2012年01月03日  ”太龍寺山”


登り初めは、青年お大師さんも山岳修行したという龍の山

GPSによるトラックログ(カシミールソフト使用)
「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)及び
数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。」(承認番号 平18総使、第582号

 
駐車地点(9:50)〜(10:25)登山口〜(10:55)山門〜(11:00)北舎心殿〜(11:40)ロープウェイ駅〜(12:00)舎心ヶ嶽
(12:35)頂上(12:50)〜(13:15)太龍岳三角点〜(13:50)山門〜(14:15)登山口〜(14:40)駐車地点 (4時間50分)


昨年の登り納めは一代守り本尊が鎮座する虚空蔵山

登り初めも守り本尊に拘り、且つ干支の山 とくれば此処しかありません 「遍路ころがし」の難所・太龍寺山

太龍寺へは最初は四国八十八ヶ所スタンプラリーで黒河から、2度目はロープウェイを使いエコ登山で山頂まで

今回は麓から歩きます はたして一味違った太龍寺山を体験することが出来るでしょうか?

国道55号線から分かれ、県道28、19を走り、歩き始める水井地区へ

四国のみち(深山幽谷の遍路みち、大井〜若杉山遺跡〜太龍寺〜阿瀬北10.5km)の標柱に従い

若杉谷川沿いの車道を歩き始める 入口には軽四以上通行禁止の表示

道は狭く路肩も弱そう 暫く進むと左側の谷も深くなって来る

途中で作業している人の話では、大事には至らなかったがお遍路さんやパトカーが谷に落ちた事があるそうです

未だ石積が綺麗な状態で残る棚田跡を抜ける

東屋やベンチが置かれている 側にある案内板ではこの辺りに若杉山遺跡がある筈なんだけど何処だろう?

前方が開けて来て、田畑が広がる若杉地区 入口に神社がある 

神社から暫く進むと「へんろ道」の標柱 車道歩きも終わり此処から登山道 後ろの道標には太龍寺まで1670mと記されている

よく手入れされた擬木の階段道を登って行く 適度な勾配で苦にはならないが、退屈な植林の中の道が続く

古めかしい丁石を見やりながら、心の拠り所を求めて歩いた遍路の歴史に想いを馳せる

お寺のガイドによると南北朝時代の丁石も残っているそうだ

かなり高度を稼いだところからコンクリート道になり、すぐ三叉路 真っ直ぐ下れば黒河登山口を経て平等寺方面 太龍寺は右へ

黒河から登る人が多いのだろう 参拝者が増えて来た 歩き始めて1時間余で山門

江戸時代に建てられたという山門には「舎心山」の立派な額が掲げられている

感じの良いご年配の方が三人、「山門から本堂まで遠いんよ」と言いながら参道を歩いている

参道脇に立つ「北舎心殿」の指標に従い、カゴノキが目立つ脇道に入って行くと日に照らされた絶壁が目に飛び込んで来た

「エッー、あんな所に登れるの?」と思ったが、近付くと立派な梯子

お賽銭を供え、急角度の梯子を慎重に登って行く

登り切った狭い岩場には、立派な不動八大童子の祠が祀られており、北側には大展望が広がっている

参道に戻り赤い門柱を抜けると、六角経蔵や護摩堂など風格ある境内には多くの建物が並んでいる

庫裏の天井に描かれている龍は、今にも飛び出してきそうな迫力がある 目が合い思わず後ずさりしてしまいました

勝負運、金運、合格祈願と書かれ、超力呼ぶ「龍の爪」が売られていたのにはびっくり!

納経所前のベンチで休憩していると、ロープウェイが着いたのか鐘楼門下に参拝者が増えて来た

本堂は昨年7月徳島県に上陸した台風6号で傷み、修理中 本堂手前に設置された仮本堂でお参りしてから奥の大師堂へ

大師堂手前の石段を上がって行くと彫刻が見事な多宝塔、文久年間の建立だそうだ

四国霊場八十八ヶ所第二十一番札所「舎心山常住院太龍寺」は、「西の高野」と呼ばれており

弘法大師が19歳の時100日間「舎心ヶ嶽」で修行、青年時の大師の思想形成に多大な影響を及ぼしたと伝えられている

大杉が並ぶ境内の中でも最も大きく、ご本尊を護る「守護の大杉」樹齢600年、樹高48m

ロープウェイ山頂駅の前、本堂への石段横に舎心ヶ嶽 680mの道標がある

「出発、五分前です」のアナウンスに参拝客は駅舎に入って行った、これから10分間の空中散歩で一気に鷲敷町に下りて行く

舎心ヶ嶽に向かう道脇には四国八十八ヶ所のご本尊が並んでいる

年末に登った弥谷寺のご本尊・千手観音菩薩は優しそうなお顔・・・・・子年の一代守り本尊です

剣を持った不動明王のお顔は、やっぱり怖いなぁ・・・・・因みに酉年です

急坂を登りきり、第88番大窪寺・薬師如来の石仏の前に弘法大師修行の場・舎心ヶ嶽が聳えている

鎖とロープを頼りにお大師さんが鎮座する舎心ヶ嶽に登って行く

大きな背中のお大師さん 虚空蔵菩薩の化身とされる東方の明けの明星を拝されているお姿だそうだ

それにしても抜群の展望、毎日眺めていても見飽きませんねぇ

舎心ヶ嶽の反対側に「山さきもり」の表示板、何だろうかと登ってみると、面白い形のモニュメントが建つ

舎心ヶ嶽から一旦下って太龍寺山頂上を目指す 「ふだらく山」の小さなプレートに従い分岐は左へ

今日は殆どが植林の中の道だったが やっぱり自然林は足取りも軽い

尾根に出ると左に薄い踏み跡がある 東の三角点大滝寺(601.5m)への道だろう 頂上は右に折れれば直ぐそこ

太龍寺山山頂 (618m) 太龍寺までは多くの参拝者が居たが頂上は貸切

北面は刈り払われて見晴らしが良い 目の前には西日本最長(2775m)の太龍寺ロープウェイ

奥にはこれから向かう三角点 その後ろには中津峰山から旭ガ丸にかけてのなだらかな稜線が連なっている

(分県登山ガイドでは此処が弥山、北のピークが太竜岳、また四国百名山では此処が太龍寺山、北が弥山と表示されている)

舎心ヶ嶽北の分岐まで戻り、左の作業道に入りロープウェイの支柱を潜る

道は薄くなるが稜線をどんどん進んで行く

林の中に太龍嶽三角点(600,0m) 東に僅かに阿南の橘港方面が見える

分岐まで引返し、境内を抜け登山口に向かう

まだ時間も早いので歩き遍路さんに会うかと思ったが、一人にも会わない

今日はまだ正月三日、お遍路さんもお屠蘇気分なのかもしれない それに閏年は逆打ちだとか

そんな事を考えながら若杉川畔を歩いていたら、あっという間に駐車地点に帰って来た


那賀川を挟んで大井集落付近から太龍寺山を眺めれば、奥山に大杉らしきシルエットが浮かび上がる

龍の棲む山は、お寺の存在が大きくてストックよりも同行二人の金剛杖が似合う祈りの山でした

小寒も近づき、高山の雪が厚みを増してくると、そろそろ白い頂が恋しくなって来る

今年は飛龍の如く、里を駆け、雲上を舞いたいと思っています 新しい一年、宜しくお願いします 

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