2010年04月03日 ”御柱祭”
奥山の大木 里に下りて神となる
寅年と申年の6年(数えで7年)に一度の「御柱祭」
諏訪大社上社山出しの見せ場、「木落とし」と「川越し」、息子夫婦と一緒に見て来ました
雪を被った八ヶ岳が見下ろす茅野市宮川は、御柱祭一色
1200年以上の歴史を持つといわれる諏訪大社御柱祭は諏訪地方の氏子がこぞって参加する大祭
2年前の9月、上社本宮と前宮に建てる8本の柱の仮見立て、昨年6月に御柱となる木の正式決定
今年、3月に伐採され、待ちに待った「山出し」の日がやって来た
御柱を運ぶ氏子は1本約2千〜3千人で、約7キロから約15キロもの距離を運ぶそうだ
難所を越え運ばれる巨木に、御柱祭にかける氏子の思いが伝わり、「御神木」になるのだろう
地元紙によると、3日の人出は34万1千人だったとか!
平均斜度は26度、長さが32メートルの「木落とし坂」
柱にV字形に付けた「メドテコ」に乗った若者たちが盛んにおんべを打ち振るう中
「本宮二」の御柱が坂の上からゆっくりせり出す、今か今かとワクワクドキドキしていたら
突然、近くで観ていた女性が倒れ大騒ぎ、嫁が急いで係りの人を呼びに走る
あまりの緊張か、それとも寒い所に長時間立っていたので眩暈を起こしたのか
救急車が来た時には意識が戻っていて安心したが、此方もハラハラドキドキ
アッ! メドテコが高く宙に舞い、御柱が斜面を一気に下り始める
固唾を呑んで見守っていた観客から、どよめきと歓声がわき起こった
あっという間に滑り終え、拍手で迎えられる
遠く離れた対岸から観ていたので、メドテコに乗った若者の表情は判らないが、緊張しただろうな
勢いよくオンベが打ち振られ、誇らしげだ
それにしても、1時間以上待って、クライマックスはほんの2,3秒
もう一つの見せ場は、八ケ岳の雪解け水が流れる宮川の「川越し」
ぞろぞろと、人の波が川越し会場へと続く
御柱が曳行される道沿いでは、子どもたちもオンベや御幣を振って祭りに花を添える
見物人が溢れる宮川の土手、此処にも桟敷が設けられていて、一本毎に入れ替わって観るそうだ
ツアーで来られ、3時から「本宮二」を観る予定だという年配の方が
もう4時を回っているのに「前宮一」が終わらないとやきもきしていた
今日は、「本宮一」「前宮一」「本宮二」「前宮二」が川越しの予定だったが
時間が遅くなったので、最期の「前宮二」は翌日に延期された
待っていた方はどうなったんだろう?
一時間以上は待っただろうか、「前宮一」の川越しが始まった
高速道路の向こうから、八ヶ岳も高見の見物
石積みの護岸を乗り越え、水飛沫をあげて着水、身を切るような冷たい水で御柱が洗い清められる
ヤァー ここは宮川 川渡り ヤァー ここは川越し お願いだ
ヤァー 白根が生えたか 動かない ヤァー どうでもこうでも お願いだ
曳き手の気持を統一する木遣り唄が川面に響き、「メドテコ」に乗った若者たちがおんべを打ち振り声を嗄らす
掛け声に合わせて、一斉に手綱を曳くもののなかなか川から上がって来られない
ヤァー ここは宮川 川渡り ヤァー ここは川越し お願いだ
ヤァー 白根が生えたか 動かない ヤァー どうでもこうでも お願いだ
澄んだ木遣唄が、声高らかに鳴り響く
木遣唄に引き込まれ、思わず「頑張れ」としきりにエールを送っていた
かなり時間がかかったが、やっと土手まで上がって来た
皆々、半纏から水が滴り落ちている、冷たい風が吹き、観ているだけでも寒いのに!
間近で観ると、メドテコに乗っているのも大変そう
おまけに元気よく、オンベも打ち振らなければいけない
足が固定されているだけだから、バランス感覚が無いと絶対に無理だわ
無事に「川越し」を終えた御柱はこれから茅野市安国寺の御柱屋敷まで曳行され、静かに里曳きの日を待つ
寒かったけど、雪を被った八ケ岳を背景に迫力ありました!
一週間後の 9,10,11日は下社の「御柱祭」が行われる
上社は女神、下社は男神だそうで、下社の方が御柱も大きく、木落としの距離も長いらしい
勇壮に滑り落ちる姿を見てみたいけど無理よねぇ、ちょっと遠いわ
04月04日 ”甲斐路の桜”
日本一の祭りの次は日本一の桜、甲斐路の桜を訪ねました
山梨県北杜市武川町の実相寺境内は花盛り〜、「山高神代桜」は何処だろう?
満開の桜が朝焼けに染まり、まるで紅葉みたい
三春の滝桜、岐阜の淡墨桜等、移植された子桜も精一杯春を謳歌している
甲斐駒ケ岳、鳳凰三山も、今日だけは名脇役
静かに桜を眺めている
日本武尊が東征の折に植えたと謂われている「山高神代桜」
樹高10.3m、根元・幹周り11.8mのエドヒガンザクラ
若い桜木が周りを取り囲むように咲いている中で、2千年の風格を醸し出す神々しい姿でした
大正時代、日本で最古・最大級の巨木として国指定天然記念物第1号になったそうだ
「花見にと群れつつ人の来るのみぞ あたら桜のとがにはありける」と西行は言うが
(花見に人が群れて来ることだけが、残念ながら桜の短所なのだ)
醍醐桜みたいに混んでたら朝食に間に合わないかもと心配しながら、早起きして一走り
あまり混んでなくてゆっくり見られたけど、それにしても、気温は0℃寒かった〜
最高のロケーションに立つ一本桜、小淵沢の「神田の大イトザクラ」
戦国から江戸時代に世が移る頃芽生えたと伝えられる樹齢400年のエドヒガンザクラ(変種)
枝張り東西20m、南北20m 樹高7.5m 立ち姿が素晴らしい
山梨県内でもまれな枝垂桜の巨木で、県天然記念物に指定されている
桜前線は甲州街道を駆け上がっている最中、あと一週間もすれば
残雪を戴いた八ヶ岳、甲斐駒ケ岳を背負って咲き誇るだろう、贅沢な桜です
地元では「花が一斉に開くときは豊年」と言い伝えられている
さて、今年は・・・枝先にびっしりと付いた花芽が赤く膨らんでいました
八ヶ岳南麓清里高原、静かな木立の中に建つペンション
朝の散歩を終え、帰って来ると美味しそうな匂い、お腹が空いたな〜
吹き抜けのガラス張りのダイニングで、野菜たっぷりの朝食を頂き
笑顔の素敵なオーナーご夫婦に見送られて、出発
長閑な田園風景の中に咲く桜、甲斐駒と会話しているんだろうか
「こんな景色、どこかで見たことがあるなぁ」と思いながら、北杜市の「三代校舎」校庭に駐車
敷地内に、明治・大正・昭和の校舎が並んでいる、中でも近代西洋風木造建築の明治校舎が一番モダンでした
現在、明治校舎(旧津金学校)は須玉歴史資料館、大正校舎はそば打ちやほうとう、農業など各種体験の施設
昭和校舎はイタリアンレストラン・宿泊施設のある「おいしい学校」として新しい時を刻んでいる
八ヶ岳と南アルプスの山々を背景にして校庭の桜が咲き誇れば、一幅の絵になる姿
後一週間くらいで、満開だろうなぁ
山梨県韮崎「武田の里」まで来たら、信玄公に会って帰らなくちゃ
国宝、武田八幡宮二ノ鳥居を潜り、長い参道を歩いて武田八幡宮にお参り
武田八幡宮が見下ろす田園風景の中で、一際華やかな空間
八ヶ岳おろしに耐え武田の里に春の到来を告げる「王仁塚(わにづか)のエドヒガン」
樹齢300年、樹高17m、幹回り3,8mの桜が青空を圧倒する姿で咲き誇る
甲斐国誌には「塚の形神前にかかる鰐口に似たり、後の人因りて名付けたるか」と
また、日本武尊の王子・武田王が諏訪神社の南西桜の御所で治を行い薨じてこの地に葬られ
王仁塚というとも謂い伝えられているそうで、説明板には「王仁塚」「鰐塚」の両方の文字が使われていた
薨
春満開〜♪
わに塚に夜の帳が下りると、ライトアップされた桜樹が厳然と聳え
神々のごとく、奥深い神秘につつまれるそうだ
折角だから、五千円札の裏に描かれている本栖湖からの富士山を見て帰ろうと
桃の香りに包まれた甲州街道を東進
ところが、本栖湖が近づくにつれ天気が段々怪しくなり、とうとう雨が降り出した
朝は綺麗に見えていたそうなのに、見ての通り富士山は雲の中、ガックリ
ともあれ、山梨名物「かぼちゃほうとう」を頂こう
名物に旨い物なし無しとも言われるが、身体がぽかぽか温まり美味しかった〜
あれから一ヶ月、息子夫婦が再チャレンジ
芝桜祭り開催中に本栖湖リゾートを訪れ、ピーカンの富士山を送って来てくれました