3月9日 グランパが、矢筈山西面落合峠直下の大ブナを見てきた
石堂山〜矢筈山を繋ぐ稜線の向こう側には、もっと大きなブナが居るそうだ
矢筈山界隈は豊かな自然が残されており、ブナにとっては居心地の良いエリアのようです
今日は、陽気に誘われ、「片川の巨大ブナ」と呼ばれる大ブナを求めて、仙ちゃんと三人での山旅です
県道木地屋赤松線を片川に沿って奥に入って行く 最終民家を過ぎて
ヘアピンカーブ手前に駐車 既に2台停まっている
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駐車地点から片川上流を望めば、朝日に輝く石堂山とその右に御塔石
今日は矢筈山北面のブナ林を散策し、主稜線に出て矢筈山、石堂山を周回する予定です
前半はかなりハードなコース あの頂上に立つ頃はヨレヨレになっているだろうな
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鉄橋を渡り、片川右岸の工事中の林道に出る
林道は100m程で行き止まり 終点から少し進むと登山道に出る
植林地を抜け急崖の細い道を進む
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2連の鉄橋を右下に見て、尚も進むと片川支流に架かる鉄橋
橋を渡り、支流沿いの作業道らしき薄い道を進む
さぁこの辺から1315Pがある尾根を目指そうか 谷から分かれ急斜面を上る
ここからは道は無い、というより、この時期ならどこでも道です
誰よ こんな無茶苦茶なルートを選んだのは?
まぁ、出来るだけ長くブナ林を散策するのにはベストのルートだけど・・・
お目当ては目通り5mの巨大ブナ、噂には6mものブナも居るそうな 早く逢いたいな〜
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植林帯を抜けると尾根がはっきりしてきたけど、案外細い
細いといってもこれはちょっとねぇ まるでサーカスじゃん 尖った岩場を慎重に
この辺りから小振りだけどぼつぼつブナが姿を現し始めた
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シャクナゲの群生する1315Pを過ぎ鞍部で一休み
雪が乗った急崖を登りきった仙ちゃんが「GPS、落とした!」って
辺りを探すと、シャクナゲの陰に隠れている 「有ったよ〜」
探しに引返そうとしていたグランパがホッとした顔で追い付いて来た やれやれ
そういえば、以前雪の赤星山では携帯電話を落としたっけ 次は?
尾根から分かれトラバース ここからのんびりブナの森散策です
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あなた ブナに生まれていたらメジャーを回してあげるのに、ゴメンネ
ミズナラの巨木の間を抜け、薄っすら雪の残る斜面を水平に進む
5cm程の新雪の下はコチコチに凍っている
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急崖を下り沢を渡ると、大きなブナが佇む森が見えて来た この辺りにお目当てのブナがいる筈です
標高1400m付近をウロウロ、何本かウエストを測ってみたけれど、4m超のブナは見当たりません
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あちらこちらと寄り道しながら、斜面を標高1350m位まで下って行くと
「片川の巨大ブナ」が待っていました 太いです、周りのブナと比べて二回りは違います
石堂山を従え、最高のロケーションの中心に威風堂々と立つ大ブナ
綺麗な姿形に思わず手を出し、スキンシップをしてみました
矢筈山の懐で、名峰の品格を演出すべく悠然と構えている目通り5mの巨大ブナ
春の日差しを背に、石堂山のオベリスクと毎日会話しているようにも見える
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微かに期待していた6m級には逢えなかったけど、やっぱり幻なのかなぁ
さぁこれからどうする? ブナ林散策に時間をとりすぎたので矢筈山はパス
石堂山すぐ南の枝尾根を上がり主稜線に出ようと西に進むが、深い谷に阻まれ足止め
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ならばもう一つ南の1710Pに突き上げる枝尾根に変更
スズタケ、木の根掴めるものは何でも掴み、四輪フル稼働で急尾根を頑張る
枯れ木を掴んだらポキ 何とか片手で笹を掴んでいたものの1mほど滑り肝を冷やしました
登りきってホッとしていると、後から登って来たグランパが、「ホイ、帽子」
帽子を落としたのにも気付かないほど必死でした
しんどいしんどいと言ってもこんな所から一人で引き返す訳にもいきません 上に行くしかないのです
傾斜が少し緩んだ所で、単独行の方が下りて来られた
このエリアは、人より熊の密度のほうが高いと思っていたのでまさか人に逢うとは!
お聞きすると、石堂山〜矢筈山を周回してきたそうだ 早やっ!
足の運びは只者ではない雰囲気 何時に出発したのだろう?
高度を上げるにつれ、ブナの間に見える石堂山が視界から遠ざかる
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倒木を避け、スズタケを掻き分け、足下に気を遣いながらひたすら急尾根を行く
冬装備だから大丈夫だとは思うが、ダニがちょっと気になります
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矢筈山系は四国でも有数の雪深い山 今年は雪解けが早いとは言え、未だそこそこ残っている
1710Pの肩に出て、雪面をトラバースし主稜線を目指す
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この辺りは日当たりがよく、雪が少し緩んできてなんとかステップを切ることができる
大ブナから1時間45分で主稜線に出た
矢筈山の方から単独の若者が下りて来た 深淵〜落合峠〜矢筈山〜石堂山と周回するそうだ
今度は前方から単独の若者が 今日会ったのは3人だけ
落合峠からのピストンに飽き足らない人たちが、思い思いのルートでこの山域を楽しんでいる
静かでバリエーションルートの多さが矢筈山系の魅力なんだろう
同じ祖谷を挟んだ三嶺、天狗塚界隈とは、また一味違う良さが有る様です
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縦走路は雪と笹が塞いでいるが、これまでの道に比べたら高速道路よ
水場標識があるこの辺りに出てくる予定だったのだけど、残雪が多く厳しかったかも
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頂上手前の急坂を直登して石堂山(1636m)
南に山系の主峰矢筈山(1848.5m) あの天辺に立ちたかったなぁ
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頂上直下から、苦労して登って来た尾根を見る
巨大ブナは何処かなと、探してみたけど・・・特定出来なかった
冷たい風が吹き抜けじっとしていたら寒い、御塔石でゆっくりしようや
御塔石へ向かいながら石堂山を振り返る
頂上周辺は優しい笹の台地で、石鎚や赤石などの様な石のイメージは無い
標高こそそこそこだけど、矢筈山の陰に隠れなんとなく地味な山です
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石堂山のご神体といわれる「御塔石」
昔はこの辺りで雨乞いの儀式が行われていたそうです
御塔石に上がってみいと言われたが、もう腕力は限界 箸も持てそうにありません
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石堂山の山名の由来となった大工小屋石(石室)
日当たりの良い稜線はすっかり春山の雰囲気〜♪ 木々の枝先は薄っすら赤くなっている
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白滝山(1526.1m) 火打山、風呂塔へと続く縦走路の奥に阿讃山脈が霞んでいる
往復10分程で登山道に復帰し、やや急な斜面を下る 周りには素敵な広葉樹の森が広がっている
相変わらずグランパはブナのウエストを測っている 3m25cm、ちょっと小振りです
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「私は、国の特別天然記念物 人でいえば人間国宝よ」とでも言いたげに
ジッと此方を見つめるニホンカモシカ 写真撮影が済んだのを見計らって、しずしずと立ち去った
風の神として信仰を集めているという 石堂神社の鳥居が見え、ヤレヤレ
小休止後、神社奥から植林帯に入ってゆく
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うっと暗い植林の中にも僅かに春を感じながら、廃屋側を下り、村道大惣線に下りて来た
入口には「矢筈山、黒笠山縦走登山口」と、旧一宇村を取り囲む山々の案内板が設置されている
道端のフキノトウを少し頂きながら、村道歩き10分で駐車地点でした 仙ちゃん お疲れ様〜
一時はどうなることやらと思ったけど、まぁ明るい内に車まで帰れたし、終わり良ければ全て良しかな
グランパが一言 「たまには藪も面白かろ?」 「う〜ん?」
歩いた道 ホーム