2009年10月24日 ”伯耆大山”

大山紅葉まつり

夏山登山口〜弥山〜行者コース〜大神山神社〜大山寺(5時間)

 

人々を魅了した祭り太鼓の音が聞かれなくなると、静かに秋が深まってくる

大山では、10月20日〜11月5日は第45回大山紅葉祭り開催中

大山寺秋のご縁日の24日は、力強い僧兵太鼓が黄金色のブナ林に鳴り響くらしい

頂上で御来光を拝み、10時頃までに大山寺に下りて来ようと、深夜駐車場に到着して仮眠

3時半頃空を見上げると、月も星も見えず空は真っ暗、これじゃ、ご来光は無理かな?

暫くうとうとし、結局、5時5分、ヘッドランプを点けて出発

6時10分 五合目 この辺りで東の方がうっすら明るくなり、ライト無しで歩けるようになる

六合目避難小屋を過ぎた辺りから、下山してくる人に会う

やっぱりご来光は見られなかったそうだ

7時10分 弥山(1710.6m)着

雲ってはいるが、展望はそんなに悪くない

崩落を繰り返し、痛々しい姿の主稜線、最高峰・剣ヶ峰(1729m)のピラミッドピークが天を突く

槍尾根の向こうに先週登った烏ヶ山、北面には雲海らしきが流れている

南面の樹海も紅葉真っ盛りなのに、 あーあ、日差しが欲しい!

いくら待っても晴れそうに無いので、7時40分下山開始

風が吹きぬけるダイセンキャラボクの群落を抜け、木道が終わる頃

一瞬、雲の切れ間から薄っすら日が差し、ぼんやりだけど桝水原へ落ちる影大山 

紅い樹海に向って、急坂を一直線に下りて行く 

元谷を隔てて燃える宝珠尾根  その向こうの白い三角ピークは三鈷峰(1516m)

最奥のトンガリピークは甲ヶ山(1338m)、その南に(三鈷峰に隠れて見えないが)矢筈ヶ山(1358.6m)

山友のストーンリバーさん、今日は矢筈ヶ山だったそうだ

よくニアミスするけど山の好みが同じなのかな? ストーンリバーさ〜ん、ヤッホー!

あの稜線も魅力だわ、来年は矢筈ヶ山から船上山まで縦走したいな〜

サワフタギの青い実とナナカマドの真っ赤な実、まるでサファイアとルビーが美を競っているよう

五合目手前で、夏道コースと分かれ燃える行者コースへ、樹間に三鈷峰が見える

ウワー!目の前に広がる錦絵に思わず歓声が上がる

眩いばかりの紅葉、黄葉の中、時間も十分あるので木段をゆっくりと下りて行く

1200m付近だったかな、この辺りが一番見事!

黄色い絨毯が敷き詰められたブナ林を、小枝を揺らしながら紅い風が吹き抜ける

まるで竜宮城に迷い込んだみたい 目の中が紅や黄色に染まってくる

通り過ぎてしまうのが勿体なくて、何度も何度も振り返る

元谷が近付くと、まだ青い葉も混じってくる

この辺りは色白でスマートなブナが多いが、間も無く黄金色に燃え上がるのだろう

元谷(1000m)から、すり鉢状の北壁を見上げる

なになに? 涸沢と良い勝負ですって?・・・ウ〜ン、そうかもねぇ

カラフルな宝珠尾根、日が当たって輝けば、どんなにか綺麗な事だろう

大堰堤付近で数人のカメラマンが日差しを待っていたが・・・

9時45分 国の重要文化財に指定されている大神山神社奥宮

金門から主稜線を眺める

 

10時05分 大山寺着

今日は大山寺秋のご縁日、様々な伝統行事が行なわれる

大山寺山門前で待っていると、法螺貝の音が段々近付いて来て参道に鳴り響く

時代衣装を纏った可愛い稚児行列が花を添え

僧兵、烏天狗、天台宗修験の山伏たちに先導された貫主の行列が続く

山門前で僧兵太鼓が打ち鳴らされ雰囲気を盛り上げる 

    石段を昇るのもしんどそうな烏天狗さん、大山名物なめこ汁の施餓鬼で元気が出ましたか?

大山寺境内には、家内安全・商売繁盛・交通安全を願い大護摩法要の祭壇が準備がされている 

天台宗修験者の山伏と、悪霊護摩堂の山伏の修験問答

「修験とは何ぞや?」 「自然の中に身を置き・・・(よく分からんかった)」

長々と続いた問答も無事終え結界の中に招き入れられる

修験独特の法螺、錫杖加持が行なわれ、様々な作法が続く

梵天(御幣の事)に依り、柴燈護摩が焚かれる結界の中を清め

「神力加持の法弓をもって生死の悪魔を破る!」と、呪文を唱えながら

天地四方に矢を放ち悪魔を祓う法弓の儀、法弓結界が荘厳に行なわれる

大護摩供願文を奉読した後、採灯師により採灯、火入れが行なわれると、もうもうたる白煙が境内に広がる

煙に包まれると無病息災だと言われても、眼に沁みて涙がボロボロ

護摩法要とは、人体に見立てた壇木薪を組み、その周囲に一切の雑念を現した檜の枝葉を積み重ね

燃え盛る炉中に百八本の乳木を投入し、煩悩を焼尽すのだそうだ

諸々の神仏の加護を蒙り、不浄煩悩等の世の中の悪業一切を焼盡する火焔が雄大に立ち昇る

あまりの火勢に境内がどよめく中、山伏が火に閼伽水を注ぐ

閼伽水を注ぐ事によって、菩提心を促し善根が養われるのだとか

最後におめでたい紅白の餅まき、写真を撮っていたらカメラに餅が当たり運良くゲット

大山寺から南光河原へ下りると、金門北側

切り立った崖が両岸に迫る金門は「切分け」とも言われ、大山山岳仏教の行場でもあったそうだ

当時は「賽の河原」の守り地蔵として、東側断崖の南壁に地蔵菩薩が刻まれていたらしいが

今は、摩滅し輪郭だけが残り「金門の魔崖仏」の標識がある

僧兵太鼓に見送られ、紅葉まつりで賑わう大山寺参道を歩いて駐車場へ

 

雨は降らなかったものの生憎の曇り空、それでも行者登山道ブナ林の黄葉には大感動!

ブナ林に響く力強い僧兵太鼓を聞きながら、迫力満点の大護摩法要を体験

連綿と受け継がれてきた大山の歴史、やっぱり奥が深いわ

紅葉祭りが終わると、やがて木枯らしに枯葉が舞い、主稜線に冬が降りてくる

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