2013年11月17日 ”天行山・東宮山”


伝説に想いを馳せながら、静寂のブナの森を歩く


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号

川井峠(7:40)〜(8:20)天行山〜(8:45)東宮山直登・トラバース分岐点〜(9:05)東宮山(9:20)
(9:30)
東宮神社〜(9:50)東宮山直登・トラバース分岐点〜(10:35)川井峠   (2時間55分)


今春、桜の時期に歩こうと計画して延び延びになっていた、天行山・東宮山

桜が散り、青葉に覆われた夏も過ぎ、桜紅葉も終わって、やっと機会が巡って来た

山頂付近のブナはもう葉を落として冬支度、かと言って霧氷も無いだろうから

お山としては、今が一番地味かもしれないなぁ



自宅を5時半過ぎに出発 穴吹からR492を走り、清流穴吹川を遡る 渓谷沿いの紅葉が素晴らしい

木屋平村川井で左折、枝垂れ桜で有名な川井峠に7時半に到着

川井峠より剣山方面を眺めれば、朝焼けの山々がくっきりと浮かび上がっている

思ったより好い天気です 展望のある内に早めに周回してこよう

準備をして鳥居を潜り、歩き始める

桜の頃はごった返すほどに賑わう「白い神様」も、閑散とした佇まいだ

枝垂れた枝先をよく見れば、小さな小さな冬芽がプツプツ 来春も素敵な花を咲かせてね〜



境内を抜けると、直ぐ分岐 先ずは天行山を目指し直進し、右の尾根ルートから下りて来る予定です

天行山の大師堂まで参詣される方が多いのだろうか、確りした横駆け道を快適に歩いていると

目の前に突然現れた大岩壁  朝の冷気が漂う中、ちょっと不気味な雰囲気です



歩き始めて10分ほどで、また分岐 右は稜線鞍部に出るようなので直進します

ほどなく左から落葉で埋もれた垂直に近い石段道が合わさり

立山に 石段築く 八町を  大師一夜に 設けしとなり  と刻んだ石碑が立っている



途中、数少ない展望場 紅葉の向こうに穴吹川上流域、最奥に剣山が霞む

へつりを縫うように登山道が続き、何やら修験の山を思わせる



頭上に天行山窟大師堂が見え出し、石段を上るとベンチが置かれた境内に飛び出す

弘法大師が修行されたと伝えられる石窟があるそうだけれど・・・

岩壁を背に並ぶ石仏の中に、塔婆だろうか?まるで大太刀のように鋭く天を突く石が立つ

天行山三十三霊場?の石碑や小さな祠を抜け、岩壁の背後に回り込むと急斜面が立ちはだかる

落葉で不明瞭な急坂を頑張れば、頂上は間もなく



大師堂から10分弱で、天行山(あまぎょうさん 925m)

 山頂とは言っても、アカマツやヒノキに囲まれていて展望は悪い

細長い石積みに小さな山頂標識が置かれているが、昔は此処に祠が祀られていたのだろう

小休止して東宮山を目指す 木々の向こうに尖がり頭が見える 最後の登りがきつそうだ



登山道沿いの見事なアカマツ 中には大岩を抱いたアカマツもありその逞しさに圧倒される

植林帯に入って暫くして、右下から川井峠からの道が合わさる

東宮山・東宮神社へ行ってから此処まで引返し、川井峠に下山する予定



イノシシに掘り返された道を歩き、植林帯を抜けると廃林道に飛び出す

標識に従い左に進んで行けば、2分程で東宮山直登とトラバースの分岐がある

迷わず直登ルートを進んだら、尾根に近付くにつれ転がり落ちそうな急坂! 

ちょっとの距離だったけど、あ〜しんどかった



痩せ尾根の先、頂上手前には風格あるブナの森が広がっている

 色白ブナに彩りを添える紅葉も素敵で、頂上が目の前だと言うのになかなか進めません

 春には清楚なタムシバも咲き誇るそうだ 綺麗だろうな〜

南には砥石権現、高城山、樫戸丸 あちらから東宮山を見れば気になる尖がり山です



東宮山(とうぐうさん 1090.5m) 石壇に鎮座する東宮御所神社奥宮

祠の背後、小高くなっている所に設置された三角点の東側に同じような祠が祀られている

神山町と木屋平村がそれぞれお祀りしている祠だそうだ

狭い山頂に二つの祠が背中合わせに並んでいるって、何か曰くありそうです

謎解きは休憩後という事で、先ずは温かいコーヒーとバウムクーヘンでお茶にしましょう



静か過ぎる山頂は寂しいので、お茶が済めば早々と下山です

10年以上前、未だ薄っすら雪が残っている時期に神社まで車で上がり頂上をピストンしただけだから

記憶も当てにならないけど、こんな痩せたところあったかしらん?

ブナの森を下って行くと、林床に落葉をかぶった石組みの祠が二つ寄り添っている

元々は両村で一緒に祀っていたけれど、宝暦4年(1754)に起きた流血事件が原因で

別々に祀られるようになったとか、祠の前で神輿の喧嘩も行われていた時期もあったそうだ

流血事件とは穏やかでないが、一体何があったんだろう?



目にも鮮やかなシロモジの黄葉 落葉が敷き詰められた明るい道をルンルン気分で下って行くと神社の屋根が見え出した

ステンレス製の鳥居の奥に祀られている春宮神社は木屋平村側で、御祭神は土御門天皇、後嵯峨天皇

因みに、神山町側に祀られている東宮神社の御祭神は天照大御神、国常立命の二神

奥深い阿波の山の歴史を紐解けば 、1185年壇ノ浦の戦いに敗れた平家落人伝説が其処かしこに残るが

此処もまた安徳天皇の御在所を構えたと伝えられ、御所神社と呼ばれている



東宮神社境内南奥の小屋横から登山道に入ると、直ぐ広い道に出る

ところが、倒木で塞がれる等かなり傷んでおり、沢筋ではとうとう道が不鮮明になってしまった

瓦礫の沢を過ぎ尚も進んで行くと、植林帯の手前に「←川井峠 東宮神社→」の標識

標識から登り坂10分で直登コース分岐点  ヤレヤレでした



分岐点からは、先程歩いた道を川井峠分岐点まで引返し、峠に向かって下る

稜線鞍部に右へ下る分岐が有り、目の前に大きなコブが現れた 分岐を下れば近道のようだが

あえてコブの左山腹をトラバースし峠を目指す 道の薄い所やオーバーハング気味の箇所もある

植林帯に入ればもう大丈夫と思ったら、あらら、倒木がとうせんぼ

もう少し足が長ければ楽なんだけど、「よっこらしょ」



杉林の向こうにTV局の施設が見える 道は右へ振り戻し坂を下ると朝歩き始めた道に合流

天気は下る予報だったが、青空が広がりまだ剣山が綺麗に見えている

川井峠からは大展望、落葉が降り積もった晩秋の登山道、謎めいた伝説が残るブナの森

3時間足らずでしたが、コンパクトないい山でした

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