2010年07月19日  ”大山(三鈷峰)”

三鈷峰から象ガ鼻、夏の花咲く雲上の理想郷を歩く

GPSによるトラックログ(カシミールソフト使用) 
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。」(承認番号 平18総使、第582号)

 

第4駐車場〜大神山神社奥宮〜下宝珠越〜上宝珠越〜三鈷峰〜象ガ鼻

〜砂すべり〜大神山神社奥宮〜第4駐車場         (5時間45分)

梅雨が明け、山々に百花繚乱の季節がやって来た

花の山といえば(独断ですが)大山・ユートピア

未だ花の季節に行った事が無い どんな景色が広がっているのだろう

 

蒜山サービスエリアから眺める蒜山三座は低い雲の中

今日はだめかなぁと思いながら米子道を下って行くと、北の方が明るくなって来た

蒜山が晴れていても大山は雲の中というパターンが多かったが・・・ラッキー!

大山寺橋横の駐車場は満車、大山寺バス停北の広い駐車場(第4駐車場)に停める

7時40分 夏色に衣替えした北壁を眺めながら出発 ピラミダルな三鈷峰(左)が呼んでいる

大山寺集落を抜け、突き当たりの大山寺手前を左に折れ、大杉が並ぶ石畳の参道を上がって行く

大神山神社奥宮が見えて来た、ご祭神・大国主命にお参りして神社右奥から登山道に入る

ブナが混じる杉林の登山道を10分程歩けば元谷と下宝珠越の分岐 此処は左へ、帰りは右を下りて来る

下宝珠越までは小谷の底を詰め上げるように道が付けられている

広い作業道を横切り、ヤマアジサイ咲く湿っぽい道を頑張り、傾斜が増して来ると下宝珠越に着く(8時40分)

下宝珠越で3人の方が休まれていた、もっとワンサカ賑わっているのかと思ったけど、案外少ない

「気持ちよい風ですね〜」 心地良い風が通り抜け、迸り出た汗がすっと引いて行く

小休止後、ブナだらけの宝珠尾根を上がって行く、それにしてもこの辺りのブナは色白でスタイルが良い

1242mのピーク(中宝珠山?)辺りから左には剣谷を隔てて荒々しい三鈷峰が迫って来る

頂上に、数人の人が見える 早いなぁ

急坂を少し下った所が中宝珠越、ここから元谷への道があるらしいが崩壊が激しく通行不能

コルに上宝珠越0.6km、ユートピア1.1km 下宝珠越0.5km、大神山神社1.2kmの道標がある

樹林の切れ目から差し込む朝日が眩しい

真っ赤に熟れて美味しそうなアカモノ、「召し上がれ」とでも言っているような「では、頂きます」

小さなルンゼを上り尾根に戻ると展望が開けて来る、右は元谷を隔てて痛々しい大山北壁

前方の稜線にユートピア避難小屋が見えて来た、上宝珠越はもう直ぐ

「この先危険」の標識、そんなに危なくもないけれど、右側が崩落して尾根幅が少し狭い

赤っぽい砂礫が大山は火山であることを伺わせる

9時55分 青く澄んだ弓ヶ浜を眺めながら上宝珠越で一休み

帰りは此処から上宝珠沢(砂すべり)へ下りて行く、正面はいかにも脆そうな墓場左尾根

被さる低木を払いながらトラバース道を緩やかに登って行くと、緑の中にひっそりと勝間ケルンが立つ

ダイセンキャラボクが登山道に倒れ掛かっている、天然記念物を跨ぐのも気が引けるけど、ヨッコラショ

上宝珠越から、15分程でコル(三鈷峰分岐)に出る

コルから見る三鈷峰は、抜けるような夏空の下で西面の荒々しさからは想像がつかない優しい姿だ

コルを左へ、三鈷峰向けてシモツケが咲き乱れるお花畑の中の稜線漫歩

咲き始めたばかりのシモツケやクガイソウが強い風に揺れる

緑濃くなった北壁の中で、大ガレの扇状地の白さが一際目立っている

崩落している剣谷側は痛々しいが、登山道の右側は夏の花が今にも咲き揃いそうな気配

10時30分 高く積み上げられたケルンが並ぶ三鈷峰頂上(1516m)

「大山寺縁起」に拠ると、修験道の開山役小角が三鈷の法岩や馬頭の秘洞で修行をしたとか

その後も、多くの修験者により座禅や観法を行う回峰行が盛んに行われたのだろう

頂上からの大パノラマを楽しみ、登って来た道を引き返す

小ピークまで下りて来て、再度大展望を楽しんでいる所へやって来たご夫婦

剣谷を覗き込んで「あんなとこまでよう行かん、私は此処で待っとるわ」とご主人が一人で登って行かれた

此処まで来てピークを踏まないのもなんだか勿体無いような・・・見た目ほど危なくないんだけどなぁ

クガイソウの原から抜きん出ているのはシシウドかと思ったけど、調べてみるとエゾノヨロイグサ(セリ科)

鮮やかな黄色いオトギリソウ、タカネオトギリとちょっと違うような、これは大山に咲くからダイセンオトギリ

ピンク色が可愛いシモツケ

ガスが湧き上がり、時折大山主稜線を隠す

咲いたばかりのクガイソウが姿勢よく背伸びする、シモツケソウは未だ蕾

瑠璃色とピンクのコラボレーション、見たいな〜

賑わうユートピア避難小屋、写真で見ると周囲は緑一色ですが少し色付いています

クガイソウの遠く向こうに、野田ガ山、矢筈ガ山、甲ガ山の山並みが続く

シモツケソウやコオニユリが咲き出すと、ユートピアも一段と華やかになるのだろう

親指ピークをズーム、すっかり緑に包まれ爪の部分だけが僅かに白っぽい

象ガ鼻から見上げる大山主稜線、いつかは天狗ガ峰(1710m)辺りまで歩いてみたい

11時 象ガ鼻(1550m)から弓ヶ浜を眺める

のんびり展望を楽しんでいたら、次々に登って来て狭い頂上ポイントは人で溢れて来た

11時30分 そろそろ下りようか

上宝珠越で宝珠尾根と分かれ、急坂を下り上宝珠沢(砂すべり)へ下りて行く

春は蟻地獄を砂と一緒に流れ落ちる感じだったけど

今日は斜面が少し固くなり随所に掘割が出来ているので余り勢いよくは滑らない

前の人が立ち止まって上方を振り返る、早よ滑らんとぶつかるよ〜

上宝珠沢出合から見上げれば、大屏風岩 大ガレが大迫力で迫って来る

春にはドーンという音とともに砂煙が舞っていたが、今日は静かだった ホッ!

元谷沢辺りにホソバノヤマハハコが目立ちだし、堰堤を越えると大山寺40分のケルンが立つ

12時40分 元谷大堰堤で冷たいゼリーを食べながら大休止

行者コースから下りて来た若者のグループが足取りも軽く通り過ぎる 「こんにちは〜」

さあ、後はのんびり佐陀川沿いに下って行く、時折冷んやりした川風が吹き抜け心地良い

1時05分 下宝珠越分岐を過ぎると、程なく大神山神社奥宮

1時25分 長い石畳の参道を下り、集落を抜けて駐車場に帰って来た

 

大山理想の花園ユートピア、百花繚乱には少し早かったが

花の名山の雰囲気は充分感じ取ることが出来た

今回は、本祭りの前夜祭

次には稜線一面がピンクや瑠璃色に染まるタイミングで来てみよう

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