2014年03月08日  ”先 山”

小さいけれど、日本で一番最初に出来た山です


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号



連光寺駐車場(8:45)〜(9:00)不動明王〜(9:50)岩戸神社〜(10:15)先山千光寺(10:30)〜(11:45)駐車場 (3時間)


古事記 「国生み」 に拠れば

 天の高天原の神々が、伊耶那岐神( イザナキ)、伊耶那美神(イザナミ)に天の沼矛(ぬぼこ)を授け

この海原のように頼りなく漂ようものを確かな形にするようにと、国づくりをお命じになりました

イザナキとイザナミの二柱の神は高天原と地上をつなぐ天の浮橋に立ち

天の沼矛で海原をかきまぜ引き上げると、その先からしたたり落ちた潮が積もり島になりました

この島をオノゴロ島と言います

二柱の神はその島へ降りていかれ、「天の御柱」と「八尋の広さの神殿」を建て国生みをします

初めに生んだのが淡路島、 次に生んだのが四国、三番目に生んだのが隠岐

そして九州、壱岐、対馬、佐渡と生み、八番目に大倭豊秋津島(本州)を生みました

この八つの島を大八島国といいます

さて今日は、一番に生まれたという淡路島を訪ね、日本で最初に造られた先山(せんざん 448m)に登ります



洲本ICを下り、上内膳の淡路四国第二番・蓮光寺駐車場に車を停めさせて頂いて歩き始めます

高架から神戸淡路鳴門自動車道を見下ろす、直ぐ其処が洲本IC



風は冷たいけど、空は青く雲一つありません 「高いお山は霧氷じゃねぇ」と話しながら登山口を目指す

玉葱畑の畦には土筆がニョキニョキ、長閑な風景が広がる 道の突き当り、不動明王が祀られたお堂横が登山口

 イノシシ防護柵のゲートを開け、小さな谷に架けられた橋を渡り山道に入ってゆく



急斜面を上ってゆき、南からの道と合わさったところに道標「右ふくら 左すもと」と刻まれている

昔は、先山千光寺参りで沢山の方が歩かれたのだろう、広い参拝道が続く

それにしても、あちらこちらに落葉を蹴散らした跡  信心深いイノシシも多いのかしらん?



十丁石には、手に三鈷を持たれたお大師さん?の像

弘化二乙巳三月(1845)と刻まれているから、此処で169年間も参拝の人々を見守って来られた事になる

十丁石から20分程登ると、岩戸神社への鳥居が見えて来た



鳥居から下ってゆくと、突如目の前に大岩が現れる 何とも厳かな光景です

岩戸神社祠の後ろが、天岩戸かな?

 天照大神がお隠れになったと言い伝えられている岩戸と対峙すると、その大きさに圧倒される

でも、隠れられそうな場所が無いけど・・・まぁ、言伝えですので気にしないことにしましょう

 

岩戸神社から引返し、先山に向かう

千光寺境内の大きな算盤の玉を見て、8年ほど前、論鶴羽山に登った帰りに寄ったのを思い出した

多分その時も、一番最初に出来た山という事で先山千光寺を訪れたと思うけど

駐車場からちょこっと歩いただけなので、印象が薄いのかなぁ

洲本八景の碑がある展望所から、論鶴羽山を眺める

天気が好ければ、遥か海の向こうに四国の山が見えるそうだ

 

最後の石段を上り、運慶作と伝わる仁王像に迎えられ山門を潜る

先山山頂にある千光寺は、淡路八十八ヵ所の第一番の札所

国の重要文化財の梵鐘や、三重塔があり、一番さんらしい荘厳な風格が漂う

本堂前には珍しい狛イノシシが並ぶ

大イノシシに化身した観音菩薩に導かれた狩人がこの地に千光寺を開基したという不思議な縁起によるらしい

さて、山頂標識は有るのかしらん?

 

本堂に向かって右側に、 先山(せんざん 448m)と山頂を示す標識が有りました

下山は、下内膳への表参道を下ります

此方は丁石も新しく、よく整備された広い道 沢山の方々が歩かれているのでしょう

 

大きな手水鉢を前にした、恐いお顔の不動明王 

ご年配の方に「良い道ですね〜」と挨拶したら、この道を整備されている方でした

何でも台風でかなり傷んだそうですが、お陰様で快適に歩かせて頂きました

ありがとうございます

 

車止めを抜けて直ぐの分岐で上内膳への指標に従って右折  イノシシ防護柵が巡らされた道を下ってゆく

田園風景の向こうは、論鶴羽山地 (淡路島最高峰・論鶴羽山、607.9m) 

 

畦に腰掛けて、の〜んびりサンドウィッチ休憩  振り返れば、淡路富士・先山が見送ってくれる

日本で一番に出来た山にしてはちょっと控えめだけど、それこそが慎ましやかな大和撫子らしさなのか

神話の世界を歩き、何時もと違った感慨にふけりながら山を眺める


下山後、・ 三熊山洲本城跡へ向かう

戦国時代の城郭遺構が残る三熊山洲本城は国指定史跡、見事な石垣が残る

本丸に、芝居好きの狸・芝右衛門、女房・お増、長男・柴助が祀られている

日本三大狸の一匹で、芝居の神様でもある芝右衛門は

人間に化け、毎日のように大阪・道頓堀まで大好きな芝居見物に出かけていたそうだ

木戸銭は、勿論「木の葉」のお金です



徳島藩蜂須賀氏の 洲本城跡・天守から先山を眺める 此処から歩いて行っても良かったねぇ

見下ろせば、城下町として栄えてきた 洲本市、碧い海が光る洲本湾、そして白砂青松の大浜海岸

砂浜に沿って生える松林は「千本松」の愛称で市民に親しまれている

次は、イザナキ、イザナミの神が降り立ったと伝わる「おのころ島神社」へ向かいます



「天の浮橋」の碑を過ぎ、そろそろ大鳥居が見えてもと思いながら走っていると前方にデ〜ンと現れました

高さが21.7mもある朱塗りの大鳥居は、平安神宮、厳島神社と並ぶ日本三大鳥居 遠くからでも直ぐ分かります

見上げる様な鳥居を潜って、社が鎮座する丘への石段を上がってゆく

この丘が、古事記・日本書紀に記されている国生み、神生みの舞台である自疑島 

(沼島がおのころ島だという説も有力)

伊耶那岐神(イザナギ)、伊耶那美神(イザナミ)の二柱の神を祀る「おのころ島神社(自疑島神社)」

国生みの神様だからか、縁結びや安産にご利益があるそうだ


今日は神話の世界 「天岩戸」 「先山」 「おのころ島神社」 を訪ね、お山と言うよりほとんど観光

お土産は勿論、オニオンスープ、フライドオニオン、玉葱ドレッシング、玉ねぎせんべいと、玉葱づくしでした

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