2011年02月13日 ”梶ガ森”
遠のいた春の足音 福寿草の里を見下ろす名峰は深い雪の中
GPSによるトラックログ(カシミールソフト使用) |
駐車地点(8:50)〜(9:50)定福寺奥之院〜(10:35)シャクナゲの森〜(11:05)700段〜(11:40)800段〜 |
(12:00)天狗ノ鼻〜(12:40)頂上(13:00)〜キャンプ場(13:30)〜(14:05)奥之院〜(14:45)駐車地点 |
(5時間55分) |
春の足音がそこまで聞こえて来ていたが、一転真冬に逆戻り
三連休は南岸低気圧が寒気を連れて来た、ことしの冬将軍は元気が良過ぎる
平地もうっすら白くなったが、山はどの位降ったのだろうか?
昨日に続き今朝も高知道は通行止、阿波池田回りでR32を走り豊永からR439に入る
R439と分かれ、登山口の龍王ノ滝駐車場を目指すが、轍も無く雪が段々深くなる
これ以上は無理と、1kmほど手前の「コーヒー&バーベキュー・レーベン」の駐車場に停めさせて頂く
丁度、ジムニーが後から勢いよく上がって行ったがすぐに下りてきた
お話をすると、「山荘梶ガ森」の方でした 雪が深く滝駐車場でUターンしたらしい
「昨日沢山降りましたから気をつけて登って下さい」 「ありがとうございます」
8時50分 仕度をして林道を歩き出す
9時10分 一面真っ白な龍王ノ滝駐車場、30cm位の積雪かな?
見上げれば青空〜♪ だけどトレースは無い はたして今日はどんな山行になるのかイメージが湧いて来ない
植林の中の水平道を抜け紅葉川沿いを遡り 15分弱で、「日本の滝百選」の龍王ノ滝
勢いよく水が流れ落ちている、これだけ水量があると凍結しにくいのだろう
9時50分 深雪の中に佇む定福寺奥之院 気温は−7℃だけど、そんなに寒くは無い
見上げればゴロゴロ八丁は雪に埋もっている、帰りに弘法大師御影堂を見て下りて来る予定なんだけど
苔ノ岩辺りは深い谷、ちょっと無理かもしれない
奥之院入り口に立つ説明板 ここからAコース(緑)を歩きます
奥之院から右に折れ、紅葉川沿いを行く
「落ちれば紅葉川にドボンだね」と切り立った斜面を慎重に進み、鉄橋を渡って対岸へ
10時15分 滝壺も氷雪で覆われた真名井ノ滝
岩の上に鎮座する不動明王も雪に隠れている
滝横の急斜面を頑張り、長い鉄梯子2箇所を登れば程なくシャクナゲの森に出る
左、山荘「梶ガ森」(750m)・山頂(1750m)、右は天狗ノ鼻(440m)・山頂(1090m)の標識が立つ
10時35分 標識側の東屋で小休止し水分補給
東屋から右、天狗ノ鼻方向へ進むが、雪が締まってない上に益々深くなり腰まで埋まってしまう
行けども行けども白く盛り上がっている支稜線、こういう所はやっぱりスノーシューがあればいいんだろうな
「風の時は風の中、雪の時は雪の中、自分の体力を信じ不平不満は言いなさんな」とでも言いたげなブナ
11時05分 700段の標柱 無雪期なら東屋から10分位だろうが30分もかかっている
雪がてんこ盛りの樹林帯を抜けホッとしたのも束の間、今度は雪庇の波が押し寄せる
とうとう、背丈よりも高い雪壁が現れた
右に回りこんで上に上がろうと思ったけどズボズボ埋まってしまう
「こりぁ無理じゃ」、グランパの顔は撤退ムードが現れている
グランパが「撤退」を口に出す前に、急いで雪を崩しながら木々の上を歩き何とか通過
越えても越えても雪の壁、もういいかげんにしてよ!
まっさらな雪に足跡を刻むのが雪山歩きの醍醐味と言っても、しんどいを通り越してもう苦痛よ
かなり雪があるとは思っていたけどここまでとは、想定外です トレースの有り難味を再認識
でも一歩一歩足を前に出せば何時かは頂上に着きます
ラッセル車になった気持ちでドンドン雪を掻き分けて進んでいたら
いつの間にか「山荘梶ガ森」よりも随分高くなり展望が開けてきた、もう少し頑張ってみよう
山荘の向こうに一ヶ月前に登った大ボシ山、そのずっと右のとんがり山が鉢ヶ森
11時40分 800段の標柱、100段上がって来るのに何と、35分!
目の前に天狗ノ鼻が近付いて来た、ファイト〜!
12時 雪まみれになり、やっとの思いで天狗ノ鼻 雪を被った大日如来も寒そうだ
予定では山頂に立っている頃なんだけど、雪に阻まれ思いのほか時間がかかった
此処まで来れば這ってでも山頂に立たなきゃと、呼吸を整えながら山頂を眺めていたら
「ラッセルありがとうございます」と言いながら年配の女性が登って来て、頂上へ向かわれた
真っ白なキャンプ場方面を見下ろせば、先程の女性の歩く姿が良く目立つ
梶ガ森は高知県民の山、後からドンドン登って来るのかと思ったけど、今日は3人だけ
西から雪雲らしきが広がって来るのが気にはなるが、女性に続いてキャンプ場に下り立つ
気分転換に登山道を逸れて車道を歩いてみる
歌舞伎役者のように白塗りされた天狗ノ鼻
天狗に似ているからその名前がついたそうだけど、今日の顔はゴリラに見える
遠くR439が京柱峠へと続き、奥に矢筈山系
車道の方が楽かなと思ったけど、雪が深くて案外歩き難い
やっぱり、登山道を歩こうと取り付いた途端、側溝にはまり込んで身動きが出来ない
引っ張り上げて貰ったけど、こんな時一人だったらどうしたらいいんだろう?
頂上直下で先程の方に追い付き、ラッセルを交代しながら頂上を目指す
12時40分 梶ガ森山頂(1400m)、思いっきりヤッホーでした
お話を伺うと、高知市内の方で高知駅から電車で豊永駅へ
駅から龍王ノ滝までの予定で来たけど踏み跡が有ったので登って来られたたそうだ
「山岳会の方が4,5人歩いたのかと思っていたら、お二人でしたのでびっくりした」と
ありゃぁ かなり派手に歩いたんだ そういえば方々に大穴も開けたわ
石鎚は見えなかったけれど、まずまずの展望
展望を楽しみながら話が弾む、車には乗らないので何時も駅からウォークだとか
今日は雪が多いので大田口駅へ下りずに登って来た道を豊永駅まで帰るそうだ、お元気!
1時 一緒に下山開始
ちょっとお腹が空いて来た、そういえば朝から何も食べていない
キャンプ場まで下りて来て遅い食事、「お気をつけて〜」と高知の方を見送る
温かいコーヒーとサンドイッチで人心地がつき、元気回復〜
1時30分 天狗ノ鼻へ登り返し、大展望を眺めながらドンドン下って行く
苦労して越えた雪壁も難無く通り抜け、雪道の下山は早い早い
あっという間にシャクナゲの森 真っ直ぐ行けば苔ノ岩を通って御影堂だけどこの雪では無理だろう
ゴロゴロ八丁を下ってみたかったが、諦めて来た道を下りて行く
滑りそうになりながら、雪の乗った鉄の梯子を下りきると、真名井ノ滝
それにしても、こんな急斜面よう登ったわ
2時05分 定福寺奥之院・護摩堂が見え出した、気温は3度上がって−4℃になっていた
2時30分 龍王ノ滝駐車場 見上げれば、天狗ノ鼻が明るい日差しを受けて輝いている
駐車場には朝の足跡が残るだけ、今日は誰も来なかったようだ
車道を歩いて、2時45分 駐車地点に帰って来た
今日は立ちはだかる雪壁を崩しながら突き進み、全身雪まみれになって悪戦苦闘
頂上に立てたから、しんどかったのも帳消しだけど、二人だけで素足のラッセルだと、これが限界かな
ところで、山に登らない人にたまに聞かれることがある
「こんな寒い日にわざわざ重労働をして一体何が楽しいん?」
返事は難しい その答えを探しに、気持ちはもう次の山に向いている
下山後、可愛い春の使者を見て元気を貰おうと対岸の福寿草の里・南大王へ車を走らす
あらら、標高800mの南大王も雪景色、フクジュソウは深い雪の中でした
今日の主役は雪の中から掘り出されたフクジュソウ、一人気を吐いている
休憩所の大火鉢で温まりながら、程よく焼けたジャガイモ田楽を頂き
地区婦人会の方々が作られたお土産を買って帰りました