2015年01月10日  ”鶴林寺山”

阿波最古の丁石に導かれ、清流に挟まれた鶴舞う山へ



GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
承認番号 平18総使 第582号


道の駅・よってネ市(9:45)〜(11:10)鶴林寺本堂〜(11:25)鶴林寺三角点〜(11:45)山門
〜昼食〜(12:50)横野車道〜(13:30)道の駅・よってネ市             (3時間45分)


「一に焼山、二にお鶴、三に太龍寺」

「遍路泣かせ」あるいは「遍路ころがし」ともいわれる阿波の難所を表す言葉です

鶴林寺は、かれこれ20年ほど前に車で参拝したことがあるが、麓から歩いたことが無い

今日は遍路道を辿って「お鶴さん」に参拝し、奥にある鶴林寺山のピークを踏みます

輝く雪嶺良し、讃岐の里山とうどん巡り良し、古の遍路道もまた良し ほんとに四国は、しごくよい国です



家を出た時は小雨が降っていたのに、徳島が近付くに連れ青空〜♪

久し振りに勝浦川沿いを走り、「道の駅・よってネ市」を目指す

先ずは、あれこれお買物 野菜や果物は車に仕舞い、ゆず酢の香るお寿司をザックに入れ準備完了です

生名バス停にある大きな石柱 横には鶴林寺まで「歩き遍路道3.1km」の道標がある

生名〜鶴林寺〜大井5.4kmは、四国のみち(みかん畑のみちコース)に指定されている

要所にある色んな道標を見ながらゆっくり高度を上げ振り返ると、中津峰山(中央の山772.9m) 



茅葺の遍路小屋、いたる所に置かれたベンチと、細やかなお接待が嬉しい

高く積まれた石垣の間を抜ける生活道 辺りには四国の何処にでもある里山の風景が広がっている



弘法大師が杖を突くと水が噴き出したという伝説が残る「弘法大師の杖突き水」 直ぐ上に水呑大師の祠

ここから鶴林寺境内までの1.27kmが、「阿波遍路道・鶴林寺道」として国指定史跡になっている

この区間には、南北朝期間の町石(丁石)が11基も残っているそうだ



那賀川を挟んで、四国第二十一番霊場太龍寺がある太龍寺山(618m)

六丁石を過ぎると、三丁石まで歩き易い石畳の道が続く

五丁石横には、遍路のための無料宿泊所・通夜堂跡や井戸跡がある



霊鷲山(りょうじゅざん)の扁額がかかる立派な仁王門を潜り、振り返れば老杉が並ぶ荘厳な雰囲気

石段を一登りすれば、四国第二十番霊場・鶴林寺本堂  2羽の鶴が迎えてくれる

此処は、弘法大師開基の寺 お大師さんが修行中、つがいの鶴が金の地蔵像を運んできた

そこで霊樹に地蔵菩薩を刻み、その胎内に納めて寺を建て鶴林寺と寺号を付けたと言う



本堂左の石段を上がって、鶴林寺山頂を目指す

入口に「田舎谷、〆谷地区への道ですが、廃部落で通過できません」の標示がある

山頂は直ぐそこなので問題ないだろうと山道に入る 「登山」も楽しみながら雰囲気の良い尾根道を進む



標示板から10分ほど、右のコブに上ると三角点・鶴林寺山(516.1m) 展望は無い

境内に引返し、本堂横に立つ美しい三重塔を一周してみる

文政10年(1827)建立の総素木造りで、四隅の軒を支える邪鬼が睨みを効かしている



本堂石段前からの太龍寺道も気になるが、再び仁王門を抜け、すぐ左手から横瀬方面に下る

この道は、鶴林寺の奥之院・慈眼寺へと続く遍路道で、町石や石仏が残り雰囲気が良い

道は広く確りしているが、生名からの道に比べるとこちらのほうが遍路ころがしと思えるほどかなり急です

舗装路に出たところで、12時  折角、道の駅でお寿司を買ってきたんだから食事休憩にしようや

休憩後、舗装路を横切り、尚も遍路道を下りて行く



鉄階段を下り(左写真 振り返っています)円城寺方面への道を右に分け、掘割の道を下って車道に下り立つ

鶴林寺山を眺めながらのんびり県道を歩き、「道の駅・よってネ市」に帰って来た


今日は、歩き遍路さんには会わなかったけれど

春が立つ頃になると、鶴が舞い降りたかのように白装束の姿で賑わうのでしょう

1200年の時を経て受け継がれている「お四国」は、四国の、いえ日本の宝です

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