2009年06月07日 ”九重山”

ミヤマキリシマ咲き誇る平治岳〜大船山

GPSによるトラックログ(カシミールソフト使用)
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。」(承認番号 平18総使、第582号)

 
長者原登山口〜坊ガツル〜大戸越〜平治岳〜大戸越〜北大船山〜段原〜大船山〜段原

 〜坊ガツル〜長者原登山口                             (9時間30分)

 

ミヤマキリシマ 咲き誇り 山くれないに 大船の〜♪

峰を仰ぎて 山男  花の情けを 知る者ぞ〜♪

 

3年前、九重山を周回した時、感動の坊ガツルから峰々を仰ぎ

讃歌に唄われる、山くれないの平冶岳・大船山を歩きたいと思っていた

男池からの周回コースも魅力だが、やっぱり九重山のオアシス坊ガツルは外せない

6月7日は、九重山お山開き

長者原では前夜祭が行なわれており、久し振りにエレキギターに酔いました

7日 天気は快晴(左写真は6日夕撮影) 長者原の駐車場は満杯

5時前に大型バスの団体が出発、今日は大混雑の予感がする 

5時、登山口に立つガイド犬平冶号の像の奥から白水川に架かる橋を渡り、タデ原の遊歩道を進む

九州自然歩道に指定されているこの道は、三俣山の裾を徐々に高度を上げながら半周し坊ガツルへと続いて行く

 硫黄山は相変わらず噴煙を上げ、ちょっと不気味な存在

登山道に入ると火山特有の黒土、前日の雨でかなり道がぬかるんでいる 

まだうす暗い広葉樹の林の中を歩き、登山口から40分程でベンチが置かれている休憩所に着く

やっと展望が開け、西を見れば長者原に朝日が当たり始めている

5時50分 雨ヶ池越  平坦な草原の道となり、朝靄に包まれた雨ヶ池 

木道を行くと、早速、あちらこちらで ミヤマキリシマが迎えてくれる

雨が降ると池が出来るそうだけど、あまり水は溜まっていない

雨ヶ池から道は下り気味になり、新緑が綺麗なアセビが目立ち始めると

大船林道にあたり、坊ガツルの大草原が目の前に開けてくる

此処は、右に三俣山、正面に中岳、白口岳、左に大船山、平冶岳と九重山群の名山に囲まれた

標高1250m前後の湿原盆地で 秋には一面すすきの穂波が輝き大感動の場所だ

九重山は殺風景な火山のイメージが強いけど、周りを見渡せば以外と緑が多い 

坊ガツルの真ん中を流れる鳴子川の清流、玖珠川の源流だそうだ

6時35分 法華院温泉への道と分かれ、鳴子川に架かる橋を渡ると「坊ガツル」キャンプ場

振り返れば、あせび小屋 左奥に法華院温泉が見える 背後に硫黄山からの噴煙が上がっている

鞍部付近のミヤマキリシマが朝日に輝いてとても綺麗

 正面に大船山を見ながらテントの間を抜けていく 

50張位あるだろうか 坊ガツルにはカラフルなテントが良く似合う

6時45分 避難小屋を越えてすぐ大船山への道を右に分け、薄暗い平治岳登山道へ入って行く

 早、下りて来ている人とすれ違ったが、今日の御来光はさぞ綺麗だったろうな 

 周りが開けて来て振り返ると三俣山(1744.7m)が見え出す、もう峠は近い

7時25分 大戸越(うとんごし)  既に10人程が休んでいて、男池の方からもドンドン上がって来る

少し休憩してから、一方通行となっている上り専用の登山道を登って行く

南東を見れば、九重山群の中では一番古い火山・黒岳が朝日に輝いている

黒々しているのでその名が付いたとも言われている黒岳は

高塚山(1587m)や天狗岩(1550m)等、いくつものピークの総称で

「日本の自然百選」にも選ばれているブナやカエデの原生林には、イヌワシが棲むそうだ

かなりの急斜面を枝やロープを掴みながら頑張ると、平治岳南峰(1610m)

歩いて来た坊ガツルが真下に見える、山々に囲まれて、まさに四面山なる坊ガツル、納得〜

色褪せた花もあるけど、平冶岳からピンクの絨毯に座って見る坊ガツル、思った通りの素晴らしさに大感動!

平冶岳は双耳峰、三角点は南峰から10分程北にある

南峰からミヤマキリシマのトンネルを縫って、8時 平治岳(ひいじだけ1642.8m)頂上

遠くにそれと直ぐ分かる姿の由布岳が、雲海に浮かんでいる    

南を見ればくれない色の向こうに、これから目指す大船山が頭を覗かす

その前に平治岳の西尾根を少し下って、雲上散歩 ルンル〜ン

初夏の日差しの照り返しで、全身つつじ色に染まります

右奥に浮かんでいる端正な山は涌蓋山(わいたさん1499,5m)、玖珠冨士と呼ばれているそうだ

三俣山、硫黄山、中岳等、九重山群が目の前に迫って来る

尾根突端から坊ガツルを見下ろし、大船林道を辿ると南奥に法華院温泉山荘

今回も泊まり損ねたけど、いつか温泉に浸かりながら満天の星空を眺めたい!

ミヤマキリシマも個性派揃い、其々に花の色や濃淡が微妙に違っている

真下に大戸越を見ながら、下りルートを下りて行く       8時55分 大戸越に下り立つ、ますます人が増えて来た

大船山への途中、振り返れば平冶岳の上りルートはかなり混雑

登山者が連なる白い線が見えますか?

この後も、どんどん混雑がすすんだそうで、坊ガツルまで下山した時に出会った方が

大戸越から頂上まで2時間以上かかるということで、諦めて引き返して来たと話されていた

「ミヤマキリシマが終われば私の番よ」と準備万端の天女花、オオヤマレンゲ

かなり急坂の上、火山特有のコロコロ石がいっぱいのガラ場は歩き難くて余計に疲れる

火口縁手前の斜面のミヤマキリシマはまだ蕾がいっぱい

段原火口縁に出て、桃色稜線を北大船山へ向う

咲き始めは色がとても鮮やか、それにしても花芽が多い 

あらら、これからいい所なのにガスが飛んで来た

大展望を期待していたのに・・・早く晴れないかなぁ

新緑とピンクのコラボ

10時 北大船山頂上(1706m)は花で埋められた火口縁の小突起

まさに咲き誇るミヤマキリシマ、この辺りが一番見事でした

10時05分 段原(だんばる) 此処は登山道の交差点

右は風穴、左は坊ガツル方面へと下りて行く

先ほど踏んだ北大船山を振り返る

これから目指す大船山はすぐそこ

先ほどまでかかっていたガスが晴れて来た、良かった〜

段原からは米窪火口縁沿いに上って行く、潅木の林床に沢山のイワカガミが可愛い

少し高度を上げてから振り返ると やっぱり火山だわ

現在の九重山群は数万年〜1万年前に造られたトロイデ型火山

段原火口(火口底が白い)の右下に大きな米窪火口(深さ200m)が口を開け二重火口になっている

歩いて来た段原火口縁の向こうに頭を出しているのは、先ほど登った平冶岳

火口壁を彩るピンクの絨毯がとても綺麗

ミヤマキリシマは、山ツツジが長年火山性ガスに晒され、環境に対応して出来た品種だとか

なるほど、それで九州の山にミヤマキリシマが多いんだ

此処「大船山のミヤマキリシマ」は、「九重山のコケモモ」と共に国指定の天然記念物

コケモモといえば雨ヶ池辺りにも有ったけど、未だ蕾のようだったわ

さあ、もう一息で頂上、この辺りの見頃はもう少し先

10時30分 賑わう大船山頂上(たいせんざん1786.2m)

後ろの中岳方面にかかる雲はもう夏山の雰囲気 

由布岳は見えるけれど、南の祖母山、阿蘇山は・・・残念、石鎚山は・・・無理です   

頂上のすぐ東側の御池が満々と水を湛えている、秋には池畔に写る紅葉がとても綺麗だそうだ

コーヒーを飲みながら20分ほどのんびり寛いでいる間にも、南の久住方面からも次々人が登って来る

 段原まで引き返し、西の山魁を眺める 一番高いのが中岳(1791m)

今日は九重山お山開き

今年の神事は久住山(1786.8m)で行なわれるそうだが、今頃頂上はごった返しているだろうな

 山友のストーンリバーさんも、前日に平冶岳〜大船山で、この日は牧ノ戸峠から久住山を歩いていたそうだ

やっぱり、近くに居る様な気がしていましたよ〜

 

11時30分 名残惜しいけど下山開始

正面に三俣山を見ながら下って行く、まだまだ多くの人が次々と登って来る

やがて展望も無くなり、樹林帯の中を滑りそうなぬかるみやゴツゴツ石が転がる急坂を下りて行く

12時15分 やっと坊ガツル、段原から意外と時間がかかった 

平冶岳の方からも沢山の人が下りて来る、三俣山を見ながらのんびり休憩

 いつまでも「坊ガツル」のど真ん中で寛いでいたい気分だけれど

そうもいかないわ、今日中に四国まで帰らなければ

11時45分 重い腰を上げ、キャンプ場を後にする

雨ヶ池までは案外上りなのよねぇ、疲れた足には堪えます  石鎚山の八丁坂を登り返しているみたい

 竜というより馬に似ているギンリョウソウ(銀竜草)

コイワカガミやマイズルソウ等、可愛い花が呼び止める

今日歩いた平冶岳から大船山の稜線を見ながら、のんびり歩き

1時30分 雨ヶ池越   燃える平冶岳を振り返る

ハルリンドウ                 ヒメハギ

遊歩道沿いの樹木に掛けられているネームプレートを見ながら下って行く 

ブナやウワミズザクラの大木もある、緑が濃くなった葉っぱを撫でて吹き抜ける風が気持よい

登山口が近くなって来ると、森林浴を楽しむ観光客の姿が目立ち始める 

2時30分 長い木道を歩きやっと長者原へ帰って来た、今日もよく歩いたなぁ

泥んこになった靴を洗い、ベンチに座って、後先になって下りて来た方たちと暫し談笑

毎年、この時期毎週来られている方が言われるには、今日は最高だったとか 

梅雨入り前、駆け込み青空の下、坊ガツルから念願の平冶岳〜大船山のくれないの稜線を歩け

満足度200%の素晴らしい山行となりました

ミヤマキリシマ大爆発、真紅に燃える豊後火の山九重山、ほんまよか山じゃった

 

本場の湯にも浸かったし さあ四国まで630km運転まかせたよ

車の中は、ずーと 芹洋子「坊がつる讃歌」のCDが流れ眠れない

いくら感動を持続したいからといっても、ちょっとねぇ

おかげで、目にはクマ、聴きすぎて耳にはタコが出来ました 

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