2011年07月31日  ”剣 山”

同じ阿呆なら登らにゃソンソン♪ 花の名山・剣山の季節の到来です

見ノ越駐車場発(7:05)〜(7:25)祖谷川源流〜(7:50)西島〜(8:50)穴吹川源流〜

(8:55)追分分岐(9:15)〜(9:45)一ノ森〜(9:55)ヒュッテ(10:20)〜(11:05)剣山

〜ヒユッテ(11:35)〜(12:05)西島〜(12:35)見ノ越駐車場着     (5時間30分)

明日から8月、我が家の庭でもクマゼミの大合唱が始まった

盛夏を告げる音と言えば聞こえは良いが、網戸にまで掻き付いて体を震わせられたら堪らない

でもこれは、「平和な日常の証、季節が移ろう音を届けてくれる郵便やさん」とでも考え、優しく見守ることにしよう

クマゼミが鳴き疲れる頃、剣山ではそろそろあの黄色い花の穂先が綻び頭が垂れてくる

今日は久し振りに、四国山岳の重鎮「花かおる剣山」を歩いてみます

7時5分 見ノ越駐車場出発 石段を上がり剣神社に参拝し登山道に入って行く  

登山口の温度計は17度、涼しいのを通り越してちょっと肌寒い

登山リフト下のトンネルを潜るとすぐ分岐、600m程長いが右の祖谷川源流コースをとる

大ブナ林の中の緩やかな道に薄っすらガスがかかり、幻想的な雰囲気だ

7時25分 祖谷川源流碑 ここに落ちた一滴が祖谷の山間を縫い本流と合わさり四国一の大河となって行く

直登コースとの合流点手前に立ちはだかる大岩・太鼓牢岩峰 基部に「太鼓くぐり」の標識が立つ

割れ目を覗いてみたが、こんな所くぐれるんかなぁ? 今度挑戦してみよう

西島が近付くに連れ、ガスが大分薄くなり稜線が見え出した

鳥居を潜り大剣神社への道を少し進んで、二つ目の鳥居手前を左折する

鹿避けのテキサスゲートが濡れて歩き難い もっと歩き易いゲートは作れないのかな??

ネットの向こうに瑠璃色のクガイソウ、咲き始めたばかりで姿勢が良い

尾根道に合流し刀掛、暫し立ち休み 

真っ直ぐ進むと剣山頂上最短コースだが、今日は左の行場・一の森方面へ向かう 3分程下ると分岐

ここからキレンゲショウマ群生地で鑑賞コースは反時計回りの一方通行 見頃時の賑わいが想像出来る

キレンゲショウマが咲き出せば、剣山も夏本番

今では剣山を代表する花だが、小説「天涯の花」の発表が無ければ、これほどは注目されなかっただろう

オトギリやフウロの様な可憐さは無いが、深山幽谷で頭を垂れひっそりと咲いている姿が慎ましい

剣山本宮行場14番「胎内くぐり」へちょっと寄り道、くぐれそうに無いけど・・・

三十五社神社のコルからほんの少し下れば、剱山本宮両剣神社

穴吹川の指標に従い一ノ森へ向かう

8時50分 清流で名高い穴吹川の源流が近付き、水音が大きくなって来た

源流傍に咲き残ったヒメフウロ

刀掛からは歩き難い急峻な斜面の横駆道だったが、突然異空間の様な平坦地に出る

周りの景色に誘われるように、分岐点を追分方面へ少し下って行く

林床は一面のカニコウモリ、地味な花だけどこれだけ群生すれば見応えがある

ところで、以前から気になっていたカニコウモリの由来を調べてみると

葉の形が蝙蝠の羽に似ているのがコウモリソウで、蟹の甲羅に似ているコウモリソウがカニコウモリだとか

蟹なの?、それとも蝙蝠なの?、一体どっちなんよ ヤヤコシイワァ

そんな些細なこと気にしなさんなとでも言う様に、幽寂の空間を深緑色に染めながらドッシリと構える大カツラ

大カツラの周りにはフィトンチッドが溢れている 深呼吸して癒し効果1年分先取り

分岐点に戻り一ノ森へ 小屋泊まりだったのだろう、何組かの団体や家族連れにすれ違う

夏色の下竹道から、時折北側に赤帽子山・中尾山(なこやま)のなだらかな稜線が見える

9時35分 一ノ森山頂が目前に迫り、殉難碑が建つ鞍部出る

剣山や次郎笈がガスで隠れない内にと、一ノ森ピークを目指し稜線を登って行く

一ノ森ピーク手前から剣山、次郎笈の兄弟峰を眺める

ヒュッテ裏手を槍戸山方向へ200m程進むと、一ノ森三角点(1879,2m)

9時55分 一ノ森ヒュッテに下りる 青い屋根が周りの景色に溶け込んでいる

シコクフウロやクガイソウが咲き乱れる庭でコーヒーを頂きながら、管理人さんと暫し談笑

管理人さんの顔には、多くの宿泊者を送り出した安堵感が溢れている

今朝はご来光は拝めたそうだけど、昨夜は雷まで鳴って大雨だったとか

ヒュッテから少し下った笹原に立つ白骨樹、いい雰囲気だなぁと眺めていたら、濃い雲が流れてきた

10時20分 ヒュッテを後にして剣山へ向かう

足元には元気いっぱいのタカネオトギリ       経塚森(三ノ森)から眺める次郎笈

「気持ちよい風ですね〜」 次々に一ノ森へ向かわれる方々とすれ違う

皆さん、一ノ森から行場に下ってキレンゲショウマかな〜?

なだらかな頂上台地・平家の馬場が見え出した、夏色になったミヤコザサの斜面は縦横無尽に獣道が走る

祖谷に隠れ棲んだ平家の武者たちが、復権を期して乗馬訓練をしたという伝説が残るが

平家の馬場と言うより、平家の鹿場

あっ、ちょっと待って〜「可愛いシコクフウロ」 枕木に寄り添うように鮮やかな花を咲かせている

こっちはホソバシュロソウ、あら、もうアキノキリンソウが咲き出している

頂上台地のテラスが目の前だというのに、なかなか進めない

11時05分 剣山頂上(1955m) あらら、次郎笈はガスの中、タッチの差で隠れてしまいました

時折姿を見せるが次々ガスが飛んで行く、おまけに雨雲らしきも近付いている

予報では、午後から雨になっているし・・・次郎さんはパス

頂上ヒュッテ前でお花畑を楽しんでいたら、夏休みに入った子どもたちが次から次にやって来る

「お母さん、お腹空いたよぉ〜 おにぎり食べようよ」と、元気な声

「もうちょっとで頂上よ」と、疲れ気味のお母さん、家族揃って、さぞや美味しいお昼だろうな

ふと、「夏休み 子ども全開 母限界」なんて、川柳が浮かんで来た

親子と笑みを交わし、11時35分 大剣神社へ向けて下り始める

大剣神社まで下りて来ると、次郎笈のガスが退いている

後から判ったが、kyoさんと奥さんが次郎笈を見ながら食事休憩されてたそうだ

もう少しゆっくりしていたらお逢い出来たのに、残念!

鳥居を潜り「もういっぺん、見て来よう」と、テキサスゲートの所で瑠璃色の群生を楽しんでいたら

「綺麗ですね〜、何ていう花ですか?」と、登りの方に聞かれ「ナンゴククガイソウです」

「クガイソウ、クガイソウ」と、言いながら登って行かれた

12時05分 西島 西島からは、何組かの登山者と挨拶を交わしながら正面ルートを下りていく

12時35分 見ノ越駐車場着 着いた途端に通り雨

夫婦池脇に高知ナンバーの車、またまたヤマガツオさんギッチャン達とニアミスでした

 

夏の剣山はあまりの人の多さに敬遠しがちだったが

「そんなに固い事言わんと、ネットで見るだけではつまらん、登らにゃソンソン」

今日はキレンゲショウマも開花し、花の名山に相応しく登山道を可憐な花々が彩っていた

天涯の花が見頃を迎える頃、阿波の各地から鐘や太鼓の音が聞こえ出し、山も里も阿呆一色に染まって来る

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