2010年11月20日  ”大滝山”

阿讃山脈四天王の一角、ブナとケヤキと民話の山

GPSによるトラックログ(カシミールソフト使用) 
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。」(承認番号 平18総使、第582号

 
苫尾口(7:55)〜(8:25)中腹道分岐〜(9:25)十字路(9:35)〜県道口〜(10:20)大滝山〜(10:25)大滝寺
(10:40)東屋(10:55)〜大生峠〜(11:20)十字路〜(11:35)大生口〜(11:50)苫尾口   (3時間55分)

 

先週、高越山から眺めた阿讃山脈の大滝山

二つの山は、その昔石合戦をしたという民話が残る

今日は、わがままでかんしゃく持ちの「おこーつぁん」をやっつけたという大滝山から高越山を眺めてみよう

以前、相栗峠から大滝山へ縦走した事はあるけれど、麓から登るのは初めて、楽しみ〜

上の図、A→B→C→D→大滝山→E→C→F→Aを歩きます

大滝山県民いこいの森一番奥の第一キャンプ場側の第五駐車場に停める

停めたと思ったら、待っていたかの様に人馴れしたキセキレイが飛んで来て、補助ミラーやフェンダーで遊び出した

フロントガラス越しに写真を撮り、外に出て準備を始めても全然平気な様子

餌をねだっているんだろうか?何も無くてゴメンネ〜

7時55分 大屋敷橋を渡ったすぐ右手の苫尾口(苫尾峠入口)を出発

(県道をあと5分弱奥に入った所にも苫尾峠入口があります 大ケヤキを見るのならこちらの方が早いと思います)

  頂上までは標高差470m位とのんびり構えていたらいきなりの急登

黄葉したシロモジの中を10分程で地図には無い林道に出会う 林道に上がると「歩道」と書かれた指標

でも、どっちへ行ったらいいの? 道の流れからすると左かなと歩き出すが登山道の取り付きが無い

おかしいなぁと思いながらも、尚進んで行くと、林道の工事現場に行き当たり引き返す、ロスタイム15分

何のことは無い、右へ少し行けば直ぐ取り付きがあるじゃない

対岸に朝日が当たり始めた、別子(べっしと読むのかな?)集落が明るい

歩き始めて30分程で分岐(B地点)、真っ直ぐ行けば苫尾峠、今日は此処を左(中腹道)へ

下るの勿体無いわぁ〜と思いながら5分程で叉分岐、此処は右へ (真っ直ぐ下れば県道のウドン谷口登山口へ)

ウドン谷って? ツルツルよく滑る谷だろうか? なんとも讃岐らしい面白い名前だわ

ここから県道口までほぼ水平道、何度か支尾根、枝谷を拾いながら歩くのでかなり距離がある 

ウドン谷口分岐から10分弱で急峻な谷間に一際大きいケヤキが見えて来た 

「森の巨人たち100選大屋敷のケヤキ」 他の木を圧倒して谷を見下ろして立っている

この谷がウドン谷かは?ですが、この巨木はまさに「ウドン谷の主」だ

樹高30m、幹周4.5m 300年間この場を離れずーと谷を見守って来た

大ケヤキからは素敵なケヤキの森の中を歩く 大滝山自然休養林に指定されている大滝山の

主稜線は香川県では珍しいブナ林の道、中腹は大規模なケヤキ林の道と2本の癒しの道が並行している

此処のケヤキはどれも色白でスタイルが良い 急斜面で2代目が大きく根を張りしっかりと大地を掴まえている   

柔らかい黄葉で綺麗なのだけど残念ながら北斜面、日差しが欲しい

降り積もった落ち葉のフカフカの道を歩く サラサラと乾いた音が心地良い

中腹道は展望に乏しいが、時折冬姿の木々の間から対岸の大屋敷集落が見える 

大ケヤキから20分程で十字路(三本松口分岐) なおも中腹道を進みます

四天王の貫禄か、谷は深く、急斜面につけられた横駆道は何箇所か冬場はちょっと気が抜けない所がある

9時25分 叉十字路(C地点)、大生口(おおばえぐち)分岐、ちょっと休憩

今日は8の字周回、帰りにもう一度ここを通ります

大生口分岐から25分ほどで県道に飛び出す 県道に出るすぐ手前にもう1箇所分岐(ケヤキ林歩道口)がある

大滝山はいたるところに道標があり歩き易い、県民の山として親しまれているのだろうが

今日は天気が好く、紅葉も綺麗なのに 下山するまで1人の登山者にも会わなかった 

県道を右へ50m程進むと左山手に登山道がある

よく整備された登山道を歩いて行くと自然休養林と書かれた石碑が建つ広場に出て、車道を横切る

車道からひと登りすると大きなブナに囲まれたブナ峠、ここは左へ、大滝山頂上はすぐそこ

僅かに残っているブナの黄葉を見上げながら林の中を歩くと 10時20分 大滝山(946m)

鬱蒼とした杉林を下って行くと西照神社の横に出る

西照神社にお参り 拝殿の側には「西照神社の灯明杉」と呼ばれている樹高50mの千年杉が聳えている

参道の石段を下り、すぐ下にある別格霊場第20番(結願寺)大滝寺へ

寺前の車道には大型バスが3台停まり、境内は白装束のお遍路さんが溢れている

車道から今日の目的の一つ、吉野川を挟んで石合戦をしたという高越山を望んでみたが

気温が高くぼーとしていて、その上逆光のため稜線部分がうっすら見えただけ 写真になりません、残念

阿波の山々が大滝山に味方したので、未だに機嫌が悪いのか? 名山の気品を見たかったのだけど・・・

石段を登り返し西照神社を抜け、再びブナ峠へ

冬枯れ間近の明るい尾根道を歩いていると、何処からとも無く忙しげな鳥の囀りが聞こえて来る

10時40分 そろそろお腹も空いて来た、東屋でお昼休憩

葉を落としたブナが大きく手を広げ、青空に向って深呼吸しているようだ

この大ブナは、大ケヤキ、千年杉と共に「大滝山と高越山の石合戦」の生き証人です

尾根には一抱えほどの大きさの石がちらほら転がっているが、格別大きな岩は見当たらない、投げ尽くしてしまったのかな?

南斜面には高越山から飛んできて砕けた岩がゴロゴロしているのだろう

徳島県(南)と香川県(北)の県境尾根には四国八十八ヶ寺名を刻んだ石仏が置かれている 

「大瀧寺境内地」や県界・徳島県(大瀧寺所有地)の看板が、明るい尾根にやたら目立つ

11時05分 城ヶ丸三角点(943,3m) 「一般的にはここを大滝山の頂上としている」らしい

 城ヶ丸から香川県側に回り込み、落ち葉でフカフカの道を下って行く  晩秋の山歩きの醍醐味です

こんなに急坂だったのかなと思いながら10分程で大生峠、此処は右大生口へ

真っ直ぐ行けば苫尾峠〜相栗峠へ

支尾根に付けられた道を下りて行く アカマツ林の中の紅葉や黄葉に日が差し綺麗〜

11時20分 2時間前に通った十字路(C地点)、此処から真っ直ぐ大生口へ下りて行く

植林の中にクロモジの優しい黄葉が続く

11時35分 看板や標識が沢山立つ大生口に下りて来た 水の無い川を渡り県道に上がる

此処からキャンプ場まで1200mの標識がある、先週の車道歩きのことを考えたら 楽勝よ

見上げれば川沿いの紅葉が今を盛りと燃え上がっていて、単調な歩きも苦にならない

車道沿いにある三本松口(ウドン谷口)、苫尾峠入口の二つの登山口(いずれも標識有り)を確認して

11時50分 駐車場に帰って来ると、キセキレイが未だミラーで遊んでいた

帰りに車で西照神社まで上がってみたが、なんとも味気ない

やっぱり麓から歩いて初めてその山の実力が見えてくる

 

生憎、「おこーつぁん」は確りとは見えなかったが

小春日和の下で、積もったばかりの落ち葉の感触を確かめながら、快適な歩きが出来ました

それよりなにより、ブナの群落は勿論素晴らしいけれどケヤキの群落がこれほど綺麗だとは・・再認識

今日は讃岐の名峰大滝山の魅力再発見の山行でした

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