2012年04月08日  ”チ チ 山”

母なる山は遠かった 春爛漫 花見気分を阻む春の雪


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号



大永山トンネル口(7:00)(7:40)土山越(8:30)獅子舞の鼻(8:45)(10:10)チチ山の別れ(10:20)
(11:20)
チチ山(12:00)〜(13:35)獅子舞の鼻(13:50)〜(15:00)大永山トンネル口      (8時間)



遅れていた桜も漸く開花、桃花に急かされ満開を迎えようとしている時に寒気が入って来たが

翌日は気圧配置も緩み絶好の花見日和となりそうだ ひょっとしたら山は霧氷、里は桜と、花見三昧かな〜

今日は久しぶりに大永山トンネル口から笹ヶ峰、チチ山に登り、下山後は新居浜に下りて花見、の予定だったのですが・・・・

(注 チチ山はちち山、父山あるいは乳山と表示されることもあります)



県道9号線大永山トンネル南口(標高971m)の道路脇に駐車し、歩き始める

トンネル手前左の林道に入る 林道入口にはチェーンが掛けられ作業車両以外は入れない

30m程で登山口、右法面に丸山荘を慕う会の小さなプレートがある 3m程の高さを駆け上がると植林の中の道になる 



植林を抜け自然林の中 七番谷川の左岸に付けられた広い道をゆっくり高度を上げてゆく

沢の音が段々近づいて来て、滑滝横の大岩を右に巻き沢に出る



沢を渡り、沢沿いに右岸を歩く 

100m程で沢と別れて急坂に取り付き、再び植林の中の道をジグザグ上ってゆく



スズタケが出て来出すと間もなく主稜線に出る 右はツナクリ山から西赤石山方面 今日は左へ

緩やかで広い道を、稜線歩き5分ほどで土山越(大坂屋敷越) 真っ白い林道を横断し登山道を繋ぐ



雪で覆われたガレ場 浮石に乗らないよう足下を確かめながら慎重に通過する 

馬道の別れ(標識有)に着くと、谷からゴーゴーと音をたてて風が吹き上げて来て寒い! 

正面分岐は右へ  倒木を潜ったり、雪の重みで道に被さったスズタケを払いながら進んでゆく



快適な道も此処・舟窪まで 標識に従い左折すると獅子舞ノ鼻まで30分程の急坂が待っている

ブナやリョウブ、ヒメシャラなどの明るい自然林の中、高度を稼ぐ 右には黒森山からチチ山の稜線が見える

この辺りから、ひょっとして霧氷の花見が出来るかなと少し期待はしていたんですが・・・この気温ではねぇ



尾根を少し左に振りゴーロを進むと、雪も深くなって来た 新雪を踏むサクサクという音が心地好い

久し振りに獅子舞の大ブナに対面 、待ちに待った春の日差しを、大きく広げた手にいっぱい受けて寛いでいる



急斜面で頑張るブナたちを激励して来たグランパが、「何しよん?」って 

雨宿りではありません 何時もは何気なく通り過ぎていた大岩屋を覗き込むと



酒呑童子さん、ヨネさんにお聞きした山の神様(獅子舞大権現様?)が祀られていました 

自然に対する畏れを抱きつつ、山川草木悉有仏性(さんせんそうぼくしつうぶっしょう)の心を大切にしたい

お山を歩けることの有り難さを思い、敬虔な気持ちで手を合わす

尾根を少し上れば、獅子舞ノ鼻(1481.6m) 三角点は雪の下 奥の木に山名板が掛っている

此処から少々のアップダウンを繰り返し、チチ山の別れ取り付きまでゆっくり高度を稼ぎながら稜線をゆく



アケボノツツジ群生地からチチ山を眺める 一際白い斜面の頂点がチチ山の別れ 長い稜線を前にして気合を入れる

背後には、獅子舞の鼻の左奥に赤石山系の名峰が連なっている



展望の良い快適な尾根歩きに見えるけど、少々のアップダウンも歩いてみれば結構しんどい

右側の鈴尾谷は切れ落ちている所があるので気が抜けない 雪が乗った細い尾根を慎重に辿る



さぁ、チチ山別れに取り付く 日差しや空の青はすっかり春の色だけど、吹き曝しの尾根はさすがに寒い

振り返れば辿ってきた稜線 見上げれば笹原の急斜面

この辺りは無雪期でも登山道に深い笹がかぶさり判り難い所 踏み抜いたり、滑ったりしながらなんとか一歩一歩前進



暫し立ち止まり大展望満喫 右には、黒森山、沓掛山、チチ山 目指す笹ヶ峰は未だ見えない

あれいつの間にか風が止んでいる 風が無いと、心なしか雪さえも暖かく感じられるから不思議だ

やっとチチ山の別れが近付いて来た やれやれ



歩き始めて3時間10分 無雪期と比べたら30分以上も余計にかかってやっとチチ山の別れ

ここは四国山脈と赤石山脈の分岐点 東には冠山、平家平、大座礼山・・・へと四国山脈の山並みが続いている

グランパが平家平をしみじみと眺めている 45年程前、苦い思い出があったらしい

 此処から笹ヶ峰とチチ山とのコルまでは、大きなチチ山の南面をトラバースして道がつけられている

 

正面に笹ヶ峰を見ながら縦走路を進む まだまだ遠いなぁ

チチ山分岐で11時前 この時点で笹ヶ峰は諦めチチ山への急斜面に取り付く

 

急坂直登、背丈の低い笹、緩み始めた雪とくれば、歩き難い事この上無し 爪先に余分な力が入ります

覗き込んだ窪地の吹き溜まりは真っ白、日当たりも悪いし当分雪が残りそうです

 

11時20分 やっとチチ山頂上(1855m) 石鎚方面は少し舫っているけれど、まずまずの展望

グランパが大岩に上がりポーズして笹ヶ峰を眺めている もっと肩の力を抜けば〜

今日は最高の登山日和、人気の笹ヶ峰頂上には人が溢れているのかと思ったが僅かに一人だけ見える

頂上東面の雪田を歩いたり、 うろうろしている 後から判ったのですが、のんびり山歩さんでした

 

今日はもう誰にも会わないのかと思っていた所、 「足跡を踏ませて貰いました、ありがとうございます」と、爽やかな若者が登って来た

お聞きすれば、はるばる熊本から来られ、昨日は雪降る中を二ノ森へ 

当然石鎚も見えず、今日は四国山脈の展望を楽しみたいと一ノ谷橋から登って来たそうです

アイゼン、ピッケル、ザイルと万全の冬山装備でしたが 昨日の疲れも残っているので、此処で引き返えすと言われ

「素晴らしい山塊ですね〜」と、何度も感嘆の声を上げていた

さぁ下山です シャーベット状の雪の急坂は滑って歩き難い 申し訳ないけど、登山道を外し笹面を下ります

 

チチ山の別れで、熊本に帰る若者と東と北に別れます 「運転気を付けて下さいね〜」

暖かい日差しに雪が融け始め、頭をもたげてきた笹に足を取られそうになりながら獅子舞ノ鼻を目指して下りてゆく

右の平家谷を見下ろせば、カタクリの楽園「なすび平」は雪の中

 

痩せ尾根で春の訪れを告げるマンサクの向こうに冠山・平家平

獅子舞ノ鼻で小休止後、登山口を目指して一気に下る かなり気温が上がって来たようだ

舟窪辺りまで下りて来ると、雪が溶け出し小さな流れが出来ている

登りはサクサク雪を踏みしめ、下山はピチャピチャ水の中でした

日差しが暖かい七番谷川沿いの道は、すっかり 雪が融けてしまい、登山道が乾いている

 雪解け水が勢いよく流れる谷を見下ろせば、コバイモやイチゲが咲いていそうな雰囲気だけど・・・


今日は、山の神様の導きで久し振りに獅子舞ノ鼻の主・大ブナに会え、チチ山まで行くことが出来ました

春モードの身体にはちょっと堪えたが、今年最後だろう春の雪も楽しめ感謝、感謝の山行でした



下山後は新居浜廻りで花見と思っていたけれど、思わぬ時間がかかり、里の花見は予定変更

県道を引き返す途中、春の妖精はどうかなと、フォレスターハウスへ立ち寄る

咲いたばかりの可愛いカタクリが一輪、「お疲れ様」と微笑んでいるようだ

桜が 渓谷沿いを華やかに彩り始め、金砂小学校跡の桜が翠波高原にエールを送っている

そういえば、来週の日曜日(15日)は翠波高原の菜の花祭り〜♪


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