2011年05月15日 ”伯耆大山(三鈷峰)”

残雪の中、ブナの芽吹きが山肌を駆け上がる神の山

トラックログはイメージ図です
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。」(承認番号 平18総使、第582号)

 

駐車場(6:40)〜(7:15)リフト終点〜(7:45)宝珠山〜(9:15)上宝珠越〜(9:45)三鈷峰分れ〜(10:35)1636

(11:25)三鈷峰(11:45)〜(12:10)上宝珠越〜(12:35)元谷ケルン〜(13:35)大神山神社〜(14:20)駐車場
                                                   (7時間40分)

アケボノツツジが見頃を迎え、どのHPの掲示板もピンク色に染まって来た

アケボノも勿論気になるが、もう一つこの時期見逃せないのが残雪の中で萌えるブナ林

昨年5月、雨飾山で見たライトグリーンと残雪のコントラストが未だに目に焼きついている

今年は雪が多かったので、近くのブナの山・大山でも思い描く景色が見られるかもしれない

中国地方や関西、九州からでも四国へアケボノを見に来る時季だけど、未だに雪に拘わる

へそまがりがいてもいいんじゃないかな・・・・ということで大山を尋ねてみました

溝口ICを下りて岩立辺りから見る大山(帰りに撮影) 富士の名に相応しい優美な姿を水面に映している

日当たりの良い西面には雪は見えない、数日前に5月とは思えない程の大きな雨が降ったから流されてしまったのかなぁ

6時40分 第2駐車場を出発 今日は初めての道、スキー場から宝珠尾根を目指します

駐車場から10分程の国民宿舎ビューハイツ前から中ノ原スキー場に入って行く 他に歩いている人はいない

北壁を見ながら、徐々に傾斜が増すスキー場を登って行く 緑のゲレンデ奥の小高い所が宝珠山

土筆やイタドリが沢山生えている この辺りの人はイタドリを食べないのだろうか?

余談ですが、最近イタドリの味に目覚め今年も沢山頂きました

7時15分 リフト終点には芽吹いたばかりの大ブナが立っている

此処から登山道に入って行く 傍の木に小さな案内板が括り付けられている

緑の中に一歩足を踏み入れれば周りはブナだらけ ブナの根元にはピンクがよく目立つイワカガミやマイズルソウ

緑だらけの林の中で、時折純白のオオカメノキやタムシバが揺れている

7時45分 登り詰めた小高い所が宝珠山 此処から下宝珠越に向かって下って行く

豪雪に耐え、やっと春を迎えたブナ達が辺り一面で笑っている

大神山神社からの道と合わさり、尚も尾根道を進んで行く 樹間に時折雪が残る北壁が覗く

展望が少し開けてきた1242mピーク辺りから左に三鈷峰、正面に大山主稜線が迫ってくる

ピークから急坂を下ると、背の高い標識が立つ中宝珠越

尾根を少し剣谷側に外し、雪の残るルンゼを登り尾根に復帰すると視界が広がってくる

元谷への崩落が尾根まで達しているガレ場を、ロープを頼って慎重に登って行く

ガレ場から宝珠尾根を振り返る 後ろに1242mピーク、奥の宝珠山は深い緑の中

9時15分 上宝珠越 此処で宝珠尾根と分かれ、剣谷をトラバースしゆっくり高度を上げて行く

一月前は未だ雪が深く緊張した場所だけど、今日は僅かに残っている雪の感触を味わいながら歩く

勝間ケルンを過ぎればサンカヨウの群生地 咲いているかな〜と、期待していたが未だ蕾

黄緑色の葉っぱをひとつひとつ見ながら歩く(帰りには、数輪咲いていました)

直ぐ其処にユートピア避難小屋が待っているんだけど、なかなか進めない

9時45分 三鈷峰分かれ 三鈷峰は帰りに寄ることにして、先ずは1636m独標を目指す

ユートピア避難小屋で暫くリンゴ休憩し、気合を入れて歩き始める

正面に天狗ヶ峰、左に槍ヶ峰、右に大山主峰・剣ヶ峰と山塊の名ピークが勢揃い

1963m独標は? 天狗ヶ峰手前の小さなコブです

もうちょっと奥まで・・・ダメダメ、年々バランスが悪くなって来ているから安全第一 

遥か左下には駒鳥小屋が見えるはずなのですが・・・小屋辺りは雪も融けて川底が見えている

足元には可愛いツガザクラ 四国の銅山峰に咲くツガザクラより小振りかな?

振子沢源頭部に立ち、一月前の遡行を懐かしく思い出す

上部はかなりの角度、しんどかった筈だわ あらためて自分を褒めてやりたい気分です

10時35分 小さなコブの1636m独標に立つ

独標から本沢を覗き込む 振子沢に比べ尾根一つ隔てればこれ程までに表情が違う

「来年は本沢遡行してみるかい?」と、緑の烏が煽てている

今日は此処で引き返し、大展望を楽しみながら象ヶ鼻へ向かう

振子山の後ろが、昨秋縦走した矢筈ヶ山、甲ヶ山、勝田ヶ山

あれ、振子沢を遡行している人が、雪も随分少なくなったからもう歩き難いだろうな

3人、ひょっとして・・・? 最近四国で結成されたという噂の藪山トリオ+ワン?

11時25分 三鈷峰(m)

11時45分 展望も充分楽しんだので、そろそろ下山

剣谷から吹き上がってくる風を受けながら「大山北壁独り占め〜♪」

振り返ると、あれグランパが帽子を被っていない?強風に煽られて何処かへ飛んでいったそうだ、アララ

ゴミを落としてしまい済みません 探しに行こうと思っても命を落としそうです

12時10分 上宝珠越え、迷わず宝珠沢へ下りて行く よく見れば、砂が静かに流れ落ちている

遠くから崩落の音が聞こえて来る、天狗沢の方かな?音からしてかなり大きな岩が転がっているようだ

逃げるが勝ちでヨーイドン、大きな地滑りを起こしながら滑り降りて行く、今回はグランマーの方が早かった

グランパは途中で、呑気にエゾヤマザクラを撮っている

滑り始めて10分で大ガレ末端、早い早い! 最初の堰堤辺りから墓場尾根を見上げる

墓場右尾根、左尾根両尾根に優しい緑が駆け上がっている

ゆっくり景色を楽しみたいがまだまだ危険地帯、早く抜けて元谷ケルンで一休みしようや

2時35分 元谷ケルン そそり立つ北壁にかきつくように残る雪、時折崩落の音が鳴り響く

休んでいると、沢にひょっこり登山者が現れた

真っ黒い土が残雪の斜面を不自然に覆っているけど、滑り下りたんだろうか?

以前は、中宝珠越から元谷へ下る道があったそうだけど

宝珠尾根に「崩壊がひどく下降困難」と書かれた標示板が立ち、ロープが張られていた

今年は遅くまで寒かったからか佐陀川沿いのサンカヨウも殆ど蕾

あぁ、残念と思っていたら、緑の中になにやら白いものが・・・咲いていました〜♪

緑の空間が広がる佐陀川沿いはお花の宝庫、「ようこそ」と可愛いチゴユリさん

1時35分 大神山神社奥宮、雪はすっかり解け跡形もなくなっていた

沢山の参拝者とすれ違いながら参道を下って行き、途中金門へ

ダイセンミツバツツジ越しに北壁を見上げながら小休止、あ〜ぁ、疲れた

大山紅葉まつりの時に、僧兵太鼓が鳴り響き大護摩が焚かれる大山寺にお参りし、

何時もの場所で三鈷峰を振り返り、2時20分駐車場に帰って来た

今日は6時間ぐらいの積もりだったのに、下山してみれば7時間20分

前回の振子沢から宝珠沢の串刺しよりも時間がかかり、少し疲れたけど

今日のお目当て残雪とブナの芽吹き、大きな山は期待を裏切りませんでした

緑色の前線の駆け上がりとともに、まもなく稜線近くの雪が青い空の彼方に消えてゆく

季節の移ろいを破格のスケールでカラフルに表現してくれる山

やっぱり、大山はいいなぁ

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