風薫る5月 気温は少し低めだけど爽やかな季節になって来た
GW終盤となれば、峨蔵や赤石山系のアケボノツツジも気になるが、久し振りに奥槍戸へ
槍戸川南に連なる「槍戸アルプス」と愛称される山々には、四国屈指の大ブナの森が広がっているそうな
今日は奥槍戸山の家から権田山まで、ご当地アルプスの西半分を歩いてみます
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国道193号から分かれ、槍戸川沿いの県道をどんどん遡る
下山口の勘場谷橋脇に1台デポし、登山口の奥槍戸山の家着 ここは既に標高1500mを超える
仙ちゃん、M歌姫さん、N歌姫さんと談笑しながら賑やかに準備し、休憩舎の横から出発です
1646mPの東面を緩やかにトラバースし、10分ほどで稜線に出る 此処は「久留目の太尾」
「絶滅のおそれがある四国山地ツキノワグマの生息地です」との表示板が立つ
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振り返れば次郎笈(1930m)が一際高い 頭上は文字通り抜けるような青空
こんなに登山日和なのに、真下の剣山スーパー林道を走る車の音は聞こえて来ない
皆さんやっぱり今日はアケボノかな? 右奥に石立山を望みながら静かな稜線を行く
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周りは大ブナだらけ メジャーを持つ手がうずうずしてくる
ブナはまだ芽吹き前とはいえ、林床の笹やスズタケが全て枯れ、彩の無い景色が広がっている
熊が潜んでいると言っても、これなら100m先にいても直ぐ見つかってしまう 熊も困っているだろうな
新九郎山分かれの頂上台地に見事な枝張りの大ブナ
千手観音ブナの愛称がピッタリ、どんな衆生をも漏らさず救済しようと四方に大きく手を広げている
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雄大な四国の屋根、次郎笈、剣山、一ノ森、槍戸山を左に見てなんとも贅沢な稜線歩き
道沿いに次々大ブナが現れる 大展望も楽しみたいし、メジャー係りは忙しい
大ブナの姿形はそれぞれ個性的です 先程のが千手観音ブナならこれは忿怒の姿をした不動明王ブナか?
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遊歩道は此処まで 辺りに池は見えないが「池の休憩所」で小休止
遊歩道は終わっても相変わらず林床は灰色 道を探す苦労は無いけれど、緑が回復するのか心配です
だだっ広い稜線もダケカンバが芽吹けば少しは華やいでくるでしょう
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振り返れば、右端には尖がりピークの三嶺 南には甚吉森や湯桶丸
只今剣山系を5人占め、不入山(1653m)頂上からはうっとりするほどの展望が広がっている
剱岳や立山を見ながら後立山連峰を歩く気分です (ちょっとオーバーかな?)
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槍戸川を挟んで、北側には天神丸、樫戸丸や高城山 南側にはこれから向かう折宇谷山(尖がりピーク)と中内山
遮るものが何も無い天空の稜線をルンルン気分で歩く
立ち枯れた植物をよく見れば、な、なんと イタドリ! 周りはイタドリ林です
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南の急斜面を駆け下れば石立山を従え、スタイルの良い本格派の大ブナ(4m45cm)
日本百名山を借景に、5月の日差しをいっぱい受け芽吹き始めたブナ
芽鱗を脱ぎ茶から緑へと衣替えし始めたブナ林が、空気、風、香り、そして森全体を春へと牽引する
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サッカーコートが何面もとれそうな「不入窪」 ガスが出れば緊張する場所だろう
鹿さんチームがサッカーしていて落としたんでしょうか? 立派な角が転がっていました
北川峠へと下りてゆく トラバース道はありそうだけど、前面のコブに登って行く
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登り切った所が、久井谷山(1536.1m)のピーク トラバースすれば、パスしてしまうところでした
相変わらず無彩色の稜線が続くが、時折南面に開花し始めたミツバツツジが薄っすら紅を添えてくれる
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折宇谷山手前北の派生尾根にどっしり構える大ブナ(4m10cm)
円い台地の頂点で根元を晒しながらも、何本もの大きな根で大地をしっかりと掴んでいる
今日初めての緑色との出会い 一面のバイケイソウに癒されます
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折宇谷山(1652.9m)頂上手前で左から、なっ、なんと! 自転車を担いだ青年が登って来た
じぇじぇじぇじぇじぇ・・・・・・・・・・・!
全国の峠を自転車で巡っているそうだ ここは「中内越」だとか 登山口に置いとけばいいと思うけど
担いででも自転車を峠まで上げることに意味があるそうな 権田山の大ブナもびっくりするわ
間もなく南側の中内から6人のグループが登って来て、頂上は一気に賑やかになる
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青年は、ここから西へ行こうかどうか思案している
皆さんに挨拶してお先に下り始める (結局、青年はピストンして勘場谷橋で再会した)
一旦下って中内山へ登り返す 大分遠ざかった剣山方面の展望
あれっ? この木の樹肌はアケボノみたいだけど・・・花芽も未だ付いていないという事は、シロヤシオかな?
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あまり特徴の無い中内山(1650m)は、さっさと通過 ゴメンネ
夫婦ブナ北の大ブナ(4m85cm) 重量感があり凄い迫力に圧倒される
天にも届く程両手を伸ばし、万歳しているように見える
登山道より一段低い所だから目立たないが、これから注目されるかもです
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7ヶ月振りに夫婦ブナに再会ですが、状態が好転する筈もありません
「四国最大、全国でも5番目の大きさを誇る 目通り5m55cm」の巨大ブナ
周りに張り裂けた大枝が散乱し、土に還り始めているが、かろうじて残った大枝で命を繋いでほしい
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汗をかく間が無い程度のアップダウンを何度かこなして、権田山(1605.5m)が今日五つ目最後のピーク
昨秋歩いた綱付山を眺めながら中休止 綱付山が呼んでいるけど、みんな行かないの?
槍戸アルプスは東へ平家平、ぼたもち山(どんな山だろう?美味しそうな名前が気になるわ)、青ノ塔へと続いている
(槍戸アルプスのエリアは、次郎笈から六郎山、カロート山辺りまでだと思います 違っていたら済みません)
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権田山から稜線を東へ下りたコルを北へと下り始めた
記憶は当てになりません 苔のゴーロが有る筈だと下ってみるがどうも間違えたみたい
引返せばいいんだろうが、あえてコブをトラバース
縦横無尽に鹿の足跡が残っていると思ったら、真新しい鹿の角が転がっていた
ちょっとしたサバイバルを楽しむと、見覚えのある景色が広がって来た ヤレヤレ
この辺りから北へ下れば林道に出られそうだけど、斜面を上がり無難に正規のルートに出る
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チェックポイントを確認し、テープを辿り薄い道(どこでも歩けますが)を下る
ロープが渡されている急斜面を慎重に下れば(廃)林道は近い
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林道に下り立ち少し下ると登山口の標識がある、あらら! ここにドンピシャで下りて来るのは難しい
林道ショートカット途中に出会ったヤマシャクヤク
ベストセラーじゃ無いけれど、「色彩を持たない槍戸アルプス巡礼の山歩き」のご褒美かな?
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林道に下り立って30分で作業小屋(此処まで車で入れます)
今日は子どもの日 家族連れがテントを張り夕食の準備中 薪の煙が谷間にゆったりと流れている
川沿いの新緑を楽しみながら、作業小屋から40分で勘場谷橋着
人気の剣山塊を展望しながら歩いた槍戸アルプス 充実感と爽やかな疲労感が湧いてくる
槍ヶ岳や穂高岳のようなランドマークの山は無いけれど
本家日本アルプスには無い大ブナの稜線がそこにはありました
グランパたちが車を回収し(往復40分)、四季美谷温泉で小宴会の後、21時に帰宅した
仙ちゃん、M歌姫さん、N歌姫さん お世話になりました
歩いた道 ホーム