2012年11月10日  ”面河山”

大ブナロマンを求めて モミジ色に染まる面河へ


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号



渓泉亭駐車場(8:05)〜(8:30)登山口〜(9:55)霧ガ迫〜(11:15)ブナ入口標識〜(ブナ探索・昼食)
(13:30)
面河山〜(14:30)霧ガ迫〜(15:25)登山口〜(16:00)渓泉亭駐車場   (7時間55分)


面河で四国一大きいブナが見つかったとテレビ放映されたのは、もう10年くらい前の事になるだろうか

面河道を通る度、その時に見たスタイルの良い大ブナの事を思い出していた

でも、面河山と言うだけで尾根の東側なのか西側なのかも判らず

 特定出来ない広い山域で見つけることは不可能だと思っていた

今秋、徳島権田山の大ブナを尋ねてから、面河山の大ブナに会いたいという想いが強くなり

何か手がかりは無いものかしらとネットで調べてみたら、某アルパインクラブの方々が探しに行った事

そして、以前は無かった(と思う)「大ブナ入口」と書かれた標識がある事が分かった

「探しに行ってみよう」



権田山以来、久し振りの山行だと言う仙ちゃんを乗せて、未だ真っ暗な瓶林を走る

瓶ヶ森手前でご来光  朝焼けに染まる子持権現山、石鎚山は目を見張る美しさ!

土小屋を過ぎ、石鎚スカイラインから見上げる霊峰石鎚の凛とした姿 何時見ても、魅力的〜♪

刻々変わる景色に魅せられて何度も途中下車したので、家から3時間以上かかって面河に到着 



8時過ぎ、渓泉亭前を出発し、鶴ヶ背橋を渡り平坦な遊歩道を歩く 

パノラマ台ってどんな所なんかなぁ? 帰りに時間があれば寄ってみようと話ながら奥へと入って行く

何かが棲んでいそうな濃紺の上熊淵を彩るように、紅葉が始まりかけている

下りて来た頃は、観光客で賑わっているかもしれんね



歩き始めて25分で登山口 さぁ、隊長以下3名、俄仕立ての大ブナ探索隊出発です

石鎚神社の鳥居を潜り、延々と続く石段道を上がって行く



ウワー、綺麗!鮮やかに色付いたカエデ、ヒメシャラ、ブナ、トチノキ、シロモジ等が眼を楽しませてくれる

少し朽ちかけた桟橋は慎重に、所々の枕木が動くので

いくら紅葉が素晴らしいと言っても、上ばかり見ていては危ないです



登山道沿いに立つ大きくて立派なモミに 「貫録ですね〜」と、声を掛けながら歩く

渓谷に日が差し出し一そう輝きを増した木々が「撮って、撮って」と呼び止めるので、なかなか進めません



霧ガ迫の水場  山頂まで5400m/3時間10分 登山口まで1750m/35分の標識が立つ

支尾根の展望所まではあと20分程とジグザグ道を頑張っていたら、目の前で何か動いている?「キャー」

後から来た仙ちゃんやグランパが「どしたん、熊でも出たん?」

 蛇が草叢に隠れたと言っても、二人とも信じてなさそうな顔 「しかと見たんジャ!」



面河山手前の支尾根に出て(標高1350m位)、今日歩き始めてやっと石鎚山にご対面

ブナ、ミズナラ、ダケカンバなどが林立する尾根沿いの道をゆっくり高度を上げてゆく

右手には、木々の間に岩黒山から筒上山の稜線 「このミズナラ大きいねぇ」 思わず見上げる

今朝は3時半起床、朝御飯もそこそこに出発したのでお腹が空いて来た 「おやつタイムにしようや」



登山道を塞ぐ倒木のトンネル、潜り易い様に凹部を下に倒れている

面河山の東尾根に気になる赤テープ 「大ブナ」への入口か? 一瞬緊張が走る(大袈裟です)

でも、入口にはプレートが有る筈 事前情報はプレートだけです



唯一頼りのプレートは何処かいな?と、 面河山の東側を巻いた辺りからウロウロキョロキョロ

プレートを探している所へ、単独の男性が追い付いて来た

土小屋にデポした自転車でスカイラインを下ると話されていたが、帰りに面河バス停付近でもすれ違う

あとから判ったが岡山のトオルさんでした 四国の山に魅せられ、この秋4回目の石鎚だそうです  

登山道の両側を注意深く見ながら歩いていくと・・・「有った〜!」(右写真) 

思わず大声が出て、追い越して行ったトオルさんにも聞こえたそうだ



面河尾根と登山道が狭まった斜面の木にプレートが括りつけられている 先ずは第一関門突破です

尾根側にあるということは、大ブナは稜線を越え西の斜面にあるんだろう

直ぐ上の尾根に駆け上がり西側の斜面を見渡してみる 

小さな花を探すんじゃないんだから、あれば直ぐ見つけられると思ったけれど、視界にそれらしきものは無い

取り敢えず、笹を掴みながら急斜面を下って行くが・・・朝の元気は何処へやら、登り返しの事を考えたら気持ちが萎えてくる



「見つけたら大声で知らすから」と、グランパが笹斜面を転がるように下って行き直ぐに見えなくなった

100m位下りてみるから待ちよれと言われたものの、30分も過ぎると心配になって来た

耳をそばだてても何も聞こえず、上って来ている気配も感じられない

「大丈夫かねぇ」 仙ちゃんと顔を見合わせていたら、右方向から「オ〜イ」と言いながら近付いて来た

「見つかったん?」 疲れ果てた顔を観たら問わずもがなだと思いながらも、つい口から出てしまった

下へ行くほどにブナが細くなり、少なくなって来たそうだ(左写真)

森の主の様なミズナラさんなら、ひょっとして大ブナの居場所を知っているかもしれない

「大ブナ、知りませんか?」と、聞いてみたが 「・・・・・」 返事が有りません

それにしても大きい  折角メジャーを持って来たので、目通りを測ってみると6m50cmでした



一旦、登山道まで引返し、食事休憩を取ってから仕切り直しです

それにしても笹の急斜面の登り返しはしんどい 笹が乾いているのがせめてもの救い、濡れていたらぐじゅぐじゅよ

とはいっても埃っぽい 藪漕ぎ好きには堪らないのだろうが・・・こんなこと何が面白いのかよく分からん

今度は面河尾根を1551mPへの方に歩いてみようと腰を上げた所へ、上から二人下りて来た

「今からですか?」 時刻は既に12時半を回っている 「いえ、ここらで大ブナ探しです」

何と物好きなとでも言いたげに、苦笑いを浮かべ(た様に見えた)通り過ぎた



気合を入れ直して再び尾根に乗り、少し進むと左下に大ブナ発見

樹勢はいまいち、思い描いている大ブナではなさそうですが、取り敢えず側まで下りてみる

傾斜地ではメジャーを回すのも一苦労 山側の地面から1.2mの幹回りを測ってみると6m3cmでした

今日の所は、このブナを面河山の大ブナということにしとこうや 大ブナ探しがこんなにしんどいとは思ってなかったわ

(翌日くろもじさんから、探している大ブナの目通りは確か8m位だったようなと教えて頂きました)

 

折角だから近くの面河山のピークを踏んどこうか

右奥には予土国境の山々、左稜線から瓶ヶ森が頭を出している

 

振り返れば、紅葉も終わり冬待ち姿の石鎚南壁   目の前のピークが面河山(1525m) 

(注 石鎚山系で二番目に高い二ノ森1929.2mには一等三角点が置かれ、点名は面河山です)

「四国一の大ブナ」を探し当てていたら、笹薮もルンルン気分で歩けるのに、なんと足の重い事

笹を掻き分け辿り着いた頂上は、三角点や山頂標識等何も無い

 

ピークから東に延びる支尾根を10分弱藪漕ぎしたら登山道に飛び出した さぁ、後は下るだけ

喉がいがらっぽく、咳やくしゃみの大合唱が静寂の森に木霊する

石段道になると瀬音が段々大きくなり鳥居が見え出した あ〜ぁ、疲れた

 

ちょっと寄り道して対岸の東屋へ 橋の上から「水呑みの獅子」の大岩を見下ろす どれが獅子なんかなぁ?

勢いよく流れ落ちる虎ヶ滝を見てから引き返す パノラマ台分岐は、迷わずパ〜ス

遊歩道でもぼつぼつすれ違ったが、鶴ヶ背橋辺りから紅葉見物の人で急に賑やかになって来た


今日は残念ながら、「四国一 面河山の大ブナ」と対面ということにはならなかったけれど

まぁ これもまた良し 大ブナへの思いを温めていれば、出会った時の感動もきっと大きい筈

面河は雪深い所 近いうち雪に閉ざされる 次の探索はアケボノツツジ咲く頃まで持ち越すことになりそう

それにしても、権田山や大座礼山、黒岩山のブナより大きいって!・・・出会いを想像するだけでワクワクする

一本の巨木に魅せられて、大ブナロマンは益々膨らみます


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