2016年10月15日  ”至仏山”


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る

鳩待峠から山ノ鼻は電源入れ忘れです



天気がなかなか安定せず、今秋の山行は何度か計画倒れになったけど

秋祭りたけなわの休日、やっとピーカン予報  観光と登山を兼ねて、尾瀬へ一目散でした


鳩待峠から 尾瀬ヶ原へ入山する場合、ハイシーズン中(今年は10月10日まで)は交通規制が有り

手前の戸倉地区から乗合バスやタクシーを利用します

至仏山は残雪期(今年は5月7日から6月30日まで)植生保護のため登山道(鳩待峠〜頂上〜山ノ鼻)が閉鎖されます

また解放時も東面登山道(山ノ鼻〜頂上)は、上り専用です


鳩待峠(6:15)〜(7:00)山ノ鼻(7:30)〜(9:35)高天原〜(10:05)至仏山(10:25)
(11:10)小至仏山〜(12:45)鳩待峠                  (6時間30分)



未だ暗い中、戸倉地区に着くと、鳩待峠まで通行可(峠の駐車場が満車になれば規制される)

幸先が良いねぇと、車を走らせ鳩待峠の駐車場に着くと、前の車が動かない

さっさと停めれば良いのに何しよんかと思っている内に、次々車が上がって来る

暫くしてやって来た係りの方が、満車なので戸倉からタクシーを利用してくださいと、アララ

仕方ありません、戸倉まで引き返し(この時は、満車の張り紙が出ていた)第一駐車場に駐車

ロスタイム1時間強で、仕切り直しです

タクシー乗車券(一人980円往復券は無し)を購め、乗ろうとしたら思いっきり膝を打撲してしまいました

痛い足を擦りながらタクシーを降り、駐車場から5分ほど歩けば、鳩待峠休憩所

鳩待峠登山口(1591m)に、クマ注意の喚起板が設置されている

鳩待峠〜山ノ鼻間(テンマ沢湿原)でツキノワグマの目撃が急増、特に朝夕に多いと

先程から、登山者の方が次々と下りて行ってるので、今日は大丈夫でしょう

木道を下って行くと、朝日に輝く至仏山が手招いている〜♪



川上川周辺にツキノワグマが棲息しているのか、この辺りで頻繁に目撃されているらしい

「カ〜ン、カ〜ン」 手前に設置されていたクマ警鐘を鳴らしてから歩いていく

鳩待峠から、まだ陽が差しこまない渓流沿いの木道を標高差約200m下ったところが、山ノ鼻

尾瀬山ノ鼻ビジターセンター前に設置された温度計は、-3度

そんなに寒くは感じないが、思ったより冷え込んでいる



先ずは、尾瀬ヶ原方面を散策  霜が降りた草紅葉を縫うように薄っすら白い木道が続く

今は快適な散策路だけど、木道が整備されていない頃は大変な苦労が有ったようです

「明治の山旅」(創文社)に掲載されている、日本山岳会第6代会長・武田久吉氏の一文を引用してみる

(戸倉から5時間半かけて鳩待峠に着き、山ノ鼻から尾瀬ヶ原に入り檜枝岐(現在の見晴)で一泊

翌日は笹の密生した山中を歩き尾瀬沼の沼尻(ぬしり)に着いています)

傾斜が緩くなると、湿地も現れ、オオカサスゲだのミズバショウが群生していた。

・・・原はようやく湿潤の度を増し、足はクロバナロウゲの根菜の下に沈み、体も水中に没するかに思われたが

幸いにもさることもなくて、ついに幅巾い林の中に、笹をわけて突入することとなった


・・・長い長い湿原歩きは決して楽なものではない

広大な湿原を挟んで、尾瀬のシンボル燧ヶ岳と至仏山の両雄が対峙する

草紅葉に降りた霜がみるみるうちに消えてゆく 

もう少し時間が早ければ大霜と朝霧の幻想的な景色が見られたのかも

牛首分岐くらいまで足を延ばしてみたいけど、引き返し至仏山を目指す



登山口へと真っ直ぐ延びる木道脇の池塘 水面に浮かぶヒツジグサも紅葉している

白い肌が青空に映えるダケカンバやシラカバの林の奥が登山口

入口にも、尾瀬はもともとクマの生息地だとの注意喚起板

(クマに出会わないためにとか、出会ってしまったら等々、通行時の注意が書かれていた)

さぁ、此処から頂上目指し一直線、標高差800m余りをひたすら登ります



登山道に入って40分ほどで樹林帯を抜けると、背後に尾瀬ヶ原が全貌を現す

表面がつるつるした蛇紋岩だらけの急坂は、滑って歩き難い 下り禁止というのも頷けます



池塘群を縫って延びる木道を、多くの人が歩いているのが見える

ミズバショウの季節には、行列が出来る事だろう

夏がくれば 思い出す 遥かな尾瀬 野の旅よ
花の中にそよそよと ゆれゆれる 浮島よ


「夏の思い出」(江間章子作詞)の中に歌われる浮島や

鳥や小動物の棲家となる拠水林と呼ばれ林が、湿原にアクセントを添えていて見飽きない

高度を上げるにつれ、景色に高さ、奥行き、厚みが増す 振り返り振り返り登って行く



高天原(2110m) ベンチに寝転んで寛いでいる方も居ますが、風が爽やかで心地好い

 「後、30分弱で着くでしょう 大休止しようや」

至仏山は高山植物の宝庫です とくにホソバヒナウスユキソウは谷川岳とここだけに自生する

この長ったらしい花の名前をずーと昔耳にしたグランパは、今でも不思議としっかり覚えているそうです

登山道が開く7月、「至仏山のエーデルワイス」目当てにたくさんの登山者が訪れるとか

この周りにも灰緑色の葉っぱがまだたくさん残っていました 

 傾いた木道を頑張れば、至仏山(2228.0m)に到着です  ヤッホー

久し振りの日本晴れ〜♪

 岩だらけの狭い山頂は登山者でいっぱい 記念写真も順番待ちです

尾瀬ヶ原の突き当りに燧ヶ岳がどっしりと構え、左後ろに会津駒ヶ岳、その左には平ヶ岳

新潟、福島、群馬、栃木の4県境一帯は日本百名山のホットなエリアです



あれが昨年登った巻機山かな? 黄金色に輝いていたブナ林が目に浮かぶ

次々登って来る登山者に押し出されるように下山にかかる

小至仏山向けて、岩稜を南に進む なだらかな東面に比べ西面は急峻です



振り返ると尾瀬の名峰・至仏山と燧ケ岳が背比べ

似かよっていますが、燧ケ岳は火山活動で、至仏山は隆起によって出来た山だそうです

前方には小至仏山と、右奥に上州の名山・武尊山(ほたかやま 2158m)

鳩待峠から至仏山ピストンの登山者に、次々とすれ違う



岩の雰囲気が四国花の名山東赤石山に似ているなと思いながら、ハイマツに囲まれた道を下る

西には厳つい谷川岳 槍のようなランドマークが無いので特定しにくいけど、とにかく周りは山だらけです

 

至仏山を振り返る ハイマツの緑と蛇紋岩の赤っぽさのコントラストが、とっても綺麗!

狭い狭い小至仏山(2162m)は居場所も無く、写真を撮って通過です

 

大展望の稜線を下ってゆく 笠ヶ岳への道を右に分けると直ぐオヤマ沢田代の湿原(2040m)

名残の花柄がたくさん見られるが、夏には素敵なお花畑になるのだろう

 

遠くに関東最高峰トロイデ型火山の日光白根山(2578m)や、左に鳩待峠を見ながら木段を下る

原見岩と呼ばれるテーブル岩では、お二人が休まれている 気持ち良さそう〜

名残惜しい尾瀬ヶ原や燧ヶ岳 しっかり目に焼き付けておきましょう



至仏山、小至仏山を振り返る 尖がり頭が一際目を引く、笠ヶ岳

登山道沿いに、赤く染まったイワカガミの葉、真っ赤な実を付けたゴゼンタチバナがいっぱい

花の時期は、歩が進まないかもしれません



ブナ、カエデ、ダケカンバなどの紅葉道を歩き、鳩待峠に帰って来た

休憩所前には散策を終えた人、これから入山する人など、多くの登山者で賑わっている

今日は、お天気最高、紅葉もまずまず、何より初めての山から眺める雄大な景色

感動いっぱい、楽しい尾瀬の山歩きになりました



折角、沼田市(片品村)に来ているのだからと

前々から見たかった「吹割の滝(ふきわれのたき 日本の滝100選)」を散策

尾瀬付近を源にして流れる片品川(利根川支流)の雄大な渓谷美に酔いました


今夜は須坂市菅平高原のペンション泊 根子岳、百名山の四阿山の登山口の近くです

明日もお天気が良さそうなので、お山も気にはなるところですが、「六文銭の里」が呼んでいる

「真田丸」を尋ねて、上田城下町&松代城跡の観光でした

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