立春の声を聞くと、今冬最強の寒波も底が見え始めた
週末は冬型の気圧配置が緩み、西日本に張り出す高気圧が登山者を雪山へと誘っている
ならばシーズンに一度は体感したい四国の極地・石鎚へ、迷わず決定
始発(8時)に走り込みセーフ 乗り込んで直ぐ登山者やスキーヤーを乗せてロープウエイは出発した
8時15分、山頂駅を後にして20分程で成就 先ずは、石鎚神社中宮社本殿に安全祈願
拝殿から眺めれば、石鎚は雲の中 心配せんでも弥山に着く頃には青空よ
お天気の回復は午後からだろうと、美味しいコーヒーをいただきながら白石旅館で暫し休憩
出発しようと外に出た所で、
のんびり山歩さんにお会いする 「お久し振りです お会いしそうな気がしました〜♪」
それにしても大きなザック!とても持ち上げられません 先週の伊吹山・瓶ヶ森に続いて、今日もお泊りだとか
「ぼつぼつ歩いてま〜す」 神門を潜り、一足先に出発する
程よい雪を踏みしめ下って行くと、雪や霧氷で装ったブナが迎えてくれる
山頂成就駅で−7℃ぐらい、日差しも無く寒そうな雰囲気だけど、風の当たらない八丁坂はそんなに苦にならない
成就から1時間余で前社森着 茶屋で数人の方が休憩中
トラバース道から前社森を振り返れば、太陽のスポットライトを浴び白く輝いている
いい具合に天気が回復しているようだが、夜明峠が近づくに連れ、 ゴーゴーと物凄い音
先行者が6人見える この辺りは雪が締まっているので歩き易い
目の前に真っ白な北壁がドーンと迫る感動のロケーションも、残念ながら思わせぶりな雲がかかっている
吹き曝しの峠はそれでなくても寒いのに、強風に煽られた雪煙が頬に当たり痛い
これもお天気回復の兆し 我慢、我慢と、フードを目深に被り風の音を聞きながら歩いて行く
北壁を背負った特等席には、コース中一番の目立ちたがり屋のブナ
今日は念入りにお化粧しているのに・・・・と言いたげに、薄日が差しかけた空を見上げている
帰りはきっとピーカンよ それまで頑張っていてねと声をかけ、ブナのゲートを潜り白い一筋の道を進んでゆく
頂上まで1kmの標識、思ったほどは埋まっていない
一ノ鎖を巻き、再び尾根に出れば、弥山が段々近くなり、二ノ鎖元の鳥居を潜っている人が見える
振り返れば、瓶ヶ森が紺碧の空の下で一際白い頭を出し、エールを送ってくれている
二ノ鎖元まで来ると上空は青空〜♪
トラバースは深い雪、雪崩の心配が有るのか先行者は高巻している
「お〜い、トラバース行くぞ〜」と、お腹まで新雪に埋まりながらラッセルしているグランパ
何も好き好んでしんどい目せんでもええのにと思いながら、後ろから付いて行ってたら 「交代じゃ」
まあ、短い距離だったので無事高巻して来た道と合流、やれやれ
谷になると一段と雪が増えて来た、先行している方が少しの段差で何度も滑り悪戦苦闘
雪の下に隠れた手摺が、丁度滑り台になっていたようだ
二ノ鎖と三ノ鎖の間のトラバースは深い雪に閉ざされている 木々の間に付けられた冬道を直登すれば面河分岐
最後の難関、雪で埋まった三ノ鎖の巻道を通過すれば頂上
逸る気持ちを抑え、ピッケルでバランスをとりながら一歩一歩慎重に進む
踊り場に出て振り返れば、後続の方も慎重に登って来ている
弥山に到着したと思ったら、頭上に青空が広がって来た ヤッホー♪♪
予想通り、みるみるガスが飛び、天狗岳がそのシャープな姿を現す
あれれ、またガスが湧き上って来た
このまますっきり晴れるのかと思いきや、また真っ白 二人ほど天狗岳に向かったがガスで何も見えない
登る前、「今日は、天狗まで」と思っていたけれど、思わせ振りな天狗さんに、すっかりその気は失せていた
強風が吹き荒れる頂上の気温は−10℃、体感温度はもう少し低いかな 一枚中着を増やし寒さに耐える
暫くして、背中いっぱいのザックを背負ったのんびり山歩さんも到着「お疲れ様〜」
頬を強風に曝しながら天狗岳と対峙し、0,01秒の瞬間を待つ皆さん
究極のパワースポット・石鎚山天狗岳
なかなか、思ったようにはすっきり晴れてくれませんが
それでも雲が晴れた一瞬、何時にも増して神々しい姿を見せてくれる雪嶺に感動いっぱい
白さを際立たせているだろう二ノ森が見られなかったのは少し心残りだけど、睨めっこもそろそろ限界かな
1時30分 「素敵な写真楽しみにしています 風邪引かないようにして下さいね」と、のんびり山歩さんに挨拶して下山する
帰りには、白く輝く北壁が見られるかなと思っていたのに、ますます雲が重く垂れこめている
あ〜ぁ、どっと疲れが・・・急に足取りも重くなり、とぼとぼと夜明峠を歩く
そういえば、今か今かと天狗さんが現れるのを待っていたので、お腹が空いているのも忘れたまま
そりゃー、何時もよりしんどい筈だわ 腹が減っては何とやら・・・パワースポットもお腹の足しにはなりません
ともあれ、八丁でアイゼンを外し、明るいブナ林を楽しみながらゆっくりと登り返し、3時30分成就社に帰って来た