「明日は大山寺(たいさんじ)へ行って餅を拾い、頂上で雑煮でもするか?」
最近、グランパはお餅が好きになったみたい
昔、家で搗いていた頃はあまり食べなかったのに、「この歳になってやっと餅の美味しさが分かった」とか
100%もち米のお餅は「おふくろの味」がするのかもしれません
大山寺の力餅は2度訪れたことがあるが、記録がないし、気になっていた観音道も歩いてみたい
徳島道から眺める真っ白い祖谷山系や剣山系に溜息をつきながら、東へ走る
県道34を北へ 徳島道を潜り泉谷の和泉寺(わせんじ)を少し過ぎた道路脇に駐車
今日は登山者が多い 道路脇には車がいっぱい、準備中に何組かの方々が先に出発された
和泉寺本堂前に、上板の古道観音道・三十三番観音石像がある
観音道保存会の道標に従い車道を進む すぐ三十二番観音像が道端にひっそり佇む 見落とすところだったわ
一旦県道に出て、「泉谷の青の洞門300m」の案内標識から再び観音道に入る
イノシシ避けの電線柵を跨ぎ、竹林の中を下り、泉谷川に架かる仮橋(若宮橋)を渡る
橋を渡りすぐ観音道から左に分かれ、青緑色の淀みを眺めながら「泉谷の青の洞門」へ
かなり荒れている遊歩道を50mほど進むと、迫り出した岩盤にぽっかりと穴が空いている
明治初期、泉谷村の石工高田喜平親子が、ノミとツチで掘削した通水のための全長約10mの隧道です
観音道に復帰し、登り返して民家横を抜け車道に出ると電話ボックスが立つ
観音堂入口と書かれたボックスの中におもてなし
車道を少し歩き、三十番観音像にお参りして山道に入る
石垣が残る沢沿いの落葉道を登る 左写真手前に大山寺3.5kmの道標、案外歩き堪えがある
33体の観音像のうち何体かは所在不明らしいです 夜遊びして朝帰りかな?
尾根に出て振り返れば遠くに剣山系が白く輝いている
車道に出て左へ 3分程歩いて再び(右)観音道に入る 沢までの斜面は急峻です
大山は左かな? 名の通りどっしりした大きな山です 大山寺はあの尾根の向こう側
ヤマザクラの古木が目立つ雰囲気の良い道をゆっくり高度を上げてゆく 落葉が足裏に優しい
六番観音像 大山寺はもう近い 横に「右 いづみたに、くはんおんみち」の道標がある
朽ちて伐り倒されたヤマザクラの古木を見て、六番から10分ほどで廃林道に出た
右へ行くべき所を、おかしいと思いながらも左に行ってしまい往復10分ほどロス
指標が半回転していたようです 指標を直して右に行くと、直ぐに観音道が続いていました
大山からの下山道と合わさる一番観音像を過ぎ、小さな沢を渡ると大きな銀杏がある大山寺(たいさんじ)境内に出る
大山寺は、四国別格霊場および四国三十六不動霊場の第一番札所です
最初に訪れたのは別格霊場巡りの時、見事な銀杏の黄葉に眼を見張ったのを思い出します
柴燈(さいとう)大護摩供・火渡り修行 みるみる青空が煙に覆われる
煙りを被ったらご利益があるって言われても、涙が出てきます
火渡りの後行われる餅投げも気になるけれど
今日は、大山のピークを踏み、大山越まで足を延ばす予定なので
あまりゆっくりしていたら、午後からの力餅に間に合わないかもしれない
帽子を火にかざして貰い健康祈願してから観音道に戻り、一番観音像から稜線を登る
案外急な坂道を頑張り、車道に出て左に進み、大山寺奥之院黒岩大権現の石段を上る
社左から尾根に出て、無線塔を過ぎると一等三角点のある大山(おおやま)頂上(691.3m)
近くに、四国では二ヶ所しかないという天測点がある
今日のお昼はおでんと「力うどん」、我が家としては豪華な山食です
拾ったお餅を入れる積りだったけど、拾えない事も考えてザックに2個忍ばせて来ました
熱々のおうどんで温まり、お腹もいっぱいになったところで、大山越を目指します
頂上から少し進み、県境縦走路に入る 緩やかなアップダウンを20分ちょっとで分岐
道なりに左へ曲がれば香川県引田に続くを所を直進し尾根を下りる 面白いほど結構な急坂です
グランパはこんな急坂が好きなのか、あっという間に下りていった
大山越の車道に下り立つと、西に向かってもう2本舗装路がある
左の舗装路に入ると、すぐ左側に山道が分かれている これが大山寺への道だろう
最初は広く確りしていたが、徐々に藪道に まぁお寺の鐘も聞こえてくるし大丈夫と進んで行くと
次第に道がはっきりし車道に出た
境内に帰ってくると力餅の熱戦たけなわ 大きな拍手や声援が飛んでいる
台座の三方含めて、 女性は68kg、男性は144kgを抱えて歩く距離を競います 見ているだけで手に力が入る
(幼児、小学生の部もあります)
100m近く歩いた女性や50m越える男性など 中には0mも・・・ですが
400年もの歴史を持つ力餅のイベントに参加することこそに意義があります
最後まで観戦し、2回目の餅投げに居合わせたかったけど、そろそろここらで境内を後にする
鐘楼門を潜り、杉に囲まれた長い石段を下りると 山門に阿吽像(写真は阿形像、もちろん左に吽形像あり)
ここから車道、遍路道を繰り返し下って行く
目通幹周6.2m根元周囲8.24mの「大山寺の大杉」 境内にある大銀杏(目通幹周5.7m)より大きいです
真新しい八丁目休憩所で案山子の親子が休んでいる
行事は全て終わったのかな? 次々車が下りて行く
桃畑を縫って遍路道を下って行くと、飛地蔵堂→60mの大きな石の道標がある登山口に出る
徳島道に当たったところで右折し、側道を進む
上板SA方面を振り返り、見上げれば青い空に羊が群れている
おもてなしの電話ボックスからは、再び観音道を歩いて和泉寺に帰って来た
今日は、観音道や遍路道の古道歩き 古刹で行われた正月初会式の伝統行事を楽しみ
雪山にも勝る素晴らしい山旅でした
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