2009年10月04日 石鎚・ニノ森
仲秋の名月と御来光を愛で 錦秋の石鎚・ニノ森を歩く
土小屋〜弥山〜ニノ森〜三角点〜弥山〜土小屋 (10時間40分)
先週の土曜日(9月26日)東稜を這い上がり、南尖峰から西の稜線を眺めると
ニノ森北面の紅葉が一際目立っていた
今回は弥山で御来光を拝み、ニノ森までの静かな稜線を歩いてみよう
御来光と言うことになれば 3時過ぎには土小屋を出発しなければ・・・
そうだ 瓶ヶ森で夕日を眺めてから、土小屋泊まりにしよう
前日夕方、瓶ヶ森駐車場から少し歩き始めるとアレー! ストーンリバーさん
石鎚に登った帰りに瓶ヶ森に寄ったそうだ、 お元気!
期待した夕日は、ほわ〜んとしていて、いまいちメリハリが無い
その代わり東の空には、まん丸い盆の様な月が昇って来た、折りしも今日は、仲秋の名月
こんなに大きく綺麗な月を見たのは久し振り、雄大なロケーションに酔いました
瓶ヶ森を下り瓶林を走って、一路土小屋へ
既に沢山の車が停まっている 明日の御来光登山は賑やかになるだろう
真夜中2時頃、ボツボツ車が到着する音で目が覚める
恐るべし! 石鎚錦秋の魔力!
3時25分 土小屋を出発
天気は好い割には、思ったほど冷え込んでいない
仲秋の名月に照らされ、ヘッドランプが要らないくらいの道を快適に歩き始める
登山道に灯りが続き、まるでホタルが飛んでいるみたい!
二ノ鎖小屋が近づくと、表参道から法螺貝の音と六根清浄を唱える声が聞こえて来る
「お騒がせしています」と言いながら、信者さん達はお鎖をかけて行くが、未だ冷たいだろうな
小屋で小休止していると「アレー! 仙ちゃん」、今日は東稜を下る予定だそうだ
仙ちゃんと偶然一緒になって上がって来たのは 「アレー! くもちゃん !」、お久し振り〜
5時20分 弥山着
既に三脚をセットし、御来光を待ち構えている人でいっぱい
西ノ冠岳の上には仲秋の名月、暫く待っていると東の空が明るくなって来た
いよいよ朝焼けショーの、始まり始まり〜♪
四国の背骨、石鎚山系主稜線に夜が明け始める
四国一早い(剣山の方が早いかな?)夜明けの中で、天下を取った様な爽快な気分
6時08分頃、御来光 思わず両手を合わせてパンパン
太陽が少し顔を覗かせ、あちらこちらでカシャ、カシャとシャツター音が響く
太陽の周辺が薄っすらピンク色に変わっている
空気もそこそこ澄んで稜線が浮き上がり綺麗なのだけど、何かが足りない
カメラ?、腕?、勿論それもあるけど、あっ、そうだ 雲
くもちゃんは居るんだけど、雲海が無いのが残念
でも、そんなにうまく好条件に巡り合えないわ、最高の天気に感謝しなくっちゃ!
柔らかい日差しが、徐々に天狗岳を照らし出す
後から判ったが、この中にFalconさんが居たらしい
Falconさんは、午前4時前に到着したが、既に前の方の場所しか空いていなかったそうだ
皆さん、何時に着いたのかしら?それとも小屋泊まりの方たちなのかな?
太陽を見つめる天狗も、赤く染まる
日の出ショーが終わり、出来た隙間を潜って下から見上げると
ご覧の通り、ズラーと並んだ三脚、ブナ林の様な三脚の林のなかで
携帯電話のシャッターを切っている人を見たら、何故かほっとする
紅葉の石鎚山は、登山者の世界と言うより写真家さんの世界なのかもしれない
これ程のカメラに狙われたら、天狗さんも照れて紅くもなるわ
思ったほど寒くは無かったけど、それでも指先が悴んでいたので
山頂小屋で熱いコーヒーを飲みながら、暫くストーブで温まる
6時35分 ニノ森に向う
先週鮮やかに紅葉していた三ノ鎖巻き道沿いのカエデ あらら、すっかり葉を落としている
あまりに見事な散りっぷり、でもちょっと早すぎるんじゃないの
紅葉シーズンが始まったばかりだと言うのに
おまけに、登山道には紅葉せずに枯れた様な葉っぱが沢山落ちている
今夏の降水量不足が微妙に影響しているのかな、これから紅葉前線は下って行くが、さて?
巻き道から分かれ、面河道へ入って行く
道に被さる笹が綺麗に刈られ、25%省エネ歩行でルンルン気分 感謝、感謝
面河乗越を越え、弥山を振り返る
精悍な顔をした獅子が、面河道を上がってくる石鎚参拝者を守っている様だ
シラベ林の中で面河道と分かれ、ニノ森(1929.2m)縦走路へ
笹の斜面には、「影冨士」ならぬ「影石」が落ちている
時間も早いので未だ誰も歩いていないが、それにしても先ほどまでの賑わいは何処へ
ニノ森北斜面の紅葉の様子は、日影で未だ判らないが
西ノ冠岳(1894m)東面は、先週ほど色が鮮やかで無い
1866m独標との鞍部(西冠のコル)手前で、西ノ冠岳を振り返る
やっぱり紅葉の色がよくない、もう終わっているのかもしれない
お腹も空いたし、石鎚を見ながら一寸休憩〜 仙ちゃんたち、もう東稜下りてるかな?
1866m独標の北面トラバース道より見る、鞍瀬ノ頭(1889m)
薄化粧して呼んでくれているが今日はニノ森までの予定、ゴメンネ
稜線に出て石鎚方面を望む、右の三角ピークは岩黒山(1745.6m)
8時10分 ニノ森
此処は重量感のある石鎚南面の大展望台
ちょっと足を延ばして鞍瀬ノ頭を見てこよう
どうも登山道整備はニノ森までだったらしい、ピークから西は相変わらず笹が深い
笹が夜露で濡れていたので靴の中までグチュグチュ、スパッツを着ければよかった
鞍瀬ノ頭から五代ヶ森(1706.7m)へと続く稜線は、未だ夏色
稜線の向こう久万盆地は、一面の雲海で覆われ
その左奥には、大川嶺(1525m)のたおやかな山塊が横たわる
鞍瀬ノ頭まで行ってみたいが、展望も十分楽しんだのでここで引き返す
紅葉具合は画像ではこの程度ですが、実際はかなり綺麗でした ホント
途中でお会いした島根からの単独行の方と、ニノ森頂上で暫し談笑
9時05分 「近々、大山へお邪魔しま〜す」と挨拶をし、ニノ森を後にする
北斜面にも、日が当たり出した
白骨林の斜面のずーと向こうに、松山の町並みが広がっている
西ノ冠岳の全貌、いつかあの尾根を歩いてみたい
ニノ森、鞍瀬ノ頭、その向こうに一寸歳が離れた堂ヶ森(1689m)、三兄弟が仲良く並ぶ
紅葉は未だ稜線付近だけみたい、高瀑渓谷全体が燃えるのはもう少し先かな?
弥山をズーム
あら、西稜にオレンジ色の服を着た人が歩いている、ひょっとして・・・
日差しを受けてリンドウも嬉しそうだけど、かなり暑くなって来た
石鎚南面のブナ林も上の方は少し色付いて来ているようだ
真下に、面河道を上がって来ている二人の登山者が見える
復路でぼつぼつニノ森方面への登山者に会う、10人程だったかな
三角点(1920.6m)の尾根になにやら赤いものが見える、ちょっと寄って来よう
10時50分 笹原を直登10分程で、三角点
真っ赤に燃えたドウダンツツジが迎えてくれ、遥か向こうに瓶ヶ森(1896.2m)
目の前に聳える弥山
期待に違わぬ紅葉が、三角点から弥山への稜線を染めている
西の稜線を辿れば、先ほど登ったニノ森
今春楽しませて貰ったシャクナゲに沢山の花芽が付いている、来年の春が楽しみ〜
吸い込まれそうな笹斜面を下りて行く
下りる人、登る人でごった返している表参道に合流、先程までの静かな登山道が嘘みたい
朝から、もう8時間近く、かなり疲れて来たが、もう一度弥山から天狗を眺めて帰ろう
ゆっくり一歩一歩、巻き道の階段を進める足の、何と重かった事!
頂上広場手前で一寸寄り道、再び三兄弟を眺める
11時45分 今日、2度目の弥山
「アレー!仏心さん!」、やっぱりそうだったんですね〜
入山規制があるほどの混雑かと思っていたが大丈夫、それでも天狗岳への道は順番待ち
どうもこの時間に、おいわさんもこの辺りに居たようだ
西稜のドウダンツツジを楽しんでから、12時05分 下山開始
コメツツジの紅葉はこれからの雰囲気
北壁を攀じ登っている人がいるなぁと眺めていたら、何とガクガクさんでした
じゃ、天辺に立っているのは、エントツ山さん?おじょもさん?
あらら、期待していたカエデは、十分黄葉せずに散り始めているようだ
登山道に落ちている葉っぱも、あんまり綺麗な色をしていない
ルンゼ辺りの紅葉は未だ期待出来そうだけど・・・
大きな台風が近付いているので、心配
最後のベンチで一休み、ニノ森、石鎚もずいぶん遠くなったわ
兄弟が、面河谷を隔てて話をしている
ニノ森 「兄貴の所はいいなぁ、いつも賑やかで 今日は何人位来たん?」
石 「そうやな、500人は下らんやろうなぁ 今も、いっぱいで重たいわ」
ニノ森 「こっちは10人ほど、おれも石鎚山系で二番目の高さのプライドもあるし
瓶や笹に負けたら格好つかへん、もう一寸来て欲しいわ、 少し分けてくれん?」
石 「そうやなぁ と言うても おまえさん所は一寸遠いし・・・まあ、静かなのもいいもんだよ
今日は夜中から賑やかで、完全に寝不足や
それに昔は皆、東西南北の参拝道を歩いて来よったが、今はどこから現れるか分からん
東稜、滝、おまけに北側の壁を攀じ登ってくるんで、こそぼうて、こそぼうて、これには参るわ
人気があるのも考えもんよ深田さんも言うとるやろ、個性を大事にしなくっちゃって 」
兄弟で呑気にこんな会話をしていたかどうか分かりませんが・・・
此方は、もう歩き疲れて、ヨロヨロ〜
2時05分 土小屋着
先週が意外にも綺麗な紅葉だったので、それ以上を期待していたが
思ったほどの色鮮やかさは見られず、既に終わっている木々にガッカリ
登山道に枯れ葉が沢山落ちていたのが気になるが、ルンゼにはまだまだ緑がいっぱい
そういや、今日は未だ10月4日、例年ならこれからが紅葉本番
ブナの黄葉もあるし、まだまだ楽しみ〜
今日は、久し振りにニノ森界隈の静かな山域を歩け
なにより、「仲秋の名月の下、石鎚御来光参拝登山」 とても快適でいい経験でした