2010年02月13日  ”伊 吹 山”

今冬一番の霧氷の華に期待して、ブナの山に登る

トラックログはイメージ図です
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。」(承認番号 平18総使、第582号)

 

白猪谷遊歩道入口〜秋切橋〜シラサ峠〜伊吹山〜シラサ避難小屋〜秋切橋〜白猪谷遊歩道入口

(7時間05分)

ここ数日、赤星山〜豊受山(おといこさん)が霧氷で真っ白に輝いている

今なら、伊吹山のブナの霧氷も見応えあるだろう

吉野川の源流、白猪谷渓谷沿いの遊歩道を歩いて行ってみよう

いの町長沢で国道194と別れ、県道石鎚公園線を走り

大瀧を過ぎると白猪谷渓谷と書かれた大きな標識が迎えてくれる

駐車場に車を停め、準備して出発 (此処から先、よさこい峠への道は冬季閉鎖中)

8時20分 「下の登山口」から雰囲気の良い白猪谷遊歩道に入って行く

渓谷の澄んだ流れを見ながら、左岸につけられた緩やかな遊歩道を歩く

文献に拠れば、室町末期には白猪谷・石据谷辺りは、人が住み「作小屋跡」が在ったとか?

木地師が住んでいたのかな?、詳しく調べると面白そうだけど・・・また今度

右岸に寺川白猪谷銅山跡が見え出すころ傾斜が急になり、ワンピッチで車道に出る ここまで30分

秋切橋を渡り、バンガロー横の車道を上って行く

正面に霧氷で真っ白になった子持権現山が光っている、ワクワク

一般的では無いのですが 白猪谷遊歩道入口を「下の登山口」、バンガロー奥を「中の登山口」 

林道寺川秋切線を秋切橋に下りず、そのまま奥に進むと吉野川源流登山口

其処から更に奥へ延びた林道終点にある登山口を「上の登山口」としました

バンガローから未舗装林道歩き10分(「下の登山口」から40分ほど)で、「中の登山口」に到着

準備中の方に「おはようございます」と挨拶したら、何とやまももさんご夫妻でした!

こなすびさんご夫妻とこれから伊吹山の予定だとか、急遽ご一緒させて頂く事に〜♪

9時10分 賑やかに、「中の登山口」を出発

瀬音を聞きながら渓谷沿いの道を15分で丸太橋、 渡った所が下のわさび田

9時30分 林道寺川秋切線に出る

真っ白に輝く峰々に、歓声を上げながら足取りも軽い

少し進んで、林道終点手前にある「上の登山口」から右手の植林帯へ入って行く

(左写真は、振り返って撮っています)

「上の登山口」まで車で来れば、「下の登山口」に比べて歩行時間は1時間余り短縮出来る

でも林道はかなりのダート、下から歩いたのと実質時間はそんなに変わらんのじゃないかな?

10時 上のわさび田着、薄っすら積もった雪と鮮やかな緑のコントラストが綺麗〜

わさび田の周囲をネットで囲っていたけれど、猪避けだろうか?

そういえば此処は白猪谷、辺りを見渡せば大猪が現れそうな雰囲気だ

わさび田の横の沢を渡り対岸へ                 再び小さな沢を渡る

水辺の傍には自生のわさびも沢山、水が豊富なのでわさびにとって絶好の環境なんだろうな

日当たりの好い谷は、ユキワリイチゲやフクジュソウが似合いそう、どこかにいないかな〜

雪が少ないといっても未だ2月半ば、ちょっと気が早いかしら

 霧氷が出て来だした 綺麗〜♪ ミズナラかしら?

傾斜がきつくなり ブナ林の中のジグザグ道を頑張る

役目を終え土に還ろうとしている大ブナが、登山道に横たわる

ブナの額縁の中で、ドレスアップした子持権現山がすまし顔

独特の姿をした礫岩の山が、何故、「子持」って呼ばれるのか?

礫岩の別名が「子持岩」といわれるからだと、今まで思っていたけれど

山渓の分県登山ガイドに、「子供を負いたるような滝」と本川風土記に記されているので

山名は、その特異な姿からきたものと推測されると書かれてあった

段々厚みを増す霧氷の林をルンルン気分で歩いていたら、上の方からドサッ、ガサッという音

えっ、まさか熊?と、びっくりしたけど・・・霧氷が落ちる音でした

傾斜が緩くなり、作業道に出会う 右に行けばシラサ避難小屋 あとから覗いてみよう

11時 シラサ峠(1406m)

峠で写真を撮っている方に「素晴らしい霧氷ですね〜」と挨拶したら

今年一番の霧氷だと、三脚を抱えて縦走路を瓶ヶ森方面へ向かわれた

(後から分かったのですが、HPぴんぼけぎゃらりーの山坂のぼるさんでした)

此処は、土佐の寺川と伊予の西之川を結ぶ往還が走っていた予土の峠

昭和20年代後半まで、この峠を越えて伊予から炭焼きの出作が続いていた

炭焼き用の木を伐った後、その山を焼いて作物を貰う

西之川の細く深い山はだは焼畑をするには不向きだったけれど

寺川の山は傾斜は急なものの山が広く、自給自足の生活を十分に補う事が出来たそうだ

また、「土佐の峠風土記」には、昭和初期、西条市にパーマネント店が出来

寺川の娘さんたちが皆々峠越えをして、パーマをかけに通ったと記されている

一面の霧氷に覆われた伊吹山が呼んでいる〜♪

路面がツルツルのスケートリンク状態、滑らないように雪の上を踏んで行く

日が当たっている所は路面も乾き出している

四国山岳碑を過ぎ、暫くしてから登山道に入って行く

時折、ド〜ンと大きな音をたてて霧氷の塊が落ちて来る

頭に当たったら大変、静かにそっと潜らなくちゃ

あらら、びっしり付いた霧氷の重みで、枝ごと折れて落ちている、可愛そう

どうりで、ここのブナは細っそりしていて、あまり枝が広がっていないわ

立ちかねるほどの厚化粧したモンスターが勢揃い

霧氷というより、雪の塊・樹氷だわ

霧氷越しに瓶ヶ森男山、子持権現山(1677m)、展望ノ丘(1708m)、西黒森(1861m)を眺める

「山眠る」季節だというのに、何処の山にも雪が少ない!

山々から「寝不足〜」って悲鳴が聞こえて来そうだ

この時期、雪が無いのは寂しいけれど、今日は霧氷が主役〜♪

11時30分 伊吹山頂上(1503m)

みるみるガスが沸いて来て、あっという間に石鎚を隠してしまった

南を眺めれば、氷室伝説が残る手箱山(1806m)、その西方にずんぐり頭の筒上山(1859m)

寒々とした姿からは、共に霊山の風格が漂う

白い笹の向こうに岩黒山(1746m)

あっ、そうだ、なんでシラサ峠っていうのかなと前々から思っていたけれど

ひょっとして「白い笹」→「シロザサ」→「シラサ」と名前が付いたのかもしれない

ガスに隠れてしまった石鎚をバックに、みんなで記念撮影してからランチタイム

こなすびさん、温かいおうどんご馳走様でした

明日はバレンタイン、「瓶ヶ森さ〜ん、義理チョコで〜す」

頂上で寛いでいたら、どんどんガスが広がり少し寒くなって来た

12時35分 下山開始、帰りは縦走路じゃなく林道を歩く事にする

林道に下りる梯子が凍り付いていたのが、今日一番の難所だったかな?

縦走路を見上げれば、累々と続く霧氷の競演

右も左も、大ブナの霧氷だらけ〜

霧氷の重みで垂れ下がったブナのトンネルを潜って行く

誰も居ないシラサ山荘は通過して、1時05分、シラサ避難小屋

「お邪魔しま〜す」、昨年11月に新築されたばかりの小屋は、木の香りが漂う

火が焚かれていなくても、何となくストーブの周りに集まって話に花が咲く

あちらこちらを見て周り「いつか泊まってみたいね〜」と、小屋を後にする

2時40分 「中の登山口」まで下りて来た

やまももさんやこなすびさんは、これから此処で宴会だそうだ

ゆっくりご一緒したかったけど、ゴールはもう少し先なのでお先に失礼する

美味しいコーヒーにドーナツ、ご馳走様でした

また、花の季節に逢いましょうね〜

日が当たりだした遊歩道は、朝と比べると明るくて暖かい

よく見るとシャクナゲがいっぱい!新緑とピンクの競演も素敵だろうな

水温む春に、また歩いてみたい

3時25分 「中の登山口」から30分で、「下の登山口」・白猪谷渓谷駐車場に帰って来た

帰途、勢いよく流れ落ちる大瀧を見ながら昨年2月15日の氷室まつりを思い出していた

そういえば、先週7日は記念すべき第20回目の氷室まつり(氷詰め)だったけど

手箱谷に氷は十分あったんかなぁ?

 

今日は、思いがけない嬉しい出会のなか、次から次に押し寄せる霧氷の華々に大歓声

ダイナミックなブナの霧氷が輝く伊吹山は、別世界でした

やまももさん、こなすびさん、ありがとうございました

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