紅葉に浮かれる気持ちを引き締めるかのように、一昨日(28日)松山に初雪が降った
例年より23日も早く、11月に降雪が観測されたのは35年振りだとか!
昨夜(29日)の冷たい雨は、また山に雪を降らせた事だろう
先日来、右足の付け根が痛く、今朝もこむら返りを起こしたから、ちょっと心配なんだけど
真っ白い雪道の誘惑には勝てない ゆっくり歩けば大丈夫よと、ブナ林散策も兼ねて皿ヶ嶺へ向かう
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県道23号を進み、鉄塔No.156側の広い路肩に駐車(事情があって香川ナンバーのレンタカーです)
寒々とした皿ヶ嶺を眺めながら準備をしていると、通りかかった地元の方が「今朝は冷えるぞね」と心配そうに言われた
ホッカイロを両ポケットに入れ、県道を少し引返し、「赤柴峠100分、水の元55分」と書かれた道標に従い農道を歩き始める
10分弱で、鉄塔No.155の分岐 下山時歩く予定の「瞽女石経由皿ヶ嶺近道」を左に分け、赤柴峠(右)を目指す
あらら、昨夜の雨で飛び石が水没 ほんの少しの距離だけど、この冷たい日にザブザブという訳にもいかず
石を何個か積んで足場を確保、少し靴を濡らしたものの無事通過です
舗装道路に出て暫くすると、赤柴峠登山道入口の標識
目指す皿ヶ嶺は遠いなぁ、稜線付近は冬の装いだけどこの辺りはまだ秋が残っている
鬱蒼とした植林帯の中、早速のジグザグ坂を気合を入れて登ってゆく
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標識から10分で鉄塔No.154が建つ開けた台地に出る 奥の尖った所が赤柴峠
よく踏まれた植林の急坂を頑張り、道がトラバースし始めると四電が設置したステンレスの橋が架かる
この鉄塔巡視路が無ければ、このコースは歩けない 有り難いことだ
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鉄塔No.153からは松山の市街地が一望出来る
鉄塔巡視路を右に送り、尾根から分かれ急斜面につけられた狭い登山道をゆく
上から雪の塊が落ちてくるし、下からは鉄砲の音が聞こえて来て何となく落ち着かない 早く峠に出たいわぁ
862pで枝尾根に出て、積雪が次第に増して来た急尾根をひたすら頑張ると、右が自然林になり明るくなって来た
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2時間近くかかって、やっと赤柴峠に飛び出す ヤレヤレ
此処が上林から久万へ越す最短路である
当時は、上林の人たちが久万町へ、山仕事に使う土佐の打刃物を買うのによく通っていたそうだ
折角だから、引地山を往復して来よう 西に高い所は見えないけど?と思いながら4分も進むと引地山(1026.8m)
その昔は道後平野も良く見えていたそうだけど、今はカラマツやクロマツが成長し視界を遮っている
展望の無い頂上は、即Uターンし赤柴峠で小休止
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赤柴峠から20分程進んだ笹藪で、大ブナが呼んでいるではありませんか!
ウエストを測らずに通り過ぎる訳にもいかず、スズタケに乗った雪を叩き落としながら側へ 4m65cmでした
根元近くは裂け始め、枝を覆う寄生木が気になりますが、久々に4m超ブナとの出会いです
所々で寄り道しながら、ルンルン気分で明るいブナやカラマツの林を進んで行く
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1058pを過ぎたところに立ちはだかる急尾根 迂回路もあるが、さてどうしよう
古地図には、面白嶽と興味をそそる記載もあり、グランパは行きたそうだけど・・・
でも、ちょっと足が心配 雪も深そうだし、岩は冷たいだろう やっぱり止〜めた
迂回路を進み崩落しそうな大岩の側を抜ける 右下は、久万スキーランド(12月1日オープン)です
作業道が交わり、登山道を雪が隠しているが、とにかく尾根に向け斜めに登って行く
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分岐から25分で尾根ルートと合流 再び北面のブナ林を覗きながらゆっくり高度を上げてゆく
風穴への道を左に分け進むと、十字峠手前で雪化粧された株立ちブナ(3m80cm)
本格的な冬を前にブナ林は越冬準備の時期だけど、早過ぎる根雪に少々戸惑っているかもしれない
辺りには同じような姿のブナが何本か見える 雪の華が咲き、素敵〜
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十字峠 此処から皿ヶ嶺山頂までは、あと500mほど
名前の通り、左から竜神平からの道が合わさり、右に六部堂への道が続いている
今年初の霧氷や、深くなってきた雪の感触を楽しみながら、山頂へ向かう
確か山頂手前のこの辺りに三角点(1270.5m)があったと思うんだけど、雪に隠れて見えない
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面白嶽の急登は敬遠し、のんびり歩いたので汗もあまりかかずに皿ヶ嶺山頂(1278m)
でも、予定より1時間近くオーバーしてしまい、何時の間にか雲が広がっている
雪が乗ったベンチの側で、立ったまま食事休憩
十字峠手前でお会いした方が、畑野川コースを下り竜神平に出られるというのを見送り
下山しようとしていたら、入れ替わりに3人の方が到着され登山者が絶えません
皿ヶ嶺は、市街地の郊外にあり手軽に雪山気分に浸れる山です
山頂直下の森に入り、ブナ散策〜♪ 大ブナ(4m20cm)の向こうには、ほっそりした美人ブナが並んでいる
石鎚が見えれば言う事無いんですが・・・残念!雲の中です
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吹き溜まりの谷筋を慎重に下り、広々としてお皿の様な竜神平に出る 日が差して明るい〜
ブナ林を背に愛媛大学山岳会の竜神小屋が建っている
一般登山者の便宜をはかるため、昭和34年10月に建てられた小屋は、山岳部員30人が10日間かけて
六部堂から資材4トンを背負って運び上げるなど、1年半かけて造られたという(2010年夏、リニューアル)
ストックが2本入り口付近に見える、何方かが休まれているようだ
予定では竜神平を横切り、急階段を下って上林峠経由で水の元へ下りる積りだったけど
時間は既に1時を回っている 3時には駐車地点に帰りたいので、風穴経由で下ることにする
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八大龍王が祀られている祠 龍は水の神様、昔は雨乞い行事が行われていたそうです
思い思いに両手を振り上げ、まるで阿波踊りを踊っている様なブナを見上げながら森を抜ける
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ベンチの側には、役目を終え土に還ろうとしている通称「ブナ爺」と「ブナ婆」
誇らしげに枝を伸ばし木陰を作っていた頃の姿を思い浮かべ、その長い年月に想いを巡らした
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上林の棚田がスポットライトを浴びて輝き、綺麗〜♪
呑気に歩いていたら、ちょっと危なげなところも出て来ました
トラロープが渡されているけど、朝一で歩かれた方は大変だっただろうな
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ジグザグと下り手摺が見え出したら、間もなく綿帽子を被ったパワースポット・風穴です
駐車場まで下りて来たら、お祖父さんに連れられた幼い子がそり遊びに興じていた いいなぁ〜
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三叉路(右は上林トンネルへ)に水の元への下山口(白い看板の裏)がある
ここからよく整備された登山道を下りてゆく ずっと植林の中で展望は無い
取り付きから10分、夏場にソーメン流しで賑わう水の元に出る
この後は、5回県道を横切りながら駐車地点まで登山道を下ってゆく
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1回目、 水の元の車道を横切る(広場に2台駐車) 2回目、下り口はガードレールの右端です
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3回目、雪が融け出した車道を横切る その直ぐ下が4回目、近くの路肩に2台駐車 (写真省略 )
4回目に車道を横切ってから登山道を7分下り、そのままコンクリートの広い作業道に出て5分歩けば5回目(右上の写真)
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登山道に入って直ぐ、哀しい言伝えが残る「瞽女石(ごぜいし)」がひっそりと佇む
石碑に刻まれた由来に拠れば、平家ノ残党多田蔵人ノ妻女 ソノ夫ヲ慕イテ此処ニ来タリ
泣キ暮シテ盲目トナリ遂ニ泣死化石セシト云フ 尓来此石ヲ瞽女石と称ス (伊予温故録)地元に残る別の言い伝えでは、昔、上林部落で行き暮れた瞽女が何処にも泊めて貰えず
仕方なく上林峠を越えようとしたが、此処で飢えと寒さのため倒れ石になったと伝えられる その当時は、馬も通る街道だったそうだが、今は石ころだらけの狭い道 登山者ぐらいしか通らないのだろう
程なく鉄塔No155の側を通り抜け、農道に出た所が赤柴峠コースとの分岐
後はのんびり歩いて、予定通り3時前に駐車地点に帰り着く
心配していた足は不思議と痛みも無くなり、程よい疲れがあるくらい
登山口までのアクセスが楽で、コースも多様 道標も設置され、雪も楽しめる
どの山に登ろうか?と迷った時は、皿ヶ嶺 そんな気軽で勝手のいい山でした
(参考文献 「愛媛の山と渓谷 中予編」愛媛大学山岳会編 & 「東温アルプスガイド」東温市観光協会発行)
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