2010年12月18日  ”笹ヶ峰・チチ山”

静寂のもみじ谷から白い稜線へ・・・アララ、何も見えません

GPSによるトラックログ(カシミールソフト使用) 10月16日に歩いたログ借用、チチ山はピストンしました
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。」(承認番号 平18総使、第582号

 
登山口(8:00)〜(9:15)丸山荘もみじ谷〜(10:40)チチ山のコル(10:50)〜(11:25)チチ山(11:45)〜
(12:30)笹ヶ峰(13:00)〜(13:35)丸山荘西山越〜(14:10)宿(14:20)〜(14:50)登山口(6時間50分)

 

自宅から毎日眺めるおといこさん(豊受山1247m)が、赤石や石鎚山系の雪量のバロメーター

昨日は少し東の鋸山(1017m)辺りまで雪が下りて来ていた

今日は深雪と霧氷を期待して、白いもみじ谷を辿り、チチ山〜笹ケ峰を歩いてみよう

薄っすら雪が積もった登山口には1台車が停まっている

8時丁度、滝の音を聞きながら、マイナスイオンたっぷりの登山道を歩き始める

10分程で単独の方が下りて来られた、何か忘れ物でもしたのかな?

体が少し温もってきた頃、樹間から笹ヶ峰方面を見れば、丸山荘辺りから上は濃いガスの中

「チチ山頂上に立つ頃には、ピーカンじゃ」 我が家の自称気象予報士さんの何時ものいいかげんな言葉を聞き流す

うっと暗い宿(しゅく)で立ち休みして、道なりに丸山荘を目指す、橋を渡ればブナ等の明るい自然林

(無理に滑りそうな橋を歩かず下の沢を歩けば安全なのに、なんで橋があるんだろう?)

段々雪量も多くなり、木々には霧氷が付いている

9時15分 静まり返った丸山荘、見上げれば依然笹ヶ峰は厚い雲の中

昼過ぎにはピーカンになるなんて、ほんとかなぁ

丸山荘横からもみじ谷への道に入る 笹ヶ峰方面へは上下一人の足跡がついている

登り始めて直ぐにすれ違った人の踏跡だろうが何時から登ったのだろう? 御来光は無理だったと思うけれど

丸山荘からはまっさらな雪、足跡を新雪に刻む快感がたまらない これぞ雪山歩きの醍醐味

桧林を抜け、道にもたれる笹が少し厄介だけどルンルン気分で登って行く

道傍の薄っすら白くなったモミの木、メリークリスマスにはちょっと雪の量が足りないなぁ

尾根を越えもみじ谷への道に入ったら、いっそう雪が増えて来た

夏場でも歩き難い急傾斜のトラバース道は、ガリガリに凍った上に柔らかい雪が乗る

 誰よ? 新雪じゃけんアイゼンなんか要らん言うたのは!

靴底で一歩一歩ステップを固めて重心移動、緊張する場面が続く

傾斜が緩くなり、支尾根を回り込めばもみじ谷の御塔石(此処だけの呼び名です)が見えて来る

やれやれ、難所?を無事通過です

それにしても雪や霧氷を白く撮るのは難しい、曇り空の下では全てがグレーに写ってしまう

凍てつくもみじ谷の主・オオイタヤメイゲツ、白いもみじも迫力があるけど、見てると此方まで凍えそう

10時40分 雪まみれになってチチ山のコル着

チチ山方面を見ると濃いガスに覆われている、どっと疲れが出るわ

帽子やヤッケに付いた雪を払い落としながら、行こかどうしようかと暫く思案

考えていても始まらない、晴れると言うんだったらやっぱり行ってみようか

稜線を吹き抜ける風の音を聞きながら、トラバース道から別れ尾根を登って行く

北側に回り込んだ潅木帯は、此処もまた凍った急斜面に新雪が乗り滑って歩き難い

再び笹尾根に飛び出ると、雲間に薄っすらお日様〜♪ 見て〜!チチ山の上に青空が出て来たよ!

こうなると足取りも軽くなる、先程までの弱気は何処へやらルンルンで笹原を進んで行く

11時25分 チチ山(1855m)

真上は青空が広がっているけれど回りはガスが飛ぶ、360度何も見えません

こんな筈ではなかったのに・・・まぁ何も見えなければ登山記も簡単でいいわ、変な理屈です

時間潰しに、ちょっと早いお昼にする

帰りは直滑降でトラバース道に出ようかと思っていたが、この天気じゃしんどいだけ 来た道を引き返す

コルまで引き返しチチ山南斜面を振り返る、今日の霧氷は申し分無い

初夏のミツバツツジの濃いピンク、秋の紅黄葉に劣らない素晴らしい色合いだけど日差しが欲しい

コルから最初はシラベ林の中を登り返し、笹原を折り返すと稜線に出る

白い珊瑚礁の中を泳げば、頂上は近い

12時30分 笹ヶ峰頂上 年配の女性お二人が休まれている

西の方は瓶ヶ森、石鎚山は勿論、寒風山さえ姿を見せない

東に先程頂上に立ったチチ山が一瞬頭を覗かせたがまた直ぐにガスに覆われる

青空も時折覗くのだけど北から次々ガスが飛んで来る こういう思わせ振りな雲は案外しつこい

「いくら待っても今日は無理よ!諦めも肝心、もう待つの止〜めた 」

30分程、空と睨めっこしながら辛抱したが、痺れを切らして下山開始

寒風山方面の縦走路には足跡がある、この方たちも諦めてさっさと引き返されたのだろう

白粉を塗った立ち枯れ木の向こうに石鎚山、瓶ヶ森が見え隠れするが・・・

沓掛山を見ながら、急な笹斜面を下りて行く

日差しが出て来ると次第に気温が上がって来た 美しいものの命は儚い 儚いからこそよけい美しい

1時35分 丸山荘で小休止 今日は泊まりがあるのかな?

天気も好くなって来たので真っ直ぐ帰るのは勿体無い 大ブナに会って帰ろうと西山越に向かう

樹林帯に入る前に笹ヶ峰を振り返る ウワァー!もう一度登ってこようか お天道様もお人(?)が悪い

旧参拝道で多くの登山者や参拝者を見守ってきた大ブナが、大きく手を拡げて迎えてくれる

大ブナの傍に佇むとなぜか元気が湧いてくる、今流行のパワースポットです

背高ノッポのカラマツ林を過ぎれば西山越は直ぐ其処、沓掛山方面にも足跡がある

西山越から広い緩やかな道を下り、杉や桧の植林に囲まれた宿で休んでいると、ソロの男性が上がって来た

丸山荘泊まりで、明朝、笹ヶ峰に登られるそうだ 「明日はお天気良さそうですね〜」

宿からは今朝歩いた道を下り、2時50分、登山口に帰って来た

 

今日は昼頃からの天気回復に期待し チチ山〜笹ヶ峰の純白稜線ルンルン歩きを思い描いていたが

生憎、稜線は雲飛ぶグレーの世界 霧氷は分厚く、充分だったが霧氷だけでは淋しい

かといって青空だけでは物足りない

思い通りにならないのが叉山歩きの楽しさ、条件が揃うのはこの時期中々難しい

満ち足りないモヤモヤ感が次の山行への糧に・・・山には魔物が棲んでいる

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