2013年11月23日  ”佐々連尾山・大森山”

古地蔵佇む予土の峠道から、笹原広がる天空の稜線を歩く


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)(佐々連尾山から坂瀬林道分岐までの下山ログは、電池切れのため手書きです)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号

(8:10)〜(9:25)登山口(9:30)〜(9:55)中之川峠(10:05)〜(11:30)佐々連尾山〜(11:50)岩場・食事休憩(12:10)
(12:35)
大森山・ブナ散策(12:55)〜(13:30)猿田峠〜(13:55)白髪トンネル口〜(14:35)P        (6時間25分)


高山の紅葉もほぼ終わり、冬枯れの森を落葉を踏みしめて歩く季節になって来た

ところが、週半ばに例年になく早い寒波でおといこさんも一気に冬山模様 

今季初の雪山歩きもいいなぁ〜と、思いつつも

今日は、雪が深くなる前に予土の県境尾根を歩き、気になっていたブナに会ってきます

白髪トンネル越えの道路の凍結が心配で、土佐町から登山口を目指したら途中で通行止め

あらら! (通行止めの標示はありましたが、行ける所までと思い)

県境尾根が近くに見えるので坂瀬林道起点はそんなに遠くないだろうと、ゲート手前に車を停め歩き始める



通行止めのゲートから10分弱で、坂瀬林道起点

この上ない登山日和、佐々連尾山・大森山の稜線が冬晴れの空にくっきりと線を引く

もう少しであの稜線を歩けるのかと思うと既に天女の気分、林道歩きも苦になりません



起点より4km、あと少しかな  気温は高くないが、背中が汗ばんで来た

歩き始めて1時間15分、やっと登山口 (林道は右に延びているが、ゲート有り)

 水分補給しながら暫く休んで、登山道に入ってゆく 入口は茅が煩わしいがすぐ歩き易い道になる



何時の頃から、伊予と土佐を結ぶ道として往来されていたか定かではないが

明治の初めには「和紙の道」として重要な働きをしていたようだ

往時を偲ばせる苔生した石畳を踏み、ゆっくりと登ってゆく

途中、林道を横切る この林道は、後で出会うあすなろ峠から更に奥まで続いていた

薄っすら雪が残る雑木林を抜けると、一気に視界が広がり中之川峠に飛び出す(1,222m)

峠で微笑やかに迎えてくれた三界万霊のお地蔵様は、明治二十二年四月八日建立となっている

お地蔵様の側に小屋跡らしき大きな石積みが残る



峠の北斜面に広がる明るい森 其処は噂に違わぬ素晴らしいブナの森

思い思いに寛ぐブナに誘われて、暫し佇む



とは言え、何時までも留まってはいられない これから佐々連尾山・大森山を越えて猿田峠に向かわなければ

峠に設置されている「れいほくネイチャーハント」の道標に従い、稜線を西に進む

スズタケが深いが道はしっかりしている 1244mのコブを越えると林道に出る ここはあすなろ峠と言うそうだ


 
尚も北面のブナ林に林道が延びている 何処まで続いているんだろう?

峠からゆっくり高度を上げてゆく 1392p手前のやや急斜面には、次世代を担うブナの若木が並んでいる 

先程まではスズタケの海を泳いだり潜ったりだったけど、背丈の低い笹になり歩き易い

 

1392pで一休み 南は高知県中部の山が全て視界に入る大展望  ピークから獣道程度の縦走路を下って行く

二重山稜のなだらかな斜面でブナたちが寛いでいるようだ その柔らかな風景を眺めているだけで、心癒される

 

快い日差しを浴びながら、扇の稜線を進む

振り返れば笹原の向こうに、ついこの間登ったカガマシ山(1342.7m)


 
佐々連尾山山頂が近付くと、北に翠波峰(892.5m)が見え出した

春は菜の花、初秋にはコスモスが咲き乱れる当市の観光名所・翠波高原が一望の下です

中之川峠から1時間25分かかって、佐々連尾山(1404.3m) 思ったより遠かった

北側には元禄2年に開山し、昭和54年閉山するまで優良鉱山として活躍した佐々連鉱山がある

グランパが高校生の時、佐々連集落から登ったそうだけど、格別な記憶も無いそうです

そりゃそうですよね もう半世紀も前の話ですもの

余談ですが、その頃は鉱山も全盛時代 山間に子どもたちの歓声が木魂していたに違いない

記録に拠れば、伊予三島市立佐々連小学校・昭和38年度児童数は12学級、486名だったとか

その後、鉱山閉山とともに児童数は激減するが、昭和53年の廃校まで学び舎の灯を灯し続けていた



大森山に向け、天女になって大パノラマの稜線を進む 山歩きの醍醐味満喫〜♪



西には穂高連峰と見紛う岩の殿堂、峨蔵と赤石の山系

南には奥工石山(1515.9m)や白髪山(1469.6m)が汗見渓谷からせり上がっている



西の吊尾根をズームすれば笹ヶ峰が一際白い 11月にこれほど白くなるのは珍しいんじゃない?

今日は最高の雪山日和、新雪を楽しむ登山者で賑わっているかもしれないなぁ

それに引き替えこちらは静かすぎる 前後に人の気配は無い

この稜線は、ブナが芽吹き、アケボノツツジやシャクナゲが咲く5月がお薦めでしょう



途中の岩棚で日向ぼっこしながら、温かいビーフシチューのお昼にしましょう

大展望が何よりのおかず、何時もよりおにぎりも進みます

さぁ、ザックも軽くなったし出発です



遠目にはなだらかに見えた稜線も歩いてみれば少々のアップダウンがある

雪が残る北面のロープ場2箇所をクリアすると大森山が近くなった

 

シャクナゲの斜面から歩いてきた稜線を振り返る

右奥の剣山系に雪は見えない 今回の雪はかなり局地的だったようです



法皇山脈の向こうに瀬戸内海 観音寺の街が薄っすら見える 遥か伯耆大山もと思えるほどの上天気

小さなコブを駆け上がると今日の最高点大森山(1433m) 葉を落とした木々の間から佐々連尾山を振り返る



二人だけでは申し訳ないほどの大展望です さぁ、もうこれからは下るのみ

と、その前に大きな目的が残っている



北側の緩斜面はブナの楽園 赤星山を従え最高のロケーションに陣取る大ブナ三姉妹

青空に大枝を広げどっしりとしたその姿は、目通り3.75mとは思えない程の迫力がある

中之川峠から北斜面をきょろきょろ見ながら歩いてきたが、おそらくこのブナが一番大きい

大森山のマザーツリーと呼ばせてもらいます

天辺から佐々連鉱山の栄枯盛衰を300年以上見つめてきた生き証人です



勿論、 今日の主役はブナですが、空と雲が名脇役を演じている

自然は偉大なアーティスト 真っ青な空に西から晩秋を惜しむかのように筋雲が流れ来ては消えてゆく



境界杭(?)が打たれている小さなコブからは激下りが待っている

鞍部(猿田峠 1137m)に見える送電線鉄塔まで標高差300m弱を一気に下ります

峠から西にうねる四国の脊梁 美しい娘伝説が残る玉取山(1330m)、黄金伝説の兵庫山(1303.1m)など 

何時かは歩いてみたい気もするけど、グレードの高い藪漕ぎはたぶん無理でしょう



垂直に近い急坂は設置されたトラロープを頼りに、転げないように慎重に下ってゆく

極めつけの大岩下りを過ぎると少し増しになるが、かなり腕力も要りました(翌日は脇腹が痛かった)

 

鉄塔手前で、笹藪の中の踏み跡を下る(鉄塔まで行った方が良かったかも)

すぐ鉄塔巡視路に出て、植林帯を10分程下ると「佐々連尾山へ」と書かれた道標がある



大雨で崩壊している箇所もあったけど、何とか白髪トンネル高知側入口に出た

後はのんびり紅葉や辿った稜線を眺めながら車道を歩き、駐車地点まで帰って来た


最初の林道歩き、最後の車道歩きを合わせたら2時間  ちょっと長かったけど天気は最高

冬麗の爽やかな空の下、貸切の大展望とブナの森、何とも贅沢な山行でした

(参考文献 「予土の峠物語」 妻鳥和教著)

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