2013年01月03日  ”千本山”

巳が目覚める前に 平家伝説が残る杉の山を歩く


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号


登山口(9:35)〜(10:10)親子杉〜(10:35)傘杉堂(10:50)〜(11:35)頂上〜(12:15)傘杉堂(12:30)〜(13:15)登山口 
                                                          (3時間40分)


平成も早や25回目の新しい年が明けました 今年も、家族そろって氏神様と金毘羅さんに初詣

歳もとってくると、欲張りません 健康で平凡な正月を過ごせることに感謝したい

2日に子供たちを送って、さぁまた日常に戻ります ということになれば、先ずはお山

今年の初登りはどこにしようか? 正月疲れもあるし軽い山がいいな

天気図とも相談し、この時期比較的安定している高知県東部の山へ

なぜ千本山なのか? 以前登ったことはあるのですが、デジカメで写真を撮って無いのと

もう一つ、魚梁瀬であの「モテる人」に会いたくなったんです



安田川沿いを走り、馬路村中心部を抜け、展望所から石積みの魚梁瀬ダムを覗き込む

ダム湖畔から、魚梁瀬地区とその背後の千本山方面を見る いい天気〜♪

魚梁瀬丸山公園を過ぎてからは、舗装はしているものの悪路が続く

忍者がばら撒いた鉄菱のような尖った小石を避け、道を塞ぐ倒木を除けながら、ようやく登山口

家を出て約3時間 奥槍戸に劣らず、ここも遠いです


千本山の見どころは、日本三大美林の一つ、樹齢200〜300年の魚梁瀬杉の巨木群

実際1000本あるかどうかは知りませんが、登山口から頂上まで続く大杉のプロムナードは圧巻です

登山道は、ほぼ中間点の傘杉堂までは広くてよく整備された道

傘杉堂から頂上までは、ザレ場のトラバースなどやや薄い所があるけれど、道を失うというほどではない

神々しいまでの大杉と語りながら歩く登山道は、悠久の世界へと誘ってくれる



登山口から一旦下り、千年橋を渡ると、早速森の巨人たち100選「千本山橋の大杉」が歓迎してくれる

推定樹齢200年以上 樹高54m 幹周6.80m こんなウエストをしたブナに会いたい!



「親子スギまで約500m」の案内板が立つ辺りまでは、木段が続く

濡れている時は滑りやすいので気を付けて下さいと注意書があったが

等間隔で滑り止めの木が設置される等、歩く者への心遣いが嬉しい

ベンチが見えて来たら、親子スギ

2本が合体しているのか、根元近くから分かれているのかよく判りませんが、微笑ましい姿です



野根山街道の宿屋杉を思い出す根上がりスギ 帰りに潜ってみよう

「ハチマキ落とし」と名付けられた、スタイル抜群の大杉群

木の先端を見上げると、鉢巻が落ちる程の背高ノッポの杉が勢揃い



「ウ〜ン」と空に向かって顔を上げれば、万華鏡を覗いた様な絵が広がっています

傘杉堂(すぐ奥が展望台です)まで、約400mの標識



登山口から1時間で傘杉堂  東屋の側に一際大きい杉、巨木を見たらつい測ってみたくなります

 メジャーを回すと7m15cm、ということは橋の所にあった「森の巨人」より大きいの?

右奥の展望台からダム湖方面を眺める このルート数少ない展望所で、暫しの〜んびり



傘杉堂奥から、指標に従い千本山頂上への道に入る 

根元に置かれた名札に「すぎ精英樹魚梁瀬108号」と、書かれた大杉

何となく一本、一本の木に親しみが湧いてくる



急斜面に付けられた薄い道を進むと、雨量観測所が見えて来た

「特別母樹林」の立札  母樹林はよく見るけれど・・・特別と言うのは、ピカ一のお母さんなのかしらん?

そんなお母さんには、なれなかったなぁ(反省)



急斜面のトラバース、転げ落ちたら上がって来られないほど谷が深い

コルに出てコブを越える 杉以外の木も目立ちます



左(西)に見えるのは宝蔵山(1249.2m)だろうか? 大ブナが居るそうです

気が抜けない所もあります 崩落地の上端部を慎重に歩く



  右の尖ったのは雁巻山(1124.6m)? よく分かりませんが貴重な展望場です

再度コルに出て、急坂を頑張れば頂上はもう目の前



木々に覆われた千本山山頂(1084.4m) 冷たい風が吹き抜け寒い!

山頂から北に向けて続く甚吉森(1423.3m)への縦走路を少し下ってみるが、此方も殆ど展望無し

風の当たら無い所でお昼にしようと、直ぐに引返す

結局、傘杉堂まで下りてから食事休憩 後はのんびり下ります


写真を撮って無いからとやって来たのに、後から見てみれば杉の木しか写っていない

杉千本の山だもん 仕方がないですねぇ

軽めの山中3時間40分 雪も霧氷も無く、誰にも会わず展望も殆ど無し あるのは杉だけ

物足りない気もするが、裏返せば杉だけでアピール出来る名山 それが千本山なのです

どの1本でも、神社にあれば御神木となりそうな魚梁瀬杉の美しさと荘厳な姿に圧倒されました

先日の奥白髪山のヒノキとともに、森林県高知の山の山力(ヤマヂカラ)を見た思いです

今日は、目移りするほど多くの神々に会え、一味違った初登りでした



千本山登山口手前に平家屋敷跡があるというので、路肩に車を停め行ってみた

林道から10分程歩いた高台に「能登守平教経一族の屋敷跡」の記念碑と説明板が建つ

壇ノ浦の合戦から逃がれた教経一行は、祖谷、甚吉森を越え、山々に囲まれたこの地に落ち延び

安芸大領真光の援助を受け、武術の練磨に励み時節到来を待ったそうだ

帰路、丸山公園に復元された魚梁瀬森林鉄道に立ち寄る

NHK「嵐の明日に架ける橋」で桜井翔くんが訪れてから、林鉄ロマンの伝道師・井上さんもすっかり人気者

テレビのお蔭でお正月も大忙しだったそうだ 

今日も、次々にやって来る観光客を乗せ、ポーポーと高らかに汽笛を鳴らして走っている

当時、運転手さんは花形の職業だったそうです 運転する井上さんの顔も綻んでいます

乗車記念に、魚梁瀬杉の板に野村式の機関車をプリントした乗車券を頂きました

馬路村は、2000年に「株式会社エコアス馬路村」を設立し林業の活性化を目指しているそうだ

「ごっくん馬路村」で既に全国区の馬路村

杉とゆずを武器に村を興す小さな村の村力(ムラヂカラ)を感じます

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