2012年04月28日 ”阿波国見山”

四国山地のど真ん中 秘境・祖谷渓の入り口に聳える花の山

GPSトラックログ (カシミールソフト使用) (カタクリ山の位置は、もう少し下の1114m地点です)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用

 承認番号 平18総使 第582号

徳善バス停(6:10)〜(6:25)有宮神社(登山道に入る)〜(8:45)カタクリ山(9:00)〜(9:05)トラバース道分岐〜(10:05)国見山(10:40)
(11:00)1352m〜(11:25)1343m〜(13:15)林道出合〜(13:45)五差路〜(15:15)石積の祠〜(16:20)祖谷口橋  (10時間10分)


野山を彩った桜花も風に舞い、新緑が眩しい季節になって来た 

緑の風を待ちかねたように、山では多くの花々が開花する  とりわけ、林床のカタクリ 

見上げればアケボノツツジの両雄(独断です)が、登山者の目の中をピンク色に染め上げる

今日は、アケボノツツジはともかくカタクリに期待して、祖谷渓の入口に聳える花の山・阿波国見山を歩いてみます

コースは大歩危から南西尾根を辿り頂上へ、下りは吉野川、祖谷川に挟まれた稜線を祖谷口まで

ちょっと長いですが、久し振りに仙ちゃん、うた姫さんと一緒の賑やかな山行です


祖谷口橋付近の広い路肩に一台デポし、吉野川と並走する山稜を見上げながら、国道32号を南下する

大歩危橋を渡り県道45号に入ってから少し進むと、登山口の徳善バス停



バス停付近に駐車して出発 「そこの電柱で行き止まりじゃない?」と思うほど草が茂っているが、法面を過ぎると確りした道があった

朝日に輝き始めた徳善集落を抜け、生活道路を歩いて有宮神社を目指す



バス停から10分程で、太子堂が建つ境内

苔むした長い石段を上り詰めれば、杉木立に囲まれた有宮(蟻宮)三所神社が建つ

 祖谷山旧記に拠れば、 天文十八年(1549)創建だとか

 

神社裏から、登山道に入り尾根通しの単調な道を上ってゆく 周りはずーと植林のため展望は無い 

958mピークは右(東)を巻く 「今日は何事?」と賑やかな話声を聞きつけたテンナンショウが驚いているようだ

登山道に入って1時間半 やっと植林を抜ければ、明るいイエローグリーンの自然林

林床に春がこぼれていそうな雰囲気だけどと、眼を凝らしながら歩く

 

ピンク色に誘われて少し脇道に入ってゆくと、咲いていました 可愛いカタクリ〜♪

カタクリ山への急坂途中で、「何人居ようと、ヒトリシズカ」が元気をくれる

 

タチツボスミレ?が「頑張って」と、微笑みかける

落ち葉の中から顔を出したクマガイソウも元気が良い

 

足下には可憐な花たち、見上げれば山桜 飽きない尾根道だけど結構しんどい急坂 露岩の傍らで一呼吸

やっとカタクリ山(1114m) 一面ピンクの絨毯を想像していたけど・・・・カタクリは何処だ?

頂上の向こう側、鞍部までの道沿いにほどほどに咲いていたけど、ちょっと物足りない

 

芽吹き始めたブナの向こうに、今日初めて姿を見せた国見山 この尾根は後山コースほどの大ブナは見あたらない

鞍部まで下り、少し上り返すと分岐 此処を右に行けば、国見山南面をトラバースして後山方面へ

 

仙ちゃんのお腹といい勝負? 思わず写真を撮ってしまいました

伐採地に駆け上がり、カタクリ山を振り返る 背後には双耳峰の野鹿池山や黒滝山 だいぶ高度も上がって来た

 

あれっ? こんな所にモノレールが この辺り踏み跡はしっかりしないが、尾根を外さず上ってゆく

もう頂上は目の前 此処まで来れば足取りも軽い

 

歩き始めて4時間弱、やっと着きました 国見山(1409m) ヤッホー

此処は四国山地のど真ん中、名前の通り頂上からは四つの国全てが見渡せる 

仙ちゃんの右奥は、これから歩く1352m〜1343mの稜線 東には祖谷渓を挟んで端正な中津山(1446.6m)

貸切の頂上で少し早い昼ごはんを済ませ、展望を楽しんでいたら、次々に登山者が到着 賑やかになって来た

高松からだというグループの方に頂いた凍らせたパイナップル、冷たくてとっても美味しい 有難うございました

 

さぁ先は長い、そろそろ下りようか 山頂の皆さんに挨拶してから、指標に従い川崎方面へ

膝までの笹をかき分け、いきなりの急坂を下って行く

雰囲気の良いカラマツ林やブナ林の中に、まずまずの尾根道が続いている 標高差100m程下ると今度は上り返し

 

国見山頂上から15分強で1352mピーク  ピーク側を通り、笹原を緩やかに下ってゆくと、大きなぬた場

日暮れには鹿や猪が集い、ぬた場会議で賑わうのだろうか?

 

太陽を独り占めするかのように、尾根のど真ん中で悠然と立ちつくすブナ 左後ろは国見山

左にこれから歩く長い稜線を見ながら尚も下って行く 結構アップダウンがあるじゃない 誰よ、下るだけじゃと言ってたのは? 

登山道は1343mピークの左を巻くようにテープがつけられているが、折角だから上り返してピークを踏もう

 

変わり映えもしない1343mピークで小休止後、東尾根に迷い込まないように磁石の指し示す北を目指す

が、何時の間にか東の方に進んでいる、GPSを見ながら軌道修正

あら、こんな所にトサコバイモ〜♪ 怪我の功名じゃないけれど、遠回りもしてみるもんだ

 

正規の登山道に復帰し、快適な尾根を下りながら青空を見上げると、陽に輝くヤマザクラ

1160m(?)ピークは左を巻き、尾根に復帰した所に植林帯 日陰が恋しくなってきた ちょっと休もうや 

 

振り返れば、新緑の向こうに歩いて来た尾根 1352mと1343mのピークも随分遠くなった

暫く進むと風穴の表示板(標高点1018m) 国見山から3.2kmと書かれているが、もっと長かったような気がするけど・・・

風穴は何処かなと、登山道沿いにそれらしき小さな穴が有るので覗いてみたけれど、全然涼しい風が吹いて来ない

右側の植林帯から吹き上がってくる風の方が、ひんやりして心地よい

 

風穴から10分程で(廃)林道に下り立つ、左の木に付けられた赤テープに導かれ林に入ったが登山道は消えた

な〜んだ、そのまま林道を進めば良かったんだ 花でも無いかときょろきょろしながら林道を下って行く 

暑くなって来たねぇ、一息入れようやとフカフカの落ち葉に座った途端 「キャー」

うた姫さんの足下から、煩くて寝てられんわと長いものがぬーっと這い出した

可愛いハルリンドウなら歓迎だけど、思わぬハプニングに肝を冷やしました

 

気を取り直して進んで行くと、五差路に出る 指標に従い、897.4mの左(西側)を巻くトラバース道を進む

10分程で、川崎国見会が設置したウッチョキの表示板が立つ それにしても、ウッチョキってなんだろう?

東に久望谷川、西に内山谷が流れ、両者のほぼ中央にウッチョキ山というのが有るらしいが・・・地名の由来は謎?

 

杉の枝葉が積もったフカフカの道を進む

初めて水の音が聞こえてきた この辺りは急斜面 道が傷んで歩き難い所もある

 

左からの作業道に合わさり、尚も下ると手摺が現れ、やっと車道にでる

逆コースを取ったら、此処から登山道に入るのはちょっと分かり難いかもしれない さぁ、長い車道歩きの始まりです 

車道を上りながら、植林の切れ間に左下を見れば吉野川と阿波川口  ゴールはまだまだ先です 

 

井戸口の三叉路に、祖谷口へ3.1km、国見山へ6.1kmの表示板が立つ(此処からは25000の地図に車道の標示有)

三叉路を直進すると正面に井戸口山(645m) 登ってみようと思っていたけど、「行きたい人は、どうぞ〜」と、全員パス

井戸口山東腹に付けられた快適な車道をゆく

 

振り返ればスタイルの良い897.4mと、奥は1343mから東に延びる稜線か?

右前方に吉野川に架かる祖谷口橋が見えて来た、が車道歩きはまだ続く コンクリート舗装になりやっと下に集落が見えてきた

 

ツゲの木に護られた石積の祠、中に祀られた石仏にお参りし、犬に吠えられながらショートカットし下ってゆく

日陰に腰を下ろし、眼下の川崎集落や吉野川を眺めながら、暫し休憩

正賢寺、川崎神社を過ぎ又車道に出る それにしても車道歩きの暑いこと、喉が渇いたなぁ

 

学校近くまで下りて来た所で、お店に飛び込む 冷たいジュースを飲んで人心地付きました

祖谷川に架かる川崎橋には柔らかな緑の風が吹き抜ける 此処は祖谷川が吉野川と出合う所

 さぁ、目の前の祖谷口橋を渡ればゴールが待っている 橋から振り返れば緑に包まれた井戸口山と川崎集落 

歩き始めて10時間10分 やっとデポ車に辿り着いた、久しぶりに味わう爽やかな疲労感

車を回収に再び登山口の徳善へ 車道を走ってもかなりの距離だけど

足を前に出せば何時かはゴールに到達することが出来る 改めて、一歩一歩のチカラは偉大だと実感しました

二人だけでは恐らく退屈な今日のコース、4人で楽しく歩くことが出来ました

仙ちゃん、うた姫さん、どうも有難う 今度は何処にする?

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