のテラスで雪渓を見ながら小休止

さあ次のチェックポイント ザイテングラードの取付まで頑張ろう

道沿いにはチングルマやアオノツガザクラの緑が雪渓に映えてとても綺麗

岩の僅かの隙間を埋める花たちが、あちらこちらにお花畑を作っている

振り返れば、ナナカマドの白い花越しに屏風ノ耳 屏風ノ頭

 その後ろには蝶ガ岳から常念岳への稜線が延びる

前方のシシ岩背後から穂高主稜線が迫ってくる 景色は最高

シナノキンバイやハクサンイチゲが元気をくれる

パノラマコースと合流すると、道はザイテングラードに向って左上して行く

勾配はあまり無い様に見えるけど疲れた足にはかなりきつい

右方を見上げればお花畑の上に涸沢槍が天を突く

穂高に来て槍が目近に見えるなんて、ちょっと得した気分

ザイテングラード取付の狭い平坦地で一休み、涸沢小屋からやっと半分位登ったかな

前穂の北尾根を眺める  フムフム、あそこが 「5,6のコル」か

    穂高の主稜線、白出乗越へ突き上げる一本の支稜が「ザイテングラード」

まるでらくだのコブみたいな岩稜を、登っている人たちが小さく見える

見下ろせば、ハクサンイチゲやシナノキンバイが咲き乱れるお花畑

さぁ、穂高岳山荘への登り、最終章  高度感のある岩場が続きます 

でも大丈夫!  先週、東赤石山で予行演習して来たから

岩稜の急登は一気に標高を稼ぐので爽快だけど、8時間も登り詰めたら疲れるわ  

涸沢岳、涸沢槍を眺めながら、ちょっと一休み

鎖や梯子を過ぎ、少し傾斜が緩やかになった所で 「山荘まで20分」 の表示

あと一息!

2時25分 穂高連峰主稜線、白出乗越に建つ穂高岳山荘着(2983m) バンザ〜イ!

山荘に覆いかぶさるような岩壁が目に飛び込んで来て、圧倒される

明日はこの岩壁を登るんよねぇ 大丈夫かな?

まぁ、心配しても仕方が無いわ

山荘前のテラスでコーヒーを飲みながら、のんびり寛いでいると

周囲の山々は夕日に染まり、カールを見下ろせば穂高が静かに影を落としている

ロマンチック〜♪

 

人気の山小屋だから仕方が無いとはいえ、小さな布団一枚に二人

窮屈で寝られんわなんて言っていたのに、何時しか深い眠りに・・・

 

 

2日目

3時過ぎに目が覚めて、外に出てみると満天の星 

こんなに綺麗な天の川を見るのは何年振りかしら、感動〜!

真っ暗の中、岩壁の中腹にヘッドランプの灯りが点々と見える

山頂で御来光を拝むのか、それとも西穂へ縦走なのかな

5時前、山荘前で沢山の人が待ち受ける中、御来光〜 ♪ 

「ウワァー」 と、どよめきが湧き上がる

5時15分 山荘を出発                 いきなりの梯子を慎重に登って行く

さあ今日は奥穂から念願の吊尾根を歩いて前穂 岳沢 上高地まで一気に下る

最高の天気に昨日の疲れも吹き飛ぶわ

梯子を登ってから山荘を見下ろせば、高度感あるわ〜

西には、朝日を受けて輝く笠ガ岳が目線の高さ

振り返ると、涸沢岳と北穂の間で槍ガ岳がその存在を誇示している

山荘も随分と小さくなって来た

緩やかにガレ場を登って行くと奥穂高岳山頂が見え出した   5時55分 北アルプス最高峰・奥穂高岳山頂(3190m) ヤッホー

ケルンの上には穂高神社の山宮が祀られている

南には甲斐駒の左方に富士山 西穂から先へ延びる尾根を辿っていくと焼岳 乗鞍 

そのむこうにでんと構える孤高の霊峰・御嶽、梓川を挟んで霞沢岳がひときわ大きい

朝靄に包まれている上高地、そろそろ賑わっているんだろうな

河童橋から眺めた奥穂頂上に今立っている満足感に浸る

笠ヶ岳から北へ辿れば双六 黒部五郎 三俣蓮華 鷲羽のたおやかな稜線

遥か向こうには、ズッシリと大きな薬師岳が見える  

黒部源流の山々、何時かは歩いてみたい

南稜の頭から、祠が祀られた山頂を振り返れば

穂高連峰の主峰を守る衛兵・ジャンダルムの奇怪な姿が一際目立つ

ちょっと! ちょっと!  誰か忘れていませんか?

そうそうジャンダルムの遥かむこうに加賀の名峰白山 勿論見えていますよー

槍のむこうに立山 右に後立山連峰

北アルプスの山々が勢揃いしたダイナミックなパノラマ

日本の名峰全て我が手中に在り、な〜んて  ちょっと大袈裟〜

大展望も楽しんだので さあ そろそろ下りようか  な、なんと! 上高地まで標高差約1700m 

朝日が当たりだした涸沢カールを覗き込む            気高く咲くハクサンイチゲ

奥穂から南東に延びる吊尾根の岳沢側を下って行く

鎖はあるが、一歩間違えば視線を留める所も無い急斜面を岳沢河原まで真っ逆さま(ゾォー)

最低コルの分岐と書かれた地点の手前 涸沢側の展望場

北穂を背景のミヤマシオガマの薄ピンクが一際鮮やかに岩場を彩る

7時50分 紀美子平に着いて奥穂を振り返る

可愛い名前だけど、山の地名に女性名は珍しいんだって

今田重太郎翁の夭折した娘・紀美子さんを偲んで「紀美子平」と呼ばれているそうだ

ババ平なんてのは、言外だけど(笑)

そういえば、四国では「さおりが原」って名前があるわ〜

紀美子平にザックを置き、急な岩場を登って行く

8時20分 前穂高岳頂上(3090m) 北アルプスでも珍しい一等三角点が置かれている

細長い前穂頂上の北端から槍穂主稜の全貌を飽かず眺める 

足下を見れば涸沢の高度感が物凄い  雪渓に、何か雪形無いかな

右方には北尾根が屏風のコルへと続いている 二峰 三峰って、あんな所歩けるの?

紀美子平の少し上に、前穂と明神岳の分岐がある

見下ろせば明神岳主峰と二峰 岩には「止レ」と書いている 行けと言われてもよう行かんわ

梓川を辿っていくと上高地のシンボル赤屋根が見えるが、上高地の喧噪は、濃い緑の中

下りて来ると、紀美子平は韓国の団体さんで所狭しと賑わっていた

お腹も空いて来たので、山荘で作って貰ったお弁当「朴葉寿し」を食べながら暫く休憩

9時 岳沢目指して重太郎新道を下る

この道は、穂高の主と呼ばれた名ガイド、今田重太郎翁が開削

急傾斜のスラブには鎖が付けられているが、ちょっと滑りやすいので慎重に

穂高連峰最難の縦走路を見ながらハイマツ帯の「雷鳥平」を下りて行く

眼下に、岳沢、上高地が広がる「岳沢パノラマ」 展望地         胃の薬として珍重されたというトウヤクリンドウ

   

 急坂を下って来ると小広いテラス「カモシカの立場」の展望台に着く 奥穂南稜の岩壁が間近に迫る

      ロープや鎖がつけられたガレ場を過ぎ、長い梯子を下りるともう直ぐ岳沢の河原  

お花畑を下って来ると、テント場と書かれた河原に可愛いミネザクラ(タカネザクラ)

一瞬チシマザクラかなと思ったけど、よく見ると葉柄や花柄萼筒に毛がない

それにしてものんびり屋の桜だこと、もう8月よ 「朴葉寿し」を食べながら、暫し休憩

11時20分 岳沢ヒュッテ跡  建物の跡形も無く、「休業中のお知らせ」の表示板が立つ

平成18年の雪害により全壊、現在はトイレも水場もなくテント場も利用出来ないそうだ

ハクサンシャクナゲやナナカマドが咲く潅木帯に入り、緩やかに下って行く

鬱蒼とした針葉樹林が現れると、空気がひんやりとして来た

「天然クーラーですよ〜」 と誘われて近付くと、辺りに冷たい風が漂う

岳沢名物?「風穴」、涼しくていい気持ち、疲れも吹き飛ぶわ〜

12時50分 韓国の団体さんが登山靴を脱いで休んでいる間を縫って、上高地自然探勝路に出る

後は、明神岳に見送られ、木道をのんびり歩いて河童橋へ

1時 観光客で賑わう河童橋から吊尾根を見上げる 

ウワー、遠いなぁ!

冷た〜いかき氷を食べ、梓川河畔で暫く休憩してから上高地を後にする

 

2日間とも最高の天気に恵まれた大展望の岩稜歩き

満足度200%の充実した穂高でした

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