2011年05月20日  ”西赤石山”

天空の歴史遺産「東洋のマチュピチュ」を見下ろす花の山を歩く

GPSによるトラックログ(カシミールソフト使用) 
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。」(承認番号 平18総使、第582号

 

東平駐車場(6:40)(7:30)兜岩分岐(8:40)兜岩(9:40)(10:05)西赤石山(10:15)

(11:55)銅山越(12:10)(12:30)ヒュッテ(12:45)(13:35)東平駐車場  (6時間55分)

別子銅山の産業遺産が残る東平(とうなる)地区は、その姿から「東洋のマチュピチュ」と呼ばれている

急峻な谷あいにある数々の近代化遺産が注目を集め、今では多くの観光客が訪れる

でもこの時期だけ、訪問者は登山靴を履いて足早に遺産群を抜け奥山に消えて行く

さしずめマチュピチュを素通りして、背後に聳えるワイナピチュ山へ急いでいるかの様だ

お目当ては勿論・・・・アケボノツツジ!

西赤石山のアケボノツツジを見なければ、何か忘れ物をしたようで落ち着かない

ということで、今日は西赤石山に登ります

東平歴史資料館の前を通り、奥の臨時駐車場に車を停める

まだ時間が早いので車は数台、浜松と山口ナンバーの方が準備をされている

6時40分 臨時駐車場を出発

駐車場から5分ほどで、第三通洞広場(標高744m)、此処で道は二手に分かれる

橋を渡り銅山越を経て頂上を目指そうか、それとも、兜岩経由にしようかと暫く思案の末

しんどい急坂は先に済まそうと、兜岩を目指して登り始める

朝も早く、ひんやりとした心地良い空気が流れ汗は出ない

三叉路の標識の所に真新しい火の用心の幟がはためく

一本松停車場跡からは、明治期、蒸気機関車が走った上部鉄道跡を辿る

石ヶ山丈〜角石原間5532mの断崖絶壁を走り抜けた日本初の山岳鉱山鉄道跡も

今は落ち着いた緑の空間に様変わり

七釜谷に架かる鉄橋は傷みが酷く渡れないので、谷に下りて上り返す  

7時30分 兜岩分岐、上部鉄道跡は銅山峰ヒュッテまで続く

シロモジのライトグリーンや真緑のカラマツ林に元気を貰い高度を稼ぐ

秋にはシロモジの黄葉が明るく、一際素晴らしいところ

何時の間にか唐谷川の瀬音が聞こえなくなり、少し汗ばんで来る

アケボノツツジの奥に稜線が垣間見え出した

植林帯を過ぎスズタケの道を抜けると展望が広がって来て、目の前にド〜ンとピンクの山塊が聳える

感動の光景を見やりながら、急いで兜岩に駆け上がる

時間はたっぷり、そんなに急がなくても良いのに岩を飛び越えて一番高い所へ一直線

大岩に腰掛、のんびり独り占めのアケボノツツジを眺めている間

グランパは狭い兜岩をあちら此方と「お〜い、ヒカゲツツジが満開じゃ〜」

そうそう、アケボノだけじゃなくて一生懸命芽吹いている木々やヒカゲさんも愛でてやらないとね

兜岩の先端から新居浜市街を眺めていたら、誰かに見られているような・・・(人面岩に見えますか?)

その額は、もしかしておでこのカントさん、今日初めて気がつきました

「私は孤独である。私は自由である。」って言いながら、何時から其処に居たんですか?

もうすっかり葉桜になったイシヅチザクラの古木の向こうで、串ヶ峰が自己主張

絶好のポイントに立つ標識、よく見ると「しこくアルパインガイドキョウカイ」のネームプレートが着いている

峨蔵の天狗さん・ヨネさんたちが立てられたのかなと思っていたら、やっぱりそうでした

9時40分 頂上へと出発したのに、アケボノさんが呼び止めて寄り道ばかり、なかなか進めません

途中、蜜洞岩の所で展望を楽しんでいた頃、つるぎの昔乙女さんが兜岩から此方を眺めていたとか

あれ、わるこさんも、きんじろうさんも同じ頃に兜岩に居たみたい、少しの時間差で逢えずに残念でした

10時05分 西赤石山頂上(1626.1m)

天気も好く、頂上からは大展望が広がる

東へ目をやれば、物住ノ頭(1634.5m)、前赤石(1677m) 、八巻山(1698m)、東赤石山(1707m)と続く

西を眺めれば、笹ヶ峰、沓掛山の吊尾根の奥には四国の重鎮・石鎚山

石鎚天狗尾根のアケボノツツジやイシヅチザクラは、そろそろ咲き出しているかな〜

10時15分 「さあ、下りようか」と、ザックを背負ってピンクの尾根に泳ぎ出す

尾根を辿れば東山、銅山峰、西山と段々緑が深くなっている

奥でチチ山が「此方にもまたどうぞ」と手招きしているような・・・

振り返れば、さっさと下りてしまうにはあまりに勿体無い光景が広がり、遅々として足が進みません

後から見たら、同じような写真が何枚も!消去するのが大変だったわ

賑わう兜岩を名残惜しく眺めていたら、わるこさんにフォーカスされてました

カラマツ林の新緑が爽やかな日浦谷の向こうには、大座礼山がドッシリと構える

頂上稜線のタコブナは、もう芽吹いているのだろうか?

偽ピークから山頂を振り返る、ひときわ色鮮やかなアケボノ

此処で頂上付近のアケボノは見納めと、振り返り振り返りなかなか足が進まない

ミツバツツジの蕾越しに緑緑した東山が見えて来た、右奥は西山

銅山越近くまで下りて来たところで「ウワーー、ひとなさん!お久し振り〜」

景色ばかり見ているグランパは気付かづに素通り、「太鼓のひとなさんよ〜」と呼び返す

お祭り好きのひとなさん、春祭り真っ最中の西赤石に来ない筈はありません

「ツガザクラが咲いていますよ」と教えてくれたお二人がひとなさんのお友達だったなんて、これまた奇遇でした

11時55分 銅山越(標高約1294m)

東山の斜面は蕾が多かったけれど、銅山峰のツガザクラはぽつぽつ咲き出している

可愛い〜♪

12時30分 角石原・銅山峰ヒュッテ前のベンチでコーヒータイム

ヒュッテ裏のヒカゲツツジは殆ど終わり青々と茂っている

庭のマイヅルソウやアカモノ、水場のシコクカッコウソウを楽しんでから、のんびり牛車道を下って行く

植林の中の九十九折を下り馬ノ背分岐を過ぎると、緑が濃くなった渓谷沿いの道 瀬音が心地良い

1時35分 駐車場へ帰って来た

 

銅山の里駐車場から見上げる西赤石山はピンクの塊

今年生誕百年の岡本太郎風に表現すれば「ピンクの爆発ダッ〜!」

今日は思う存分故郷の山を楽しみ、たっぷりのエネルギーを貰って帰りました

これで心置きなく山行予定ページを捲り、梅雨の山を迎えることができます

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