2010年07月24日   ”三  嶺”

躑躅のファイナリスト・コメツツジを見に祖谷の貴婦人を訪ねる

 

名頃駐車場〜ダケモミの丘〜山上池〜三嶺  往復(5時間50分)

 

今年もツツジを沢山楽しんだ

工石山のアケボノツツジに始まり ツナクリ山や西赤石山

筒上山のシロヤシオ(ゴヨウツツジ) 瓶ガ森、笹ガ峰、チチ山のミツバツツジ

四国の山でフィナーレを飾るツツジといえばコメツツジ コメツツジといえば、そう三嶺です

(ツツジはまだ他にもあると思いますし コメツツジは三嶺以外にも沢山あります 何時もの調子です)

 

梅雨明け以降連日猛暑が続いている 今日は涼を求めて久し振りに三嶺を歩いてみよう

雲上の楽園がコメツツジの可憐な花で真っ白に染まっているかな?

7時10分 シロに見送られ、名頃駐車場を出発

林道から見上げると、抜けるような青空に冠の姿をした三嶺が聳える 頂上はずーと奥

15分程歩いたヘアピンカーブで林道ショートカットの登山道があるが、あえて林道歩き

何台もの作業車が上がって行く 上で何か工事をしているのだろう

35分ほどで平尾谷登山口(山頂へ3.2kmの道標がある)、早くも汗びっしょり

小休止後、登山口から樹林帯の中に入って行くと、ゴロゴロ石の登山道が整備され所々木の階段が作られていた

登山口で一緒になった方が、自分で付けた赤テープを外しながら登ると言うのでお先に失礼する

水路の側を通り、ブナなどの自然林の中急登を頑張ると、三嶺から東に派生した尾根に出る

8時40分 平坦地のダケモミの丘で小休止

あらら、樹林帯の下草が無い!背丈ほどあったスズタケも枯れてしまい、すっかり見通しが良くなっている

一体何事が起こったんだろうか? ちょっと異様な光景だ

一昨年は、スズタケの中でひっそり咲いていたショウキランも、心なしか慌て顔

モミ林一帯に広がっていたカニコウモリの群落も少なくなったかな?   

樹齢300年のマユミの古木も心なしか元気が無い様に見える ここを過ぎると森林限界は近い

樹林帯を抜け出ると、南に白髪山、カヤハゲ  東に剣山や次郎笈が見え出した

照りつける日差しに背中を押され、ガレの急坂を頑張る

夏の日差しを一杯受けて、背伸びするタカネオトギリ

三嶺名物南面の大岩が見えて来た 正面の大岩の向こう側を一登りすれば雲上の楽園が待っている

登りきった所で二人の方が休まれていた 5時に登り始めたそうだ 早っ!

広い高原台地に静かに佇む山上池 コメツツジは?ちょっと白さが足りません

池を過ぎると頂上はもう直ぐ 切れ落ちる南面の遠くに綱附森が見える

稜線に付けられた一本の道が頂上に導いてくれる

古米になっている木が多い中にも 青空を背景に今を盛りに咲く可憐なコメツツジ

水田の少ない奥祖谷地方の山々に咲くこの花を、昔の人はどんな感慨で眺めたのだろう

ふとそんなことを考えたりした

南面を覗き込めば、急斜面を波打つ緑の絨毯

10時05分 三嶺(1893.4m)頂上 西にはあたかも西国浄土に誘うたおやかな稜線が続いている

グランパは「大岩辺りまで行って来るわ」と南の縦走路を下りていく

沢山の蕾を付けたイワキンバイ  爽やかな風に揺れるミヤマキンポウゲ

グランパが戻るまで、心地良い風に吹かれて独り占めの山頂での〜んびり

イブキトラノオ           シコクフウロ

    タカネニガナ、花が少ない三嶺で縦走路沿いに貴重な夏の花々が咲き競う

  「貴婦人にそんなこまごました装飾品は必要ないわ 気品と手付かずの大自然があれば充分よ」  

 大岩越しに西熊山、天狗塚へと続く稜線を眺めていると、そんな声が返って来そうだ

「コメツツジが綺麗に咲いとったぞ」と言いながら、グランパが登り返して来た

ちょっと早いけど、お昼にしようか 今日は特製冷やしソーメン

それにしても静かな三嶺、頂上で会った方もたった二人

お一人は白髪山から、もう一人は名頃からそれぞれピストンだそうだ

10時50分 静かな山頂を後にして下山開始

たっぷりの水を湛えた山上池の水面に流れる雲が写る、見飽きぬその美しさに何度も足が止まってしまう

モリイイバラの遥か遠くに、剣山と次郎笈の兄弟峰が並ぶ

雲が少し広がって来て時折太陽を隠すが、まだまだ天気の心配は無さそう

この時期もっとワンサカ賑わっているのかと思ったけど少なかったねぇ、と話しながら下りていたら

ダケモミの丘までに、たくさんの人とすれ違った、中にはかなり年配の女性単独行の方も

きっと三嶺に格別の思いがあるんだろうな

可愛いコナスビさん   12時25分、登山口に下り立ち小休止

後は、林道をすたこらさっさと歩き、前方に塔ノ丸が見え出したら間もなく駐車場

1時丁度、20台ほど停まっている駐車場に帰って来た

トイレの側で昼寝していたシロが「もう暑くてたまらんわ」というような顔をして、ヨボヨボ近付いて来た

 

今日のお目当て、ツツジのファイナリスト・コメツツジ

雲上の楽園を埋め尽くす白い絨毯の時期には少し遅かったけれど、なんとか見ることが出来ました

今日も本当に暑かった 暑い暑いと言っていてもお盆が過ぎれば秋風が吹いて来る

あと一月か、 暑い間に遠くの山にも行ってみたいなぁ〜

歩いた道  ホーム