2011年02月26日  ”蟠蛇ヶ森”

雪割桜は花一番、中腹の桑田山集落はもう春色に染まっているかな?

GPSによるトラックログ(カシミールソフト使用) 
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。」(承認番号 平18総使、第582号

 
吾桑駅(8:45)〜(9:10)桑田山神社〜(10:004番鉄塔(10:10)〜(11:00)山頂(11:30)〜(12:00)朽木峠
〜(12:30)川の内登山口〜(12:50)龍馬神社(13:00)〜(13:45)斗賀野駅           (5時間)

 

2月も終わりになると、南風が早春の花便りを運んで来る

残雪の山か、春の妖精か・・・一度に両方見られれば言う事ないけれど、迷う季節の到来です

フクジュソウ、ユキワリイチゲ、バイカオウレン等、スプリングエフェメラルがネットを賑わし始めたが

例年この時期の常連(妖精とは言えないですが)の蟠蛇ヶ森中腹は、未だ静かだ

もう咲いているのだろうか? 情報が無けりゃ自分の目で確かめるしかない

今週も雪山は休みにして、「桑田山(そうだやま)集落の雪割桜」を尋ね、

足を延ばし須崎のシンボル・蟠蛇ヶ森から朽木峠の道を歩き、峠からは「脱藩の道」を辿ってみよう

8時45分 土讃線・吾桑駅に車を停め、蟠蛇ヶ森(769.3m)を眺めながら歩き出す

その名も素敵な桜川を渡り国道494へ突き当たった所で右折

ほどなく国道を横切り、登山案内に従って登山道に取り付く

入口にある案内板 車道や生活道が入り乱れてちょっと分かり難そう

「こんにちは〜」途中で、何度か地元の方にすれ違う この道は生活道路なんだ

10時10分 登山口から15分ほどで桑田山神社、広い駐車場があり、3人の方が登る準備されている

神社を通り抜けた所で逢った地元の方が「蟠蛇へ登るんかね

車道を真っ直ぐ行きよったら道があるけんど、分からんかったら逢うた人に聞いて」と、親切に教えてくれた

やっぱり道が分かり難いんかな? まあいざとなったら車道もある事だし、楽勝よ

ところで肝心の花は・・・「まだ蕾じゃなぁ」 がっくり

楽しみにしていた雪割桜はご覧の通り、開店準備中

地元の方が「今年は遅れているけど、上の方に少し咲いとるよ」と・・・

「蟠蛇ヶ森へ登山者近道」と書かれた古びた標識が地区掲示板の上に設置されている

可愛いピンクの姿を早く見ようと、急な坂道や階段をドンドン登って行く

見上げれば鉄塔が3本(稜線に1本、山腹に2本)立っている 

何度か車道に出合い標識が無くて道が判り難いが、兎に角一番左の4番鉄塔を目指す

後で判ったけど、今日は「桑田山雪割り桜ウォーク」の日

申し込みは不要で、当日10時に吾桑駅集合、駅から雪割り桜の里まで歩くそうだ

遥か下を見下ろせば吾桑駅、随分遠くなったなぁ

チラホラ咲き始めているものの未だ殆どが蕾、今日の陽気で一気に開花するかな?

1949年、石坂洋次郎の新聞連載小説が映画化された「青い山脈」

その主題歌に唄われた雪割桜、藤山一郎さんと奈良光枝さんの爽やかな歌声が蘇る

若く あかるい歌声に  雪崩は 消える 花も 咲く

青い山脈 雪割桜〜♪  

空のはて 今日もわれらの 夢を呼ぶ〜♪

(作詞:西條八十 作曲:服部良一 )

鼻歌交じりに登っていると、いつの間にか人家やみかん畑に入り込んで行き止まり

藪いたみかん畑を通り抜けて、服が引っ付き虫だらけに・・・あらら

10時 4番鉄塔が建つ下の車道に飛び出る、やれやれでした

菜の花越しに見下ろせば、野見湾が輝いている

鉄塔下で休んでいると、車道を歩いて来られた方が「此処からの登りはとても急ですよ」

でも車道はかなり遠回りだし、道が確りしているなら急坂を頑張ります

倒れて来そうな大岩も有ったけど、迷いそうな所は無い

グングン高度を稼ぎ石灰岩の大岩がゴロゴロしだすと、目指す電柱が樹間に見え出した

10時20分 急坂を頑張って側に67番電柱が立つ林道に飛び出す、汗びっしょり

春の日差しをいっぱい受ける桑田山集落を見下ろしながら一休み 4番鉄塔が真下に見える 

林道を歩いていると、ノロノロ運転の車が追い越して行った

山際に登山道近道の標識が立つ、「急がば回れ」と言っても、そりゃー近道を歩かなきゃ

途中で、10人くらいのグループとすれ違う

「もう下りているんですか、早いですね〜」  「夜が明けるのが、早よなったき」

林道に出て暫く行くと電波塔、其処から程なくして蟠蛇ヶ森公園へ100mの指標が立つ

先程追い越して行った車が路肩に停まっている

植林帯を抜けると、目の前に高さ10mほどもありそうな展望台が現れた

11時 蟠蛇ヶ森頂上(769、3m)  高い所が好きなので(笑)、一気に展望台に駆け上がる

ウワー、大展望! 心地良い風に吹かれながら、360度の大パノラマに酔いしれる

此方は春の陽気だと言うのに、展望台から眺める石鎚山系はまだまだ雪が多い

生憎舫ってはいるが、南に須崎市街、須崎湾、その向こうに野見湾、神島、中ノ島、戸島が浮かぶ

雄大な太平洋は見飽きる事は無いが、じっとしていたら汗がひいて少し寒くなって来た

展望台から下りて辺りを見渡すと、花芽が膨らんで今にも咲き出しそうな馬酔木の大木が目立つ

春風に吹かれ、おにぎりを頬張りながらランチタイム

ちょっと塩が効き過ぎた卵焼きも大汗の後には丁度良い

デザートは紅ほっぺ(苺)、甘酸っぱい味が口の中に広がり疲れも吹き飛びそう

11時30分 三角点を確認してから、朽木峠を目指してゴロ石の尾根を北西へと進む

暫くして、川の内登山口から登って来たという方にお逢いする

尾根道ははっきりしているそうで、朽木峠まで30分、峠から川の内登山口まで30分くらいだと教えて頂く

先程の方が言ってた通り、一本道にテープがたくさん設置されていて迷いようもない

過ぎたるは・・・という諺もあるけれど・・・

植林帯の急斜面になると峠は近い 峠直ぐ近くまで左から林道が延びて来ている

少し開けた所から葉山の山々を望む

12時 佐川町と葉山村の関所が建つ朽木峠、今日は静かだ

葉山村(現津野町)開催の「歩こう維新へ脱藩の道」に参加して、脱藩したのは4年前の3月25日

龍馬神社〜朽木峠〜かわうそ自然公園まで、総勢250人で賑やかに歩いたのが懐かしい

此処は大火が焚かれお接待をして貰った所、竹筒に入った般若湯、仄かに竹の香りがして美味しかったなぁ

脱藩の道は峠から西へ、葉山村〜梼原町〜大洲市長浜へと続いている

今日は帰藩、この関所は抜けず高知方面へと木漏れ日が差す脱藩の道を下って行く

展望が開けた処から振り返る、右方向には蟠蛇ヶ森

脱藩の道をどんどん下っていると、傍らに龍馬学園創立二十周記念と書かれた立派な碑が建つ

気温も高いし、日当たりの好い道はキョロキョロと・・・?なにやら咲いているみたい

近寄ってみると、可愛いハルリンドウでした♪

川の内集落最奥の民家裏には白梅が満開 民家傍には龍馬脱藩の道やミニ四国へんろ道の道標

遠くにはピラミダルな勝森(545.4m)と奥に虚空蔵山(674.9m)

陽気に誘われて、フキノトウやレンゲも咲き出している  春だなぁ〜♪

子どもたちが小さい頃、レンゲを摘んで首飾りや冠を作って遊んだのが懐かしい

紫雲英( げんげ)、 蓮華草(げんげん)、五形花(げげばな)、面白い名前だけど、全部レンゲの呼び方

12時30分 川の内登山口、単車が一台停められている、先程頂上手前で逢った方のだろうか?

此処からはずーっと車道歩き、と言っても全然車に遇わなかったけど

12時50分 龍馬神社でコーヒータイムしていたら、手を振りながら単車が走り抜けて行った

「また何処かのお山でお逢いしましょう」

ほんの数分しか話していないのに、爽やかさが心に残る方でした

龍馬神社からすぐ旧国道(?)に出る 脱藩の道は斗賀野(左)に続いている、右は吾桑へ

それにしても狭い道を大型ダンプがひっきりなしに通る、勝森鉱山から石灰石を運んでいるようだ

車道をショートカットしながら下りて来て、国道494に出ると「たこ公園(龍王公園)」

時計を見れば、1時28分、急げば1時49分発の電車に間に合いそうだとピッチを上げる

1時45分 脱藩の道(国道494)から別れ斗賀野駅着、大汗かいたけどぎりぎりセーフでした

 

今日は、春本番を思わせる太陽の下で(初夏と言っても良いくらい)

気になっていた蟠蛇ケ森から朽木峠へ続く尾根や、久し振りの脱藩の道を歩くことが出来た

春の訪れを告げる雪割桜は、まだチラホラという感じだったけれど

この暖かさが続けば山里がピンク色に染まる日も近いだろう

地肌が温もり始めた山々が眠りから覚め、登山者に様々な恵みを与える季節がまた巡って来た

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