2010年07月31日  ”石鎚山”

土小屋〜面河、石鎚花のゴールデンルートを歩く

トラックログはイメージ図です
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。」(承認番号 平18総使、第582号)

 
土小屋駐車場(6:50)〜二ノ鎖元(8:30)〜(9:10)石鎚山頂(9:50)〜二ノ森分岐(10:05)〜

愛大小屋(11:10)〜面河道登山口(1:15)〜休憩(20分)〜関門バス停(2:30) (7時間40分)

四国で「花の山」といえば先ず東赤石山が思い浮かぶが、最高峰石鎚山も勿論花の宝庫

頂上に至る東西南北4本の登山道の中でも、

ルンゼを横切る東、南のコースには素晴らしいお花畑が広がっている

今日は、表銀座(土小屋コース)から裏銀座(面河コース)へ花のゴールデンルートを歩いてみよう

(注、表銀座、裏銀座という呼称は一般的ではありません)

関門バス停発3時32分のバスで土小屋へ帰ってくる予定です

6時50分 土小屋駐車場出発、連日の暑さが嘘の様に肌寒い

夏山開き大際期間中に登った7月8日に比べると、今日の土小屋は静かだ

土小屋遥拝殿の左に石鎚が見えるんだけど、生憎ガスの中

でも天気予報は晴れ、頂上に着く頃にはピーカンよ! な〜んて甘かった

タカネオトギリは見頃を過ぎたのか、登山道沿いにもっと沢山咲いているかと思っていたのにパラパラ

55分で東稜分岐 小休止

此処から二ノ鎖元までの北面トラバース道に5箇所大きなお花畑がある

4箇所のルンゼと、最初のルンゼ手前の明るく開けた所だ

早速、斜面一面のクガイソウ、ミソガワソウ、シコクフウロ、シシウド等が迎えてくれる

3週間で綺麗な瑠璃色に染まったクガイソウの群落が圧巻

見上げれば東稜もガスの中、レースのカーテンの向こうに矢筈岩が薄っすらと浮き上がる

矢筈岩の真下が最初のルンゼ 此処から4箇所のルンゼでは

見上げれば北壁の基部まで、覗き込めば谷底までお花畑が広がっている

写真ではちょっと分かり難いけれど 色んな花がびっしり敷き詰められれユートピア状態

緑の中にコオニユリの赤が一際目立つ、存在感あるねぇ

急傾斜のルンゼ地帯は落石があり早く抜けたい所だが、可憐な花に呼び止められ中々前に進めない

   ルンゼを染めるピンクのシモツケソウが可愛い〜  

最後のルンゼを過ぎ、一頑張りで表参道(成就コース)に合流、 8時30分 鳥居を潜る

シラヒゲソウが咲き出した三ノ鎖の巻道も、色とりどりの花が咲き競う

石鎚にはルンゼ以外にも、二ノ鎖元からの巻道に沢山花が咲いている

シモツケソウ、オタカラコウ、タマガワホトトギス、ホソバシュロソウ、ノダケ、ミヤマカラマツ、ショウマ

シシウド、イワアカバナ、オオトウヒレン・・・等、ハリブキの赤い実もよく目立つ

「何撮りよん?」 「咲き始めたばかりのシモツケソウ、ピンクが綺麗よ!」

西稜にちょっと寄り道、見頃は過ぎたもののコメツツジがまだ白い花を沢山付けている

ガスが晴れた一瞬、コメツツジ越しに面河道が現れたけど、ちょっと暗いなぁ、天気は大丈夫だろうか?

9時10分 石鎚山頂では、20人位のグループが出発の準備中

昨日、愛大小屋で泊まってこれから瓶ヶ森に向かうそうだ

あちらから此方から「おはようございます!」 溌剌とした元気な挨拶が嬉しい

キスリングのザック、懐かしいねぇ (了解を得て撮らせて頂きました)

三十年程前、ウエストの合わなくなったニッカボッカやシャツと一緒にキスリングも捨ててしまい

残ったのはピッケルだけ、「懐かしい思い出を捨ててしまって、ゴメンネ」

 南からの暴風吹き荒れる頂上に咲く、イシヅチボウフウ

二人占めの頂上で天狗岳のガスが切れるのを待っていると、一瞬姿を現した

Tシャツ1枚で寒さに堪えていると、先ほど追い越した二人が登って来られ暫く話をする

滋賀から来られたそうで、下山後高知へ行って明日帰られるとか

高知は龍馬ブームで大賑わいですね〜

お二人は天狗岳へ向かわれたが、展望の無い天狗岳はパス

風を避けながら冷やしソーメンを食べて、これからの長い下山に備える

9時50分 小屋前のお花畑で満開のシコクフウロを楽しんでから、頂上出発

三ノ鎖下の分岐でスパッツを着け、表参道と分かれて面河道へ

弥山北面をトラバースし、面河乗越を越えるとシコクシラベ林の中に二ノ森(右方向)への分岐標識がある

面河道の雄大な笹斜面を緩やかに下って行く 正面のシコクシラベ林の中に水場がある

水場を過ぎ振り返る、残念ながら何時もの精悍な姿は無く石鎚はうっすらガスの中

面河道の醍醐味は刻々と変わる石鎚西面から南面の姿

この天気じゃ無理だわ、お花畑に期待しよう

面河道のお花畑は、西ノ冠岳直下辺りから愛大小屋手前までの何箇所かのルンゼ周辺に広がる

ルンゼ(急峻な岩溝)と言うより単に谷と言う方がいいかもしれない

それにしても笹が被さる登山道にアザミの多い事、 チクチクと痛いの何のって

濃い緑の笹の中に艶やかなコオニユリ、後ろに石鎚が・・・やっぱりガスは退きそうにないなぁ

勢いよく伸びたクガイソウにワクワクしながら下りていると、「アレーやまさん  こんにちは」

今日はアルプスに向けての訓練だそうだ、愛大小屋で会った方とご一緒でした

「またお逢いしましょう」 大きなザックを背負ったお二人が軽やかに登って行かれるのを見送る

ルンゼ周辺や登山道沿いには次々とお花畑が現れる

鮮やかなシモツケソウやクガイソウに見惚れていたら、清楚なシコクイチゲも!

この場所で咲くシコクイチゲを初めてみたのは10年ほど前

数年前の7月、土小屋からこの辺りまでピストンして探した時はよう見つけず

土砂で流されてもう無くなったのかなぁと、重い足を引き摺りながら登り返したけど

その時は、少し時期が早かったのかもしれない、残っていて良かった〜

面河谷を隔てて見える筈の岩黒山、筒上山、手箱山の三兄弟も今日はガスに覆われている

後ろを見上げれば、勢いよく滝が流れ落ちている、仁淀川源流だろうか?

崩壊地はトラロープも渡され危なく無いが、抉れ方が段々ひどくなって来ている

ホソバノヤマハハコ、タマガワホトトギス等、次々にいろんな花々が迎えてくれる

土小屋コースが表銀座なら面河道は裏銀座、両コースを歩く今日の山行はまさに石鎚夏の花のゴールデンルートだわ

今日は強い南風が雲を運んで来る、 一瞬雲が切れた石鎚と西ノ冠岳を振り返る

それにしても暗いなぁと空を見上げていると、ポツリと雨が落ちて来た まぁ大崩れは無いやろう

滑りやすいトラバース道が続く

ルンゼは土小屋コース程のスケールでは無いけれど、クガイソウや蕾を付けたテンニンソウの群落

梅雨時にはノビネチドリやクリンソウが眼を楽しませてくれた所だ

右写真の小ルンゼを過ぎ、ブナ林の中を歩く様になると愛大小屋は近い

11時10分 ブナ林の中にこじんまり佇む愛大小屋(1550m)

小休止して、エネルギー補給

此処から石鎚の見納めの場所までは、一時尾根にも出るが全体としてはトラバース気味に下る

1時間弱だけど、案外長く感じられる所だ

湿った木橋を慎重に 登山口までは沢山の木橋がある

ツガやブナに癒されながら面河山を巻き支尾根を緩やかに下って来た所が

石鎚の見納めの場所(右写真) 今日は全然見えない

山頂まで 4850m /2時間45分 登山口まで2300m / 45分 の標識が立つ

面河ルートは全長7150mか、やっぱり長いわ

あと標高差560m程下らなければいけないけど、45分はちょっときついなぁ

12時10分 小休止後、霧ガ迫をジグザグ下って行く

薄暗い林の中に入る頃から、急に暑くなって来て汗が迸る

参道の名残の石段が現れ始め、後10分の標識を過ぎると、瀬音も段々大きくなりやっと鳥居が見え出した

1時15分 石鎚見納めの場所より1時間05分でやっと登山口、やれやれ最後の急坂が一番しんどかった

やまさんたち以外、誰にも逢わなかった静かな面河ルートでした

登山口からは面河渓谷沿いの遊歩道をの〜んびり       亀腹では沢山の人が涼を求めて水と戯れている

時間もたっぷり有るので国民宿舎で、うどん休憩

2時05分 うどんも食べた事だし、さあ後は関門バス停までと樹木や渓谷を眺めながらのんびり歩いていたら

歩く人が珍しいのか虫がブンブン寄って来て、何時しか急ぎ足に、あーあ、しんど

通天橋を渡り素彫りのトンネルに差し掛かると、スピードを出した車が飛び出して来る

身を避けた所の岩を何気なく見上げると、何とイワタバコの群生

2時30分 関門バス停

今日は 天気はいまいちで石鎚はしっかりとは見えなかったけど

スケールのでっかい百花繚乱のゴールデンルート(ダイヤモンドかな?)には

「夏の石鎚」の底力が溢れていた

 

バスを待っていると やまさんの車が通りかかる

お言葉に甘え、恐縮しつつ土小屋まで送って頂きながら、会話が弾む

R11のバス停から二ツ岳や赤石山系を目指した頃の思い出や

信州遠征の話で盛り上がり、楽しいひと時でした

やまさん、わざわざありがとうございました

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