2013年05月12日  ”砥石権現”

山は一気に初夏へ、ピンクと緑に染まる権現さん


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号


登山口(7:50)〜(8:05)堂の窪〜(8:25)水恋沢分岐(8:45)〜(9:00)砥石権現〜(9:25)鹿舞ダキ山(9:40)
(10:25)堂の窪〜(11:30)西砥石権現〜(12:05)ファガスの森高城(13:00)登山口    (5時間10分)


週末の天気予報は、全国的に雨・雨なので、予定していた遠出は中止

GWは上天気が続いたので悪い巡りもあるわと諦めていたところ

日曜日に、ピッカピカのお日様マークが顔を出して来た 

そうなると、もう小学生が遠足の日の天気を気にするレベルで、ソワソワです

先週に続いて、山川(吉野川市)から倉羅峠、土須峠を越えて剣山スーパー林道へ

今日は、花の山として名高い砥石権現を歩きます



国道193号線倉羅峠(経ノ坂峠)を過ぎると、砥石権現の山並みが眼に飛び込んで来た

此処から眺める度、何時か歩いてみたいと気になっていた稜線です

前回高城山に登った時に確認していた、 剣山スーパー林道沿いの「東砥石権現登山口」

手前の広場に車を停めて歩き始めます

砥石権現は東西二つあり、1374.8mのピークが東砥石権現 通常砥石権現といえば東を指すようです

いきなり結構な急坂 適当に稜線へ這い上がる道がつけられたのかな?



ブナ、ヒメシャラ、シャクナゲ等、混交林の緑の海を泳ぐ  おっと! この倒木のゲートは潜ります

深緑の中で見つけた紅一点  大型で派手なシャクナゲの花は一輪でも十分な存在感がある



稜線が近付くと辺りは美形のブナだらけ、「ブナの純林」と言える森が広がっている

先週歩いた槍戸アルプスは、僅かにバイケイソウの緑に癒された灰褐色の稜線だったけど

この時期、山の色合いの変化は目まぐるしい 

今日の森はライトグリーンに包まれ、初夏の香りが漂っている

若葉が創り出す空気を圧縮し、ザックにいっぱい詰め込んで持って帰りたい

15分程で、「堂の窪」と呼ばれる稜線の鞍部に出る



「堂の窪」からは、緩やかな勾配の稜線を登って行く

 北には焼山寺山や東宮山 奥には吉野川北岸の山々等の展望が広がっている



満開したばかりのミツバツツジがあちらこちらで歓迎してくれる

「水恋沢」、なんてロマンチックな名前なんでしょう  是非、行ってみなくっちゃ!

カタクリ、アケボノツツジの自生地ですとの案内に従って、登山道を逸れ下ってゆく

可愛いピンクのカタクリは見えないけれど・・・もう時期は過ぎたのだろう 

花弁を落とした後の茎をよく見ると、小さな緑の実を付けていた 来年も元気に咲いてね〜

 

アケボノも既に遅し、地面にピンクの絨毯を敷いている

それでも、下って来た甲斐がありました  岩場から、高城山(1627.9m)が大展望〜♪

新緑前線は、頂上直下を走るスーパー林道辺りまで駆け上がっている

山全体が緑に包まれるのも、もう直ぐ お山から、歓喜の歌声が聞こえて来そうです

 

北側に開けた斜面にカタクリがチラホラ 特等席で名残惜しそうに展望を楽しんでいた

雑木に囲まれた砥石権現(1374.8m)  山名の由来は、砥石の原料となる石が産出されたことによるそうです

「岳人森1時間、ファガスの森2時間30分」の案内板がある

 

楽しみにしていたのが、山頂直下の岩場  稜線を東に少し下り案内板に従い右に逸れる

スーパー林道からもピンク色が沢山見えていたけど、最高のロケーションに咲くアケボノツツジ、見事でした〜♪

展望を楽しみながら暫し休憩(あまりに素敵なアケボノに、帰りもついつい足が向きました)  

アケボノの向こうに緑の海から頭を出す尖がり山は、西三子山(1349.0m)

 

正面に見える鹿舞ダキ山(かまだきやま)に向け下る 鞍部が「お休み台」と呼ばれる展望所

天気も好く、時間もたっぷりある ゆっくり展望を楽しみましょう

 

岳人の森からの道を合わせ数分で、鹿舞ダキ山(1300m)

岳人の森ルートは「砥石新道」といわれ、個人が30年ほどかけて整備したそうです

道は頂上から東の土須峠に向かって延びている 何時か歩いてみたい 

石室の中には、権現さんと思いきやマリア様のような優しいお顔の石像が祀られている

なんでも「森の妖精」と呼ばれているそうだ

妖精の側に腰掛けて、のんびりコーヒータイム

 

林床には淡いピンクのカタクリ ブナが優しく見守っている

「堂の窪」まで引返し、西砥石権現を目指す

 

緑色に染まり始めた林の中で、満開のミツバツツジの薄紅色が一際明るい

石灰岩が露出した尾根を行く この石が、砥石の原料なのかなぁ?

 

ちょっと一休み 北・東面には大展望が広がる 遠くは淡路島も霞んでいます

ほぼ一定勾配を登り切り、倒木を跨ぎながら頂稜を進むと西砥石権現(1457m)

北面には芽吹いたばかりのカラマツ林の緑が柔らかい

 

カラマツ林沿いを下り、少し登り返せば分岐点 ここから川井峠への道があるようです

此処まで来れば「ファガスの森高城」は近い 開けたところから眺める樫戸丸(1565.7m)



ブナに出来た大きなコブを恐る恐る触ってみる 裂けたらどうしよう

ブナ、ヒメシャラ、アセビ、モミなどの中の急坂を下ってゆくと、車の音が聞こえて来た

  今日出会った中で一番の大ブナ(3m65cm) ファガスの森に相応しい貫録です



本葉が開いたブナの赤ちゃん 蝶々の様な双葉がまだ残っている

ブナが一人前になるまで、凡そ40〜50年

成人した姿は見られないけど、緑の森の一員になるまでしっかり生き抜いてね〜

時折車やライダーが走り抜けるスーパー林道を、緑の日差しを受けながら歩いて登山口着


今日山中で出会ったのは2人だけ、見所が多い割には静かな山でした

岳人の森・観月茶屋で食事をし、「シャクナゲの里・岳人の森」を散策

満開のシャクナゲ、クリンソウ、シコクカッコウソウ、ヒメシャガ等を楽しんで、帰途についた

歩いた道  ホーム