2012年10月07日  ”谷川岳”

上越国境に聳える岳人の山は、ファミリーの山でした

「国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国だった」

川端康成の小説「雪国」の冒頭に出て来る上越線の清水トンネル  今は、当時のトンネルは無いけれど

越後から上州に下るには、JRであれ、車であれ、今も長いトンネルを抜けなければならない事に変わりは無い

関越自動車道を南下し長い長い関越トンネル(11055m)を抜け、水上ICで下車

水上温泉街を通り、谷川岳登山口を目指す



谷川岳登山の表玄関・JR上越線の土合駅に寄り道

「ようこそ日本一のもぐらえき 土合へ」の看板がかかるスマートな駅舎に入ってゆくと

登山準備をしている人、仮眠している人で思ったより賑わっている

上り線のホームは、別段特徴は無いけれど



下り線のホームは、な、何と、改札口から70,7m下った所にある

143mの連絡通路(階段24段)を抜けドアを開けると、奈落の底へ続いていそうな338m・462段の階段が落ちて行く

ホームは冷んやりとして、何か出て来そうな不気味な雰囲気  「早よ、上がろうや」

大汗かきながら、急いで改札口に戻りました


土合駅から、少し走れば谷川岳ロープウェイ駐車場



谷川岳ロープウェイ土合口駅天神平駅出発(8:10)〜(8:55)熊穴沢避難小屋(9:05)〜(10:20)肩ノ小屋
(10:30)谷川岳トマの耳〜(10:45)肩ノ小屋(11:00)〜(12:00)熊穴沢避難小屋(12:15)〜(12:50)天神平駅
                                                  (4時間40分)



2005年9月に竣工した谷川岳ロープウェイ 5分おきにやって来る可愛い乗り物は、定員22人でフニテルというそうだ

今にも雨が降りそうな中、土合口駅(標高746m)より10分程で天神平駅(標高1319m)へ



天神平駅に着くと、少し明るくなって来た 良かった、何とか雨は大丈夫そう

尾根まで運んでくれる天神平行きのリフトを左に見ながら、緩やかに登って行く

湿って滑りそうな木道を、行列をなした登山者が進む



写真を撮るのも大変、ちょっと脇へ逸れるとなかなか列に戻れません 

まぁ、急ぐ事も無いですが・・・山頂方面には相変わらず雲が垂れ込めています



切れ落ちた岩場には 鎖が付けられ、至れり尽くせりの登山道

見上げれば、ウァー凄い行列!  ガスが切れた尾根に一筋の線が引かれている 



岩が剝き出しになった急坂になるとちょっと渋滞 鎖を手繰って登って行きます

やっと、熊穴沢避難小屋(振り返って見ています)

中では数人の方が休憩中 でも、熊の穴なんて、ちょっと気になるネーミングです

此処は二俣(いわお新道)分岐 写真右方向は谷川温泉方面への下山道が続くが

牛首〜二俣の河原の高巻道が崩壊のため、大雨で渡渉出来ない時は通行不能となるそうだ



避難小屋を過ぎた辺りからドンドン高度を稼いでゆくと、薄っすら展望も出て来た

ピーカンなら申し分ないんだけど・・・仕方ありません、雨が降らないだけでも良しとしなければ



天神のザンゲ岩だろうか?  大岩の上も、付近も沢山の方が休憩中



階段状の丸太が設置されている肩の広場直下のガレ場 丸太に乗って滑らないようにゆっくり進む

すれ違いざま、下山中の若い方が滑って転んだけど幸い怪我は無くホッとする

間もなく小屋に着く筈だとは思うものの、辺りは真っ白で何も見えない

「肩ノ小屋からは360度の大展望が広がる」とのガイド本の説明が空しく頭を過ぎる

ガレ場を登り切ると、休憩中の方々の背後に小屋が浮かび上がる 小屋には寄らず、そのまま頂上を目指す

5分程歩いた所で、登山道に行列が出来て前に進めない 脇に逸れ岩伝いに行ってみると、山頂写真の順番待ち!



行列の最後に並び寒い中10分程待って、やっと谷川岳トマの耳(1963m)山頂標識が写せました

谷川岳は双耳峰、此処から15分程でもう一方の耳・オキの耳(1977m)

何でも、麓から見上げると猫の両耳に見えるので”耳二つ”と呼ばれているとか

親子連れがオキの耳へ向かっている、歩く姿は相似形なのが微笑ましい

ガスの中に薄っすらと長〜い行列が続く 

日本三大岩壁と言われる一ノ倉沢の凄まじい岩壁が、 湯檜曽川に切れ落ちる光景を見下ろしたかったけど・・・

「何にも見えないオキの耳はパスじゃ」 

本来なら、一ノ倉岳(1974m)・武能岳(1759m)・蓬峠・清水峠・万太郎山(1954m)・平標山(1983m)・三国峠の谷川岳連峰

そして、東には燧ヶ岳、日光連山、昨日上った苗場山が西に、南には赤城山、榛名山が望めるんだけど・・・

何と言っても富士山が見られないのは、残念!

 

さっさと頂上から下りて来ると、肩ノ小屋周辺にはますます人が増えている

小屋に入って休憩 温かそうなカップラーメンを注文したがちょっと麺が硬かった

身体も温まって来たし、ガスも晴れそうにないので下山

それにしても次から次に登ってくる人で登山道は渋滞気味、すれ違いに時間がかかる

帰りに上がってみようと思っていた「天神のザンゲ岩」や「天狗の留まり場」の大岩は相変わらず大入り満員 パ〜ス



避難小屋で食事後、グランパは紫煙を燻らせながら、のんびり一服

よく考えたら小屋でカップラーメンのおつゆを啜っただけ 人の多さに圧倒されて何も食べんずく下りる所でした

避難小屋からは人の波も減り、初秋の雰囲気をゆったりと楽しみながら下山

お山は相変わらずガスに覆われているけれど、天神平の向こうに薄っすら青空が見え出した

混雑しているかと心配したロープウェイも10分ほど待って乗れ、無事に土合口駅に下りて来ました


歩いた道  ホーム