野山を彩った桜花も風に舞い、新緑が眩しい季節になって来た
緑の風を待ちかねたように、山では多くの花々が開花する とりわけ、林床のカタクリ
見上げればアケボノツツジの両雄(独断です)が、登山者の目の中をピンク色に染め上げる
今日は、アケボノツツジはともかくカタクリに期待して、祖谷渓の入口に聳える花の山・阿波国見山を歩いてみます
コースは大歩危から南西尾根を辿り頂上へ、下りは吉野川、祖谷川に挟まれた稜線を祖谷口まで
ちょっと長いですが、久し振りに仙ちゃん、うた姫さんと一緒の賑やかな山行です
祖谷口橋付近の広い路肩に一台デポし、吉野川と並走する山稜を見上げながら、国道32号を南下する
大歩危橋を渡り県道45号に入ってから少し進むと、登山口の徳善バス停
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バス停付近に駐車して出発 「そこの電柱で行き止まりじゃない?」と思うほど草が茂っているが、法面を過ぎると確りした道があった
朝日に輝き始めた徳善集落を抜け、生活道路を歩いて有宮神社を目指す
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バス停から10分程で、太子堂が建つ境内
苔むした長い石段を上り詰めれば、杉木立に囲まれた有宮(蟻宮)三所神社が建つ
祖谷山旧記に拠れば、 天文十八年(1549)創建だとか
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神社裏から、登山道に入り尾根通しの単調な道を上ってゆく 周りはずーと植林のため展望は無い
958mピークは右(東)を巻く 「今日は何事?」と賑やかな話声を聞きつけたテンナンショウが驚いているようだ
登山道に入って1時間半 やっと植林を抜ければ、明るいイエローグリーンの自然林
林床に春がこぼれていそうな雰囲気だけどと、眼を凝らしながら歩く
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ピンク色に誘われて少し脇道に入ってゆくと、咲いていました 可愛いカタクリ〜♪
カタクリ山への急坂途中で、「何人居ようと、ヒトリシズカ」が元気をくれる
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タチツボスミレ?が「頑張って」と、微笑みかける
落ち葉の中から顔を出したクマガイソウも元気が良い
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足下には可憐な花たち、見上げれば山桜 飽きない尾根道だけど結構しんどい急坂 露岩の傍らで一呼吸
やっとカタクリ山(1114m) 一面ピンクの絨毯を想像していたけど・・・・カタクリは何処だ?
頂上の向こう側、鞍部までの道沿いにほどほどに咲いていたけど、ちょっと物足りない
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芽吹き始めたブナの向こうに、今日初めて姿を見せた国見山 この尾根は後山コースほどの大ブナは見あたらない
鞍部まで下り、少し上り返すと分岐 此処を右に行けば、国見山南面をトラバースして後山方面へ
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仙ちゃんのお腹といい勝負? 思わず写真を撮ってしまいました
伐採地に駆け上がり、カタクリ山を振り返る 背後には双耳峰の野鹿池山や黒滝山 だいぶ高度も上がって来た
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あれっ? こんな所にモノレールが この辺り踏み跡はしっかりしないが、尾根を外さず上ってゆく
もう頂上は目の前 此処まで来れば足取りも軽い
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歩き始めて4時間弱、やっと着きました 国見山(1409m) ヤッホー
此処は四国山地のど真ん中、名前の通り頂上からは四つの国全てが見渡せる
仙ちゃんの右奥は、これから歩く1352m〜1343mの稜線 東には祖谷渓を挟んで端正な中津山(1446.6m)
貸切の頂上で少し早い昼ごはんを済ませ、展望を楽しんでいたら、次々に登山者が到着 賑やかになって来た
高松からだというグループの方に頂いた凍らせたパイナップル、冷たくてとっても美味しい 有難うございました
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さぁ先は長い、そろそろ下りようか 山頂の皆さんに挨拶してから、指標に従い川崎方面へ
膝までの笹をかき分け、いきなりの急坂を下って行く
雰囲気の良いカラマツ林やブナ林の中に、まずまずの尾根道が続いている 標高差100m程下ると今度は上り返し
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国見山頂上から15分強で1352mピーク ピーク側を通り、笹原を緩やかに下ってゆくと、大きなぬた場
日暮れには鹿や猪が集い、ぬた場会議で賑わうのだろうか?
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太陽を独り占めするかのように、尾根のど真ん中で悠然と立ちつくすブナ 左後ろは国見山
左にこれから歩く長い稜線を見ながら尚も下って行く 結構アップダウンがあるじゃない 誰よ、下るだけじゃと言ってたのは?
登山道は1343mピークの左を巻くようにテープがつけられているが、折角だから上り返してピークを踏もう
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変わり映えもしない1343mピークで小休止後、東尾根に迷い込まないように磁石の指し示す北を目指す
が、何時の間にか東の方に進んでいる、GPSを見ながら軌道修正
あら、こんな所にトサコバイモ〜♪ 怪我の功名じゃないけれど、遠回りもしてみるもんだ
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正規の登山道に復帰し、快適な尾根を下りながら青空を見上げると、陽に輝くヤマザクラ
1160m(?)ピークは左を巻き、尾根に復帰した所に植林帯 日陰が恋しくなってきた ちょっと休もうや
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振り返れば、新緑の向こうに歩いて来た尾根 1352mと1343mのピークも随分遠くなった
暫く進むと風穴の表示板(標高点1018m) 国見山から3.2kmと書かれているが、もっと長かったような気がするけど・・・
風穴は何処かなと、登山道沿いにそれらしき小さな穴が有るので覗いてみたけれど、全然涼しい風が吹いて来ない
右側の植林帯から吹き上がってくる風の方が、ひんやりして心地よい
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風穴から10分程で(廃)林道に下り立つ、左の木に付けられた赤テープに導かれ林に入ったが登山道は消えた
な〜んだ、そのまま林道を進めば良かったんだ 花でも無いかときょろきょろしながら林道を下って行く
暑くなって来たねぇ、一息入れようやとフカフカの落ち葉に座った途端 「キャー」
うた姫さんの足下から、煩くて寝てられんわと長いものがぬーっと這い出した
可愛いハルリンドウなら歓迎だけど、思わぬハプニングに肝を冷やしました
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気を取り直して進んで行くと、五差路に出る 指標に従い、897.4mの左(西側)を巻くトラバース道を進む
10分程で、川崎国見会が設置したウッチョキの表示板が立つ それにしても、ウッチョキってなんだろう?
東に久望谷川、西に内山谷が流れ、両者のほぼ中央にウッチョキ山というのが有るらしいが・・・地名の由来は謎?
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杉の枝葉が積もったフカフカの道を進む
初めて水の音が聞こえてきた この辺りは急斜面 道が傷んで歩き難い所もある
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左からの作業道に合わさり、尚も下ると手摺が現れ、やっと車道にでる
逆コースを取ったら、此処から登山道に入るのはちょっと分かり難いかもしれない さぁ、長い車道歩きの始まりです
車道を上りながら、植林の切れ間に左下を見れば吉野川と阿波川口 ゴールはまだまだ先です
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井戸口の三叉路に、祖谷口へ3.1km、国見山へ
6.1kmの表示板が立つ(此処からは25000の地図に車道の標示有)
三叉路を直進すると正面に井戸口山(645m) 登ってみようと思っていたけど、「行きたい人は、どうぞ〜」と、全員パス
井戸口山東腹に付けられた快適な車道をゆく
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振り返ればスタイルの良い897.4mと、奥は1343mから東に延びる稜線か?
右前方に吉野川に架かる祖谷口橋が見えて来た、が車道歩きはまだ続く コンクリート舗装になりやっと下に集落が見えてきた
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ツゲの木に護られた石積の祠、中に祀られた石仏にお参りし、犬に吠えられながらショートカットし下ってゆく
日陰に腰を下ろし、眼下の川崎集落や吉野川を眺めながら、暫し休憩
正賢寺、川崎神社を過ぎ又車道に出る それにしても車道歩きの暑いこと、喉が渇いたなぁ
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学校近くまで下りて来た所で、お店に飛び込む 冷たいジュースを飲んで人心地付きました
祖谷川に架かる川崎橋には柔らかな緑の風が吹き抜ける 此処は祖谷川が吉野川と出合う所
さぁ、目の前の祖谷口橋を渡ればゴールが待っている 橋から振り返れば緑に包まれた井戸口山と川崎集落
歩き始めて10時間10分 やっとデポ車に辿り着いた、久しぶりに味わう爽やかな疲労感
車を回収に再び登山口の徳善へ 車道を走ってもかなりの距離だけど
足を前に出せば何時かはゴールに到達することが出来る 改めて、一歩一歩のチカラは偉大だと実感しました
二人だけでは恐らく退屈な今日のコース、4人で楽しく歩くことが出来ました
仙ちゃん、うた姫さん、どうも有難う 今度は何処にする?
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