2013年06月08日 ”三俣山”

大展望に酔いながら、緑とピンクに縁どられたお鉢を巡る



GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号



長者原(5:40)〜硫黄山道路〜(6:10)登山口〜(7:00)諏蛾守越〜(7:35)西峰〜(8:00)本峰(8:10)〜(8:30)北峰
(9:25)
南峰(9:40)〜(10:40)坊ガツル(11:10)〜(11:45)雨ヶ池〜(13:15)長者原       (7時間35分)


アケボノツツジとシロヤシオで大フィーバーした5月も終わり、ここらで一息と思っていたら

今度は海を越えて西からミヤマキリシマの便りが聞こえて来た

4年前に平治岳〜大船山の紅の海を泳ぎ十分満足していたが、九重山群にひとつ気になっていた山がある

長者原の正面にで〜んと構える三俣山 山群の展望台でもあり、お鉢巡りが面白いらしい

宇和島運輸フェリー八幡浜発20時30分に乗り、23時20分別府着 長者原を目指す

九重夢大吊橋近くにある24時間営業の温泉で温まり、これでぐっすり眠れるわと

(とても気持ちの良いお湯ですが、深夜のため管理人が居なくてちょっと落ち着きませんでした)

長者原駐車場に着くと車が溢れている なんとか駐車場所を見つけ、3時間ほど仮眠



早朝から、登山準備の人々で賑わうキャンプ場 次々に車がやってくるが、駐車場所探しは大変みたい

九重山群を見守る凛々しい姿のガイド犬・平治号に挨拶して、白水川に架かる橋を渡り硫黄山道路をゆく

15分程で車止めゲート 広くなった場所に車が2台停められ、お二人が登山の準備中



砂防ダムを過ぎた所に「すがもり越コース」と書かれた標識が有り、其処から登山道に取り付く

火山特有の赤茶けた道の傍らには、可愛いイワカガミやツガザクラ 勿論、本日の主役・ミヤマキリシマも咲いています

登山道に取り付いてから25分程で、硫黄山道路に再び合流



目の前に荒涼とした硫黄山が迫ってくる 心配していた噴気は少なく、臭いも気にならない 「ホッ!」

ガスが出たら迷いそうな場所だけど、所々に黄色いペンキで○や→の道標が描かれている



溶岩のガレ場を登りきった所に、石造りの諏蛾守越避難小屋と「愛の鐘」が建つ

傍らに「大いなる 九重の山に 若人の ゆめまもりてと いのる鐘なる」の歌碑

三俣山は初めて、安全を願って高らかに鐘を鳴らします

「宜しくお願いしま〜す」

小休止後、ワクワクしながら登ってゆく  それにしても結構な急坂です 

 

ミヤマキリシマに覆われる西峰東斜面の奥、凹んでいる所が西峰と本峰との鞍部

稜線の大岩付近は、イワカガミ、マイヅルソウ、ツガザクラも満開♪

西峰はすぐ其処なのに、咲き誇る花々に呼び止められて、なかなか先に進めない

西峰と反対方向へ写真を撮りに行ったグランパも、なかなか戻って来ないと思ったら

紅色に染まる斜面から、以前歩いた北千里ヶ浜を感慨深く見下ろしていたそうだ

西峰(1678m)から、ミヤマキリシマが点在する登山道を緩やかに下ってゆく



鞍部から、本峰に向かって登り返し高度を上げてゆくと、背後に雄大な光景が広がる

先程立っていた西峰の奥に、荒々しい姿の星生山 左に眼を振れば、九重山群の盟主・久住山(1786.8m)



紅色に酔っていたら、あっという間に本峰の肩  ここがお鉢巡りの起点 右(反時計回り)はW峰へ

起点を左にとり、5分で三俣山本峰(1744.7m)


小休止後、大鍋の縁を辿って北峰を目指す 下り始めから、いきなり急坂!

ロープや木の根を掴んでシャクナゲ林を下りてゆく

石楠花谷の 三俣山   花を散らしつ 篠分けて〜♪

  湯沢に下る 山男    メランコリーを知るや君

頭の中に坊ガツル讃歌のメロディーが流れ鼻歌が出る所だけど、残念ながらシャクナゲは終盤



北峰との鞍部は薄紅色の海〜♪

遠く西に見える姿の美しい山は、玖珠富士・涌蓋山(1499.5m)だろう

直ぐ真下に見える山が、指山(1449m)だとすると(写真には写っていません)

長者原温泉群らしき建物が裾野に広がる尖がり山は、上泉水山や下泉水山なのかな?



鞍部から北峰への登り返し ミヤマキリシマに癒され、最近の株価の様なアップダウンもさほど苦にならない

本峰から20分で北峰(1690m) たおやかな北大船山の稜線がピンクに霞む
 


北峰を下りながら眺める、 平治岳〜大船山 左には由布岳が霞んでいる

折角、平治岳の頂上部が真っ赤に燃えているのに・・・あぁーあ、日差しが欲しい!!!

北峰から「正面の岩に上れ」と声が飛ぶ  そんな事言われてもねぇ よう上がりませんでした



北峰を振り返れば、緑の中に一際鮮やかなピンク色が浮かんでいる

左真下は雨ヶ池 写真では分かり難いけど、遊歩道にはたくさんの人、人、人

平治岳と大船山の鞍部・大戸越(うとんごし)も、そろそろ渋滞が始まった頃かな?



ジェットコースターみたいな本峰と北峰のキレットを振り返る

さらに下って、緑に包まれた小鍋の縁をゆく

周りはツクシドウダン、シロドウダン、ベニドウダン、ヨウラクツツジがいっぱい

真っ赤に燃え上がる秋は、さぞや見事だろうな



雨ヶ池に下りる道はロープが渡されている

帰りに歩いた雨ヶ池遊歩道脇に

「植生保護および事故防止のため小鍋〜雨ヶ池は通行をご遠慮下さい」との表示板がありました

最後の南峰に向かって緑の海を潜って行く

南峰手前で、ソロの男性が追い付いて来た 本峰から南峰までに会ったのはこの方だけ

どこからともなくドーンと、お腹に響く音が聞こえてくる エッ!、硫黄山の噴火?

後から聞いた話では、どうも自衛隊の演習の音らしい 脅さんとって下さい



本峰から1時間15分で南峰(1743m) 5,6人の方が休憩中

突き出た大岩の上で大展望に酔っていたら、西峰へ向かう行列が眼に飛び込んで来た

この時期、人気の的は平治岳・大船山とは言え、 静か過ぎる三俣山だと思っていたけど

未だ、9時半頃、 あまり人に会わなかったのは、歩き始めの時間がちょっと早かったんだ



W峰を踏めばお鉢巡りは完結するけど、南峰から真下に見える坊ガツルまで、標高差500mをダイレクトに下る

ずんぐり斜面の向こうが見えないけど・・・どうなっているんだろうか?

まぁ、危ないと思ったら登り返すことにしよう

下りようとしていたら、昔は訓練をかねて坊ガツルからよく登ったと言われる方に

「歳も僕と同じくらいで、そんなに若くもなさそうだし(ガクッ)、危険だから止めた方がいいですよ」と

真顔で引き止められたが、少し下まで様子を見て来ますと下り始める

露岩と黒土の道で歩き難いが、ルートは案外確りしている

垂直の壁が待ち受けているのかと心配したけれど、大丈夫でした 



誰にも会いそうに無いわと思いながら下っていたら、4人のグループの方が登って来られた

「上りも下りもしんどいですねぇ」と言葉を交わし、すれ違おうとしたら「アレー!」でした

こんなマイナールートで、カタックリさんやクラブの人に出会うと言うのも不思議なご縁です

坊ガツルでテント泊して、明日は平治岳〜大船山だとか 「またお会いしましょう」



何とか転ばずに、 ズルズル滑る黒土の急坂から解放され、坊ガツル九州自然歩道に下り立ちました

ヤレヤレ  ブレーキをかけながら下るのは、やっぱり疲れます

出来れば、平治岳もな〜んて甘い考えは、とてもとてもです

未だ11時前なので時間的には十分余裕なんですが、鳴子川畔のベンチに腰掛け眺めただけ

この頃、ダーリンさんやゆ〜ちゃんは大船山に向かわれており

toshiさんご夫妻は、平治岳のピンクの絨毯を満喫されていたそうです

遥か九州の地で、お互いミヤマキリシマを愛でながらの超ニアミスでした

 

雨ヶ池でも綺麗に咲いていました ピンク色はここで見納め

正面に先程歩いた北峰を見ながら下りてゆく

三俣山は、どの方向から見ても三つの峰が見えることから名がついたそうだけど

此処からは近過ぎて、ちょっと雰囲気が違うかな

 

雄大な景色の中、咲き誇るミヤマキリシマに感動し、そのうえブナの新緑に癒され

おまけに双葉を付けた赤ちゃんにまで出会えました くじゅう山、ありがとう! 

満足感に浸りながらも、長者原までこんなに長かったっけ?と思いながら

タデ原の木道を歩き終え、三俣山を振り返る 薄い雲がかかり始め、天気はどうも下り坂

三俣の尾根に 霧飛びて   平治に厚き 雲は来ぬ〜♪

  峰を仰ぎて 山男   今草原の 草に伏す



天気予報を見れば、明日は午前中から雨

由布岳のミヤマキリシマも見てみたいけど・・・さて、さて、どうしよう?

北の方は雨の心配はなさそうだし、気になっていた伯耆大山三ノ沢へ行ってみようか

三俣山を眺めながら露天に浸かり、食事もし、お土産も買った

忘れ物ないね〜  さぁ、600Km 頑張って!

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