2010年07月08日 ”石鎚山”

夏山開大祭で賑わう石鎚へ

 

土小屋〜ニノ鎖小屋〜弥山〜天狗岳〜南尖峰 (往復5時間10分)

 

石鎚のお山が開かれ、四国の山にも本格的な夏山シーズンがやって来た

週末毎に雨で暫く山に行けなかったけれど、今日は久し振りの貴重な晴れ間

白装束の信者さんに混じって、夏山開大祭で賑わう石鎚を歩いてみよう 

夏の花もそろそろ咲き始めているだろうが、この時期石鎚を代表する花といえば

そう あの可憐な白い花です 見られるかな?

7時 土小屋出発 大祭期間中は石鎚スカイラインは4時から開いているので既に沢山の車が停まっている

すぐ右手にある土小屋遥拝殿で登山切符と青いリボンを受ける

遥拝殿の裏から一旦車道に出る

登山口には登山保護料についての説明書きの看板が立っている

登山保護料は登山道の補修や登山者の救護活動の経費に充てられるそうだ

遥拝殿で渡された青いリボンは土小屋ルートの登山者の証し(成就ルートは赤いリボン)

リボンを肩に着けていざ出発 まるで修学旅行みたい

登山口から、右の脇道へ逸れて展望園地へちょっと寄り道

林床に面白そうな形の花、何かしら? ランかなと調べたらフタバランに似ているようだけど??

5分ほどで笹が刈り込まれた広場に出る

あちらこちらに可愛いササユリ〜、あら色白のササユリさんも

みんなカメラに背を向けて、弥山の方が気になるのかな?

咲いたばかりの瑞々しいササユリに元気を貰う

標識に従い、刈り払いされていない道を少し下ると正規の登山道に出る

朝の光が注ぎ込むブナ林に差し掛かる頃にはもう大汗、歩き始めは肌寒かったのに、今日は暑くなりそう

何時もの場所から、すっかり緑が濃くなった石鎚を眺める

頂上小屋泊まりだったのだろうか 沢山の信者さんが下りてくる

「おくだりさん」「おのぼりさん」 最初はぎこちなかった挨拶も、そのうち自然と出て来るようになる

東稜分岐を過ぎ北側のトラバース道に入ると、真夏を思わせる黄色いヒメキリンソウが群生

ルンゼ手前から矢筈岩、北壁を見上げる

シコクフウロやクガイソウが咲き出すと、もうすぐルンゼ一帯がお花畑になる

花の側をかなり年配の信者さんが一歩一歩、歩を進めている

この時期石鎚へと駆り立てるものは何だろう、お山への祈りと感謝か、花で無い事は確かだ

8時50分 土小屋コースと成就コースが合流する、二ノ鎖元

吹き上げて来る風が心地良い

レスキューの方々だろうか、じっとしていると寒いと言いながら炭を熾していた

巻き道のオオヤマレンゲを写していたら、皆々立ち止まって「何ですか?」

「オオヤマレンゲ、天女花って言うんです」「えー、天女ですか!」と

折角咲いているのに、皆さんあんまり興味無さそうな様子

立派な錫杖を鳴らしながらゆっくり階段を登って行く先達

石鎚神社先達も元老大顧問から副取締まで十七階級もあるそうだ

三ノ鎖で登山切符を渡すと「登拝ご苦労様です、頂上社まで後10分ですよ」と係りの方が見送ってくれた

ユキワリソウは殆ど終わり、ミヤマダイコンソウは未だ咲いているが、でもそろそろお終いかな

代わって、シギンカラマツの白が目立ちだした

9時30分 夏山開き大祭の幟が風に靡く弥山着、頂上社からは朗々と太鼓の音と祝詞が聞こえて来る

弥山に修験者の方や白装束の信者さんが目立つのも、大祭中ならではの風景

仁・智・勇の三体の御神像が祀られている頂上社に、今夏の安全登山をお願いし参拝

天狗岳に獅子の吼える音にもたとえられる法螺貝が鳴り響く

その音を聞くと一切の魔物は消滅し、煩悩を去ることが出来るといわれているそうだ

無垢の心で眺めれば、天狗岳も心なしか何時もより清々しく、神々しくさえ見える

白い可憐な花を求めて、天狗尾根を歩き南尖峰辺りまで行ってみる

弥山南面の絶壁を覗き込むと、ありました、シコクイチゲの一叢 間もなく一面真っ白になりそうだ

でもとても近付ける場所ではありません もう少し近くで見られないのかな(煩悩は去りません)

躑躅のフィナーレを飾るコメツツジもポツポツ咲き出している シコクイチゲに劣らず白く可憐な花だ

10時 天狗岳(1982m)王子社の祠の下に新しい山頂標識

先ほど、お断りして弥山で法螺貝を吹く姿を撮らせて頂いた行者さん 何か行をされているのだろうか?

ガスが湧き上がり、霊山の名に相応しい幽玄な雰囲気が醸し出されている

鋸尾根も緑色に様変わりしている 今日は東稜を上がって来る人はいないのかな

イシヅチザクラのサクランボ越しに、西に続く静かな稜線

シロドウダンの白い簪が風に揺れて可愛い    ホソバシュロソウもポツポツ咲き出している

白い乙女は居ないかなと彼方此方探していたら、最高のロケーションで静かに咲いていました

赤石山系と石鎚山系の高所の岩場に生育する多年草で、愛媛県の固有種 「シコクイチゲ(四国一華)」

キンポウゲ科のイチリンソウなどと兄弟だそうだ

四国一の山に咲く四国一の華・シコクイチゲ

気高く咲くシコクイチゲ、オオヤマレンゲが天女花なら此方は乙女かな?

11時15分 シコクイチゲも充分楽しんだので、下山開始

「なんまいだ、なんまいだ」と言いながら、信者さんたちが階段を上がって来る

ツルアジサイを身に纏う枯れ木、本当の姿は何だったんだろう?

何か足りないと思ったらタカネオトギリソウが未だ咲いていない、でも蕾がいっぱい

休憩所で、連日パトロールされている消防署のレスキュー隊の方のお話を伺うと

この大祭中、転んで怪我をされた方も居たそうだ

ふわふわと華麗に先導してくれる蝶々、名前はなんていうの?アサギマダラだったら判るんだけど

先達を先頭に緑濃い登山道(今日は登拝道)に沢山の信者さんの列が続く

みなさん元気に「おくだりさん」「なんまいだ、なんまいだ」と言いながら登って行った

1時10分 土小屋着

 

梅雨真っ盛りの中でのぞいた貴重な晴れ間、もうすっかり夏の日差しだったけど

やっぱり湿度が高く、おまけに久し振りの山行で疲れました

白装束の信者さんを迎える霊峰石鎚山

白いササユリ、オオヤマレンゲ、コメツツジそれからお目当てのシコクイチゲ

霊気漂う緑濃い山中の白づくめ、身も心も清められた石鎚山開大祭参拝登山でした

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