2013年07月20日  ”三 嶺”


テキサスゲートを抜け、雲上に広がる緑の庭園へ


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号



名頃登山口(6:50)〜(7:25)林道〜(8:25)平尾谷コース合流〜(9:40)三嶺頂上(10:20)〜避難小屋
(10:50)〜(11:25)平尾谷コース合流〜(12:35)名頃登山口            (5時間45分)  



2013年盛夏 どこにいても暑い! 

平均気温が上って来ているのか、あるいは適応力が落ちて来たのか

年々暑さが堪えるようになって来た 

こんな時、エアコンも捨て難いけれど、やはり山の空気を吸うのが一番

草いきれの低山より涼風吹き抜ける高山へ、とはいうものの案外この時期選択肢は狭い

先週来、足に少し不安があるが、今日は久し振りに秘境租谷に聳える貴婦人・三嶺を歩きます



名頃登山口駐車場すぐ手前の道路真ん中に、ガイド犬シロが寝そべっている

「そんな所で寝たら危ないよ」 声をかけても起き上がろうともせず、もうガイドする気が無い様だ

駐車場には4台ほど停まっている 内1台のご夫婦が出発された 三嶺林道を進み平尾谷コースを上るそうだ

平尾谷コースは荒れているそうだし、尾根ルート(新ルート)を上る

林道入口左から登山道に入り、うっと暗い林の中を5分ほど歩くと一瞬視界が開け、左下に発電所が見える

展望の無い尾根通しの一本道を、足に負担をかけないように歩幅を小さく、ゆっくり高度を稼いでゆく

と言っても普段から小さい一歩なんで、まどろっこしいほどの歩みです



30分余かけて、やっと林道に出会う 林道を少し奥に進み、右手から登山道に復帰する 

相変わらず混交林の中の退屈な道が続く 何かアピールするものは無いの?

あっ! 今の言葉は取り消し ちょっと小振りだけど器量良しのブナ♪

茶色い林床に色んな葉形の実生が育っている 下草が復活する前に、どんどん大きくなってね



鹿から樹木を護るための防護ネットの間を進んで行くと、登山口から1時間30分ほどでP1517 

この辺り一帯がダケモミの丘と呼ばれる成地 周りは整然と立ち並ぶダケモミだらけ

久し振りに懐かしいダケモミの丘を歩きながら、その昔友人たちと賑やかに山頂を目指した事を思い出す

林道終点からの省エネコースは左からここ(写真左)に出たが、通行止めのテープが張られていた

ダケモミ林を縫うように緩やかに下った所が、平尾谷コース合流点

ザックを下ろすと背中が汗びっしょり 冷やした西瓜を食べながら、小休止

平尾谷コース入口に、「注意 この地点から三嶺林道へ下る登山道は台風で荒れています。

下山時はスリップや道迷いに十分注意してください。また尾根伝いの新ルートもあります(徳島県)」との表示がある

此処までどうやら足も大丈夫そう 山頂まで後1時間ちょっと、頑張ろう



林床の下草が枯れているので道迷いが起きやすいのだろう、道の薄い方向転換点に標識が設置されていた

土色の登山道を進むと、緑々したカニコウモリの群生  心なしかほっとする

この辺りで、ソロの方が下りて来られた 「早いですね〜」

暫くして、追い付いてきた若い方が、爽やかな風のように軽やかに登って行った



足下がネットで保護されているマユミの古木

ダケモミが終わりダケカンバが目立ってくると、そろそろ森林限界 一気に展望が開けて来た

ガレ場から振り返れば、抜けてきたダケモミの森が見える



ミヤマクマザサの登山道になると、頂稜部を支える露岩が頭上に迫って来る

国の天然記念物に指定されているミヤマクマザサとコメツツジ群落を、鹿の食害から護るため

頂稜部が防護ネットで囲われている

大岩直下のテキサスゲートを渡れば、天空の楽園はもう直ぐ〜



頂上台地に飛び出せば目の前に、周りの緑を映す山上池

えくぼにも例えられそうなこの小さな池が、貴婦人の品格を一層高めている



コメツツジの花を少しは期待していたんですが・・・ほぼ終わっている 残念

もう頂上は目の前 急ぐ事も無いと、の〜んびり雲上散歩を楽しむ



振り返れば、気品ある緑に包まれた頂上稜線

三嶺の印象を漢字一字で表現すれば、「雅」だろうか? そんな優雅さがこの山にある



イワキンバイやシコクフウロ等をぼつぼつ見かけるが、赤石ほどの種類や群生は無い

三嶺の魅力はなんといってもミヤコクマザサの緑と、大自然のど真ん中から見渡す大展望



三嶺(1893.4m)頂上 西は西熊山、天狗塚へと続くたおやかな稜線

先程追い越して行かれた若い方かな? 緑に溶け込みながら気持ち良さそうに歩いている

吸い込まれそうな稜線を目の前にして、もう少し西まで足を延ばしてみようかという気にもなるのが普通ですが

そこは軟弱夫婦、足が嫌がって一歩が出ません 今日は此処までにしとこか



遥か東には山系の中心街、剣山、次郎笈の兄弟峰 

三嶺(みうね、又はさんれい)の名は、頂稜部から派生する3本の畝に由来する その一つが剣山へと導いてくれる

誰も居ない頂上で40分ほどのんびり食事休憩

 

トンボが舞う姿を見ると、真夏が来たばかりだというのに山の秋はもう近いと感じる

下山していたら、登山口で会ったご夫婦が登って来られた 「山頂は、貸切ですよ〜」

山上池手前で笹原に入り、庭園散歩  あれっ? これは鹿の落し物

防護ネットをどうやって潜り抜けて来たんだろう



 あの窓は意図して作ったんかな?

そんな遊び心が伝わって来る、笑顔が可愛い避難小屋



笹原で咲くホソバシュロソウ、紫がかったチョコレート色であまり目立たないが個性的

爽やかな風に吹かれ雄大な緑の笹原、十分満喫〜♪ さぁ帰ろう 

「コメツツジも終わったからか、今日は静かな三嶺だったねぇ」と下りていたら

マユミの木を過ぎた辺りから数組のパーティー、下山までに20人弱の方にすれ違った

12時、林道へ下り立つと、風も無くなり暑い 途端に汗が吹き出してきた

水分補給、塩分補給(グランパは煙分補給?)しながら休んだ後、「後、30分」と登山道に入る

汗びっしょりになって駐車場に帰って来た

「足は大丈夫だったんか?」 「あれ、忘れとった・・・」

歩いた道  ホーム