2010年11月27日  ”紫雲出山”

竜宮城を探せ! おとぎの海に浮かぶ紫雲出山

GPSによるトラックログ(カシミールソフト使用) 
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。」(承認番号 平18総使、第582号

 
荘内自然休養村センター(8:55)〜(9:55)紫雲出山展望所(10:10)〜(10:50)箱峠〜(11:30)仁老浜〜(12:00)三崎神社
〜(12:10)灯台12:35)〜関ノ浦往復〜(13:25)室浜大明神〜(13:55)箱浦ビジターハウスバス停      (5時間)

香川県西部の燧灘に鋭く突き出た半島に浦島太郎伝説が残っている

太郎に因む地名や旧跡が点在する荘内半島、粟島、志々島は、かつては総称して浦島と呼ばれていたそうだ

例えば、生里(なまり)は、太郎が生まれた里、糸の越(いとのこし)は、太郎が釣り糸を持って通った所

箱(はこ)は、玉手箱を開けた所、紫雲出山(しうでさん)は、玉手箱から出た煙が紫の雲となってかかった山

仁老浜(にろはま)は、仁義深い老人となった太郎が余生を過ごした所だとか

今日は、潮騒を聞きながら、竜宮城を探して

「四国のみち」に指定されている”紫雲出山ロマンのみち”(荘内自然休養村センター〜箱峠4.7km)と

”岬めぐりのみち”(箱峠〜讃岐三崎灯台〜箱バス停7.4km)を歩きます

県道大浜仁尾線を走り大浜集落を目指す 途中、おとぎの国の入り口鴨ノ越でちょっと寄り道

海が割れるのよ〜♪ 道が出来るのよ〜♪   此処は四国版珍島(ちんど)、丸山島

潮が引いたら、浦島神社が祀られている丸山島まで陸から5分程、浦島太郎さんが「ようこそ」と迎えてくれる

でも、あまりゆっくりしていたら、帰って来られなくなるかもです

大浜集落に入り、大浜バス停のある三叉路を左折、100m位で今度は右折

荘内自然休養村センター駐車場(左の写真)に停める 駐車場はちょっと窮屈です

紫雲出山へ向かう前に大浜バス停付近を一周してみる

荘内村役場と表示された建物の辺りは旧商店街なのだろうか?いい雰囲気が残っている

右写真が大浜バス停 三豊市コミュニティバス荘内線(右に停まっているバス)は、ここ大浜を起点に

 半島先端部を東回り、西回り(逆回り)と周回しています 料金は、何処まで乗っても100円です

今日は箱から大浜までお世話になる予定です

8時55分 荘内自然休養村センターへ戻り、四国のみち看板の左から出発

看板の後ろは荒魂神社 社の側には香川の保存木「荒魂神社のニレ」がある

此処から、紫雲出山を経て箱峠までの4.7kmが「紫雲出山ロマンのみち」

民家の間を通り坂道を上がって行く

9時 寿命院の奥之院として、乳薬師如来を祭っている乳薬師 

振り返れば、黄葉まじかの大銀杏の向こうに丸山島が見える

木の階段を頑張り 9時25分 車道に飛び出す

車道脇には、荘内半島の先端部分は昔は島だったとの説明板が立っている

説明板側のベンチで休んでいると、競輪の選手だろうか自転車を漕いで上がって行った

展望や紅葉を楽しみながら車道を歩いていると、先ほどの自転車が猛スピードで下って来る

時速60kmは出ていただろうか、あっという間に見えなくなった

9時40分 ガランとした駐車場に着く ここはもう九合目

何度かここまで車で上がって来たことはあるが 海辺から登るのは今日が初めて

遊歩道沿いの句碑を読みながら舗装路を上がって行く その中の一句

ライバルは 吉野の桜か 紫雲出山 

桜を自慢するこれ以上の表現は見当たらない、この山の桜を愛する気持ちがひしひしと伝わって来る

屋島などと同じく「メサ状溶岩台地」と呼ばれている平坦地の桜林を歩くと、程なく山頂園地に着く

山頂園地にある遺跡館では、石の鏃(やじり)を持った、ちょっと不気味な弥生人が立ち

弥生時代の高地性集落遺跡の出土品や、復元した高床式倉庫と竪穴式住居が展示されている

春は桜が咲き乱れ、「紫雲出山の1000本桜」として県下でも有数の花見の名所

青いキャンバスに描かれた桜紅葉も風情があるが、残念ながら少し遅かった

展望所手前の古木の下に三角点標識(352m)が立つ、桜紅葉の向こうの光る海に丸山島や蔦島が浮かんでいる

9時55分 紫雲出山展望所 眼下には箱庭の様な景色が広がっている

左には肥地木、生里、仁老浜の各漁港、細長い半島の先端は三崎灯台 右には粟島や高見島が近い

遠くに、中国地方や瀬戸大橋も見渡せる

展望所から少し下り、海岸寺方面を眺めると、弥谷山やおにぎり頭の我拝師山

桜並木の外れに一叢のもみじが色とりどりに装い、一際明るい

箱峠に向って、よく整備された道を下って行く かなり急坂、どこまでも木の階段が続く

鞍部を少し登り返せば新田(にった)城跡 小高いピークにその昔、山城があったらしい

「荘内半島は花の里 ここでちょっと休憩していきませんか?」という看板に呼び止められる

かって荘内半島は除虫菊の産地で、初夏にはこの辺りから下を見れば一面純白の花で埋まっていたそうだ

今はマーガレット、キンセンカ、菊などが年間を通じて栽培されている

長い木の階段を下り、2体の地蔵を過ぎ 10時50分 箱峠へ下りて来た

三崎灯台へ向う前に、直ぐ右にある映画「きな子」のロケ地になった番場警察犬訓練所を覗いてみる

一匹の見習い警察犬が、愛と感動を全国に発信した所です

箱峠へ引き返し ここから今日のコースの後半戦 讃岐三崎灯台までの「岬めぐりのみち」歩き

入り口は何処だ? たぶん左(生里側)だろうと車道を少し進むと、標識は無いが右に広い道がある

入ってみると直ぐに分岐があり左はどうも行き止まり 右はどうかなと思ったが標識がないので車道まで引き返す

もう少し南かな?と思いながらドンドン車道を下りていく とうとう太郎が生まれた里・生里集落まで下りて来た

どうも「四国のみち」入り口は箱峠の北側(箱側)にあったんじゃないかな?

集落の外れの車道上を見上げれば。?神社かな

仁老浜集落を抜けた突き当たりの広場に、竜宮を模した公共施設(?)が立っている

目の前は海水浴場、白い砂が光っている 広場の奥が遊歩道入り口

11時30分 亀さんの案内でコンクリートの道を三崎灯台へ向う

途中40人程のウォーキングイベントの団体さんとすれ違う

常緑の低木が多いが、それでも所々に落ちたばかりの紅葉が路面を隠している

室浜分岐を過ぎると、「どんどろ石」と名付けられた大岩 今日はお天気最高、どんどろさんの心配は無いわ

道側の立石休憩所は帰りに寄る事にして、急坂を下る 下った所が関ノ浦(右)分岐

この平坦地は三崎神社の境内、直ぐ目の前に鳥居があり石段が続いている 

真っ直ぐ行けば三崎灯台だけど、先ずは三崎神社にお参りして来よう

風格のある山門を潜り、石段を上り詰めると拝殿に着く

12時 船の守り神・三崎神社、振り返れば、遠くに紫雲出山

鳥居まで戻り、明るいウバメガシの道を進む 潮の香りが強くなって来た もう灯台は近い

12時10分 讃岐三崎灯台、向こう側に下った小広い所で海を眺めながら昼ごはん

碧い海の向こうに、薄っすらしまなみ海道が見える

南には雲辺寺山から法皇、赤石、石鎚山系の山並みが霞んでいる

今朝はかなり冷え込んでいたから石鎚辺りは霧氷だろうな・・・ まぁ小春日和ののんびり歩きもいいもんだ

海は限りなく深く、空は限りなく高い 晩秋の一時至福の時間を過ごす

真下の御幸(おごの)石の周りには沢山の釣り船が帆をなびかせている

ちょっと失礼して釣り船をズーム 鯛や平目が釣れているのかな?

12時35分 食後のコーヒーを飲み、展望も充分楽しんだので灯台を後にする

遊歩道から時折望める紫雲出山、その向こうに稲積山や七宝連山 

「是非、足をのばしてみて下さい! 絵にもかけない位美しい所ですよ!」との言葉に誘われて関ノ浦に下りてみる

薄暗いけどよく手入れされた道を200m程下れば、もうそこは波打ち際

ここはきっと竜宮城の入り口よ、と思いながら亀の形をした大岩に乗ってみる

「竜宮城までお願いします」といっても動いてくれない

やっぱり、困っている動物を助けた人だけが竜宮城に乗せて行って貰えるんかなぁ?

関ノ浦は昔、沖を通過する船から通行税をとっていた関所があった所だそうだ

林の中に、人が住んでいたことを窺わせる古井戸が残っている

それにしても竜宮城での宴の跡か、浜辺にはペットボトルや発泡スチロールのゴミの山

ちょっとは掃除しなくっちゃ!

白いゴミの中に一際目立つ黄色い花、ツワブキが咲けばそろそろ木枯らしが吹いて来る

急坂を登り返し再び遊歩道へ、立石休憩所で一休み 帰りは半島の北側の室浜集落へ下りて行く

集落の向こうには、粟島や塩飽の島々が浮かんでいる

1時25分 室浜大明神 側に香川の保存木「室浜大明神のシンバク」

シンバクって、イブキとかビャクシンとか呼ばれ、いわゆる柏の木のことらしい

此処から箱バス停までは最近お決まりの車道歩き、2〜3km位かなと歩き出して15分ほど経った頃

あれ? 糸ノ越にバス停があるじゃん、荘内線は箱峠を通っているものだと思っていたけど

箱バス停2時06分に間に合いそうだし、予定通り箱まで歩こうか・・・玉の輿なら乗ってもみたいけど糸ノ越じゃあねぇ

海に突き出た箱崎の向こうが今日のゴールの箱集落

1時55分 箱浦ビジターハウスバス停 箱バス停はすぐそこだけど此処でバスを待つ

太郎のお墓や、沢山の船が係留された箱浦の港を見ていると、定刻(2時05分)にバスがやって来た

穏やかな海を眺めながらバスに揺られ、2時20分大浜バス停着 

 

今日は、時間の経つのも夢のうち、ロマンたっぷりあっと言う間の歩行5時間の周回でした

竜宮城は見つからなかったけれど、青い空、碧い海を満喫、そして亀さんに遇えただけで、充分満足

もしも、竜宮城へ行けたら、気になる玉手箱を見てみたい・・・でも決して開けないわ

「若返る箱かも?」 と横から声が聞こえてくる、どうしよう?

今時御伽草子は流行らないのかもしれないけど、昔々、学芸会で「浦島太郎」をした記憶が蘇る

そうだわ、桃太郎伝説の山って無いのかしら?

海では見つからなかったけど、大きな池の畔にありました

国営讃岐まんのう公園では、丁度ウインターファンタジーイルミネーション点灯式

こはいかに!眩いばかりのおとぎの国  竜宮城って、きっとこんな所なのよ

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