2012年12月15日 ”岩屋寺へんろ道”

苔むした丁石地蔵に導かれ、奇岩絶壁の古刹を尋ねる



GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号


古岩屋荘(9:55)〜(10:20)八丁坂入口〜(10:45)峠の茶屋跡〜(12:10)山門〜(12:40)岩屋寺橋〜(13:15)古岩屋荘


今日は松山で所属クラブの忘年会 久し振りに皆さんと山談義に花を咲かせます

その前に松山周辺で軽い歩きが出来ないかと、「えひめを歩こう ウォーキングコースガイド」を捲っていると

大宝寺から岩屋寺までは、昔と変わらぬ「本物の遍路道」が残っている、と紹介されていた

コース距離6.5kmで所要時間は3時間半ほど、今日は天気もはっきりしないし傘をさしても歩けるへんろ道がいいかな〜


R33の三坂トンネルを抜けると道路わきに雪が残り、久万高原町の家々の屋根や畑が薄っすら白い

前日の雨で融けたのだろうが、2,3日前だったら雪見のへんろ道だったかもしれない

そんな事を思いながら車を走らせていると、前方に円錐状の礫岩峰が見え出し国民宿舎古岩屋荘に着いた



古岩屋荘バス停から、渓流沿いの遊歩道をゆく この道は四国のみち(山里のへんろみち)に指定されている 

雰囲気は抜群だけど、雪が残る石畳は滑りそうで歩き難い

礫岩峰は、何度見ても目を見張る不思議な景観!   写真の岩峰は、桂岳?それとも鐘釣岳かな? 

 標高500mの古岩屋に大小20峰の礫岩峰が有り、岩峰にはそれぞれ名前がつけられている

説明板に拠れば、 結晶片岩の岩塊や砂からなる4500万年前の古第三世紀の地層だそうだ



大師岳の下にひっそりと佇む大師堂

小屏風岳?を見ながら、スプリングエフェメラルの頃に賑わう場所を過ぎ、快適に歩く



不動尊堂に被さる不動岳中腹にある岩穴をよく見ると、不動明王が立っている

総高4.90m 明王高3.03m 明王巾0.72m カヤの木の一本彫刻像と説明書きにある

それにしても、あんな高い所にどうやってお祀りしたんだろう



あらら、へんろ道が水没している こんな所でポチャンとしたら冷たくて撤退よ

滑りそうな場所を避けて何とか渡渉、今日一番の難所でした

八丁坂入口 真っ直ぐ進めばふるさと村を経て四十四番札所大宝寺(6.3km)

四十五番札所・岩屋寺2.6kmの指標に従い左折



心配していた雨が降らないのはありがたいが、変に蒸し蒸しして2,3日前の空気とは全然違う

八丁坂を黙々と登り、峠の茶屋跡に着いた時は汗ビッショリ

峠に立つ案内板に、「ここは、槙ノ谷から上がる打ちもどり無しのコースとの出会い場所です」と書かれている

「打ちもどり」とは札所を参拝し、同じ道を引き返すことで、八十八ヶ寺巡拝コースの中でも珍しいそうです



天気が好ければ石鎚も見えるそうだけど、今日はご覧の通り遠望は無し

フカフカの落葉を踏みしめ、丁石地蔵が佇む広くて快適な尾根道をゆく

四国遍路の始まりは、平安時代だといわれているそうですが、それ以降この道を何人の人が歩いたのだろうか?

発心の動機はそれぞれ異なるが、お大師さんとの出会いを求めて歩いたに違いない

一本の山道が、結願の寺・八十八番札所大窪寺、そして高野山へと導いてくれる



薄っすら日も差し、雰囲気の良い尾根道〜♪と、いい気分で歩いていたのに

こんな標柱が立っていたら、夏はビクビクしながら・・・いえいえ、よう歩かんかも

「まむしもこの世に生を受けた大切な友達、出会うのも修行のうち」、と後から声が聞こえてくる



「閏年は逆打ち」ともいうので、歩き遍路さんに会うかなと思っていたが、もう年の瀬、今日は静かなへんろ道です

尾根道が終わり、つづら折れの坂を下りてゆくと、三十六童子巡り行場

縦横に這う木の根を頼りに急峻な岩場を上がれば、三方絶壁の狭い棚に妙空蔵童子が祀られている



境内が近付くに連れ、大杉や大トチが静寂の森を創っています

大きな木を見たら、メジャーを出さずにおれません(笑)

8mくらいかなと思いながら測ってみると、7m13cmでした

大杉から少し下り、施錠された木戸を覗き込めば、岩の裂け目に一本の鎖が掛けられている

此処は、山岳修験者の行場・逼割(せりわり)行場 

納経所で鍵を借り、そそり立つ大岩の間にかかる鎖と梯子を攀じ登れば

白山大権現が祀られる岩山の頂きに出られるそうだけど

お行場ですから遊び気分で登ってはいけませんと注意書きがある 「はい、判りました」

お昼には少し早いけど、山門を潜る前にと此処で食事休憩



行場巡りの道が入り組む中、下へと降りて行けば、厳ついお顔の不動明王様が睨みを利かしている

杉木立の奥の古い山門を潜れば、四国霊場第四十五番札所・海岸山岩屋寺

伝説に拠ると

昔、この山に住んでいた神通力を持つ法華仙人と称する女人が、弘法大師に深く帰依し往生をとげる

そこで大師は木と石の不動明王を刻み、木像は本堂に安置し、石像は岩に埋め山全体を本尊としたそうだ

法華仙人の行場跡、舎利塔があるという金剛界峰 胎蔵界峰と呼ばれる100mほどの二大奇峰がある



雪が残る境内に国指定重要文化財・岩屋寺大師堂、岩屋寺本堂が並び建つ

巨大な礫岩峰が覆いかぶさり不思議な光景だ 岩山全体が本尊だというのも頷ける

山号「海岸山」は、空海の作とされる「山高き谷の朝霧海に似て、松吹く風を波にたとえむ」の歌に拠るそうです



幟が靡く石段を下り、山門を抜けた所で、初めて参拝者とすれ違う

閑散とした土産物屋の間を通り、岩屋寺橋手前で左折

突き当りの瀧地大権現の境内を抜けると、川沿いに遊歩道が続く



雪解け水を集めゴーゴーと勢いよく流れる直瀬川を見ながら一句

雪解けを 集めて速し 直瀬川  な〜んて、芭蕉さんに著作権で訴えられるかしらん?

見渡せば苔蒸したトチの巨木だらけだけど

 有用広葉樹母樹林と書かれた標柱に拠れば、トチノキは百七本 一本一本、数えたの?



「えひめを歩こう」の地図では直進になっているが、藪いているので指標通り茶屋瀬橋で一旦県道に出る

古岩屋トンネルを抜けた所から左に続くへんろ道は、落石のため通行止の表示

仕方が無いので、そのまま四十九谷橋を渡り車道を歩いてゆく

古岩屋荘手前に平家供養塔が建つ、この辺りにも平家伝説が残っているんだ

雲が重く垂れ込め今にも降り出しそうな中、駐車地点に帰って来た

お四国霊場巡りはまだ道半ば お遍路さんは、35km先の第46番札所浄瑠璃寺を目指して歩いてゆく


古岩屋荘の岩風呂でまったりしてから松山に向かっていると、段々雨足が酷くなりどしゃ降り

歩いている時に降らんで良かった これも、お大師さんのお蔭と感謝です

市内に入ると、声を嗄らして選挙カーが走っている

そういえば、明日は衆議院議員選挙投票日  さて、一票の権利 どう使えばよいのか?

今回の選挙は迷います いっそ弘法大師とでも書いておこうかしらん


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