2011年11月13日 ”赤星山一気登山”

海抜ゼロメートルから一気に登る宇摩の霊峰・赤星山

GPSによるトラックログ(カシミールソフト使用)
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。」(承認番号 平18総使、第582号

 
野田浜(6:10)(7:25)登山口(8:45)千丈滝分岐(10:05)1km標識(10:50)頂上( 11:15)
(12:50)千丈滝分岐(13:45)機滝(14:00)(14:25)登山口(15:30)野田浜  (9時間20分)
 

由布岳に登ろうと、色々ネットで調べていたら別府で興味あるイベントが開催されているのに気がついた

海抜ゼロメートルから標高1375メートルの鶴見岳山頂を目指す、その名も「べっぷ鶴見岳一気登山」

鶴見岳はいずれ挑戦することとして、四国のイッキはと考えてみたら・・・一番身近に有るじゃない

1453mの標高は申し分無く、ワンデイピストンも可能、ということで今日は伊予の小富士・赤星山に登ります

海岸から登山口まで4km、登山口から頂上まで4.5km 合計8.5km(往復17km)

鶴見岳はロープウエイやバスがあるので気が楽だけど、赤星山は頼りは自分の足だけ、復路はしんどいなぁ

まぁなんとかなるだろうと、山に登るために先ずは海に向かいます 

出発点まで玄関から15分、こんなに楽なアプローチも珍しい

干潮なので波打ち際はかなり遠い 平均海面より2m位低いんじゃないかな

海面にタッチして、赤星山一気登山隊「暁の出撃」です 太陽がある内に帰って来ることが出来ますやら

JR予讃線を跨ぎ、国道11号線を横切り登山口を目指す 正面の本峰は雲の中 そのうち退くかな?

グランパが高校生の頃、赤星山登山と言えば国道のバス停が出発点

さぞやしんどかっただろうと思いきや、同じくバス停から登る二ッ岳や東赤石山よりかなり楽だったそうだ

あれから40数年、視力、聴力、体力等は全て落ち、勝るのは体重と気力だけ

気力だけでは何とも心許ない、はたしてどうなることやら・・・

八幡神社の鳥居側で元気よく背伸びしているのは咲いたばかりの皇帝ダリヤ

最近、この赤紫の大型の花がよく目につきます

畜舎の間を抜け、高速道路を潜り林道に入る 赤星ライン開拓者の顕彰碑を見てドンドン奥に入ってゆく

昨日はイベントで朝から夕方まで立ちっ放し、足に張りがあるけど大丈夫かな?

若し、後から来た方が「乗りませんか?」と言ってくれたら、心が動くけど

今日は海抜ゼロメートルからの一気登山、どういう風にお断りしようかなんて自分勝手に考えながら歩く

歩けば普段見えないものも見えてくる 林道沿いの無名(?)滝、エメラルドグリーンが素晴らしい

標高1453mから急斜面を一気に流れ落ちる大地川は、何本もの滝が連続し稀有の渓谷を創っている

林道はこんなに急坂だったのかしら? 先は長いので逸る気持ちをセーブして一歩一歩

1時間15分かかってやっと登山口 1台も停まっていない 天気もはっきりしないし今日は淋しい山行になるなぁ

登山口には、頂上まで4.5kmの標識と登山ポストがある

大地川に架けられた丸太橋を渡って、さぁ出発

豊受山分岐(登山口から1時間位)までに連続して7つの橋(その上にも短い橋が何本か有)を渡り

本流の左岸、右岸を進みます 橋はしっかりしていて歩き易いが

今夏大水が出たのだろう、4番目(右写真)と6番目の橋は流され、飛び石伝いに渡渉する

沢沿いの道は維持が難しい、整備されている方々に頭が下がります

機滝横の谷には土石流の爪跡 登山道は大岩の右を巻くように付け替えられている

今日は機織機に掛けた糸の数が少ない機滝(はたたき) それでも17mを落ちるこの滝は渓谷のシンボルです

周りの色付きはいまひとつの紅葉滝 岩を滑り落ちる布引滝

皇子渓谷は滝のデパート 小滝を含めて数え切れない程の白い帯が美しさを競っている

6番目の橋は完全に飛んでいる 河原に下り対岸に渡る 水量がもう少し多ければかなり苦労するだろう

作業小屋跡に転がる羽釜 渓谷の水でお米を研いで薪で炊く、昔の人はなんと贅沢!

豊受山分岐 此処から左は未踏だけれど、いずれこの道も歩いてみたい

中にはいい色をしている木もあるが、全体としてこの辺りの紅葉はもう少し先かな? とは言うものの

岩の上には茶色い葉っぱが沢山落ちている 未だか、それとも終わっているんか

一体どっちや?と言われたら

今年の紅葉は、何時が見頃だったか定かで無いままなんとなく終わりそうな気がする

滝沿いに付けられた鎖を頼り、滑りそうな岩場を慎重に歩く

登山口から1時間20分で千丈滝分岐、この辺りからガスが濃くなって来た 滝はしっかり見えるんかしら?

分岐からは道が薄くなってくる 夏草が枯れ、一面に落ち葉が積もり少々ルートが難しくなる 

ガスが濃い上に暴れた河原は特に判りにくい 千丈滝までに道を失いそうな所が何箇所かある

ガスの中に浮かぶカツラの大木のシルエットが幻想的

千丈滝分岐から45分程で滝の音が聞こえだし、白い帯がうっすら見えてきた

谷が狭まり、垂直の岩壁を何段にもなって落ちる千丈滝 辺りの木々は殆ど葉を落としている

ガスに包まれた神秘的な滝は、淵から妖怪でも現れそうな不気味な雰囲気を醸している

そういえば昨日の神楽公演の第1演目は「滝夜叉姫」、妖術を授かった滝夜叉姫が現れ道を惑わしたらどうしよう

急いで滝の上に出なくっちゃと大岩が転がる急坂を頑張る しんどい、しんどい

滝の上に出て沢を渡り、少し登ると本道に合流する

合流点から植林の中を10分弱で1.5kmの標識 植林を抜け自然林の中を進み沢を渡り正面の梯子を登る

相変わらず周りは見通せない どうせ展望も無いルートです 雨が降らないだけまだまし、ひたすら黙々と登るだけ

1kmから0.5kmまでの500mが案外長く感じられた

シャクナゲの尾根に出るともう頂上は近い 天気が良ければルンルン気分で歩く所ですが

雨やら雫やらどちらともつかない水滴が落ちてくるので傘を差す

海抜ゼロメートルから歩き始めて4時間40分、遂に赤星山頂上に立つ 正味の1453mです

頂上から出発点の野田の海岸を見てみたかったが辺りは真っ白、何にも見えません

しょうもないので下りようかと思っていたら、一瞬太陽が覗く 25分程待ったがその一瞬だけでした

そうそう、赤星山といえばカタクリ、今年の春は咲いている花より登山者のほうが多かったけれど

カタクリってその後どうなっていたのだろう 憂鬱な空ばかり見ていたので、カの字も頭に無かったわ

展望も充分楽しんだのでさぁ海岸まで一気下山といきたいが、今日はガスの中もやもや下山です

1kmの所で若者4人のグループに会う 今日会ったのはこのグループだけ

千丈滝は寄らずに本道を下る 植林帯の急坂をドンドン下るとやっと千丈滝分岐(下)

機滝でのんびりして頂上から3時間ちょっとで登山口 本来なら此処がゴール、ヤレヤレと言いたいところですが

今日は後4km、海まで戻らなければなりません

林道をのんびり歩いていると、先が細くなった枯葉色の木切れが落ちている

「何だか蛇みたい」って言いながら跨いだら、「本物じゃが・・・」

「エッー」、小走りに走って振り返ると、のんびり寝ておられんわとでも言いたげにごそごそ動き出した

まだ蛇がいるのね、早く冬眠してよ 蛇といえば昨日の第2演目は「大蛇」だったわ

国道まで下りてきて「そんなにしんどくないなぁ、高校生の時と体力変わらんが」と強がるグランパ

予讃線の跨線橋から振り返れば、赤星山は依然雲の中

ヨレヨレになって野田の海岸に立つ しゃがむのもしんどくてストックで海面タッチ 今日も長い1日だった

海抜ゼロメートルから登る「赤星山一気登山」 天気も紅葉も今一だったけど、それなりに充実した歩きが出来ました

でも誰かに問われそう、「海から登って何か意味があるの?」と

そうなんです、そんなに意味は無いのです 強いて言えば標高を正確に体感すること位です

と言いつつも、家に帰ると早速グランパが地図を広げている 

まさか?大山を海岸から一気などと言い出さないよねぇ・・・

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