2016年10月29日  ”岩清尾山(いわせおやま)”


GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る

A 駐車地点 B猫塚 C姫塚 D石船積石塚 E鏡塚 F北大塚古墳 G峰山・紫雲山ハイキングコース合流地点 H稲荷山姫塚


3世紀中頃から7世紀にかけての古墳時代、権力者がその力を誇示するため

また、子孫に権力を引き継がせるため、たくさんの古墳が造られた

機械も無い時代のこと、多くの人力を要し長い時間がかかったと思います

古墳の中でも最大規模を誇るのが、堺市の百舌鳥古墳群にある仁徳天皇陵古墳で

エジプトのクフ王のピラミッドや、秦の始皇帝陵墓とともに、世界三大陵墓として数えられる

(現在、仁徳天皇陵墓は大仙陵古墳と呼ばれ、埋葬者の特定をしていない)

当、四国中央市にも、金生町の国指定史跡”宇摩向山古墳”を始めたくさんの古墳があるが

やはり埋葬されている人物の特定には至っていない

埋葬されている人物が分かれば古代がぐっと身近に感じられるが、その謎もまたロマンです

古墳の事をいろいろ調べていたら、栗林公園の近くに大規模な石清尾山古墳群があるとか

公園の紅葉にはちょっと早いけど、古墳巡り&公園散策に行ってみよう


駐車地点(8:30)〜(9:15)石清尾山〜(9:45)猫塚〜(10:05)姫塚〜(10:15)石船積石塚
(10:25)北大塚(10:45)峰山・紫雲山ハイキングコース合流地点〜(10:55)稲荷山姫塚
稲荷山往復(11:20)〜室山往復(11:40)〜(12:00)遊歩道分岐〜(12:25)駐車地点
                         (3時間55分)



峰山墓地前の駐車場に車を停めてウロウロしていたら、親切な方が出勤前なのに登山口まで案内してくれた

讃岐老人ホーム ディ・サービスセンターの敷地に入って行くと、駐車場の奥に標識が有る

教えて頂かなければ、ちょっと分かり難い所です  お礼を言って歩き出す

登山道に乗れば、後はグングン高度を稼いでいく

 

雰囲気の良い峰山の展望所 北には、高松市街、屋島 遠くに小豆島も見えている

これから歩いていく南を見れば、摺鉢谷を取り囲むように連なる尾根

高低差もあまり無さそうだし、楽勝、楽勝〜♪

 

展望所の側にある石積  天辺を見れば三角点を示す標柱、こんなところに三角点があるの?

上がってみたけど、三角点の石柱は見当たりません

峰山公園芝生広場の横に歩き易い登山道が続く 道沿いには、コウヤボウキがいっぱい



今日の最高峰・石清尾山頂上(いわせおやま 4等三角点 232.4m  )

三角点横に建つ展望台からは、高松市街、瀬戸内海、屋島、五色台が一望のもと

展望はあまり期待していなかったけど、嬉しいことに空気が澄んで遠くまで見渡せます



行けども行けども左側に公園が続く 峰山公園って何とまぁ、広いんでしょう!

車道が延びてきており建物も有るけど、この辺りは、はにわっこ公園なのかな?

行儀よく並んでいるのは、六ツ目山、伽藍山、狭箱山のおむすび三兄弟


 
古墳群の中で最大規模の猫塚古墳(4世紀前半)は、双方中円墳という個性的な形をしている

盗掘により真ん中が凹んでいるが、中円部にはいくつかの竪穴式石室があり

其処から鏡、小銅剣、筒型銅器、銅鏃(やじり)、土器等々、多数の遺物が出土したそうだ

中でも、中国の前漢時代に造られたという珍しい内行花文精白鏡は、弥生期以降他に類を見ないとか

説明板が置かれた中央部の窪みにも下りてみたが、草が茂り埋め戻されたという石室の痕跡は分からない

猫塚の側の池に架けられた橋を渡り、石積みの道を進んでいくと舗装路に飛び出す

猫塚から20分ほどで姫塚古墳(前方後円墳積石塚 4世紀前半) 季節外れのツツジが彩りを添えている傍で小休止

姫塚から3分で小塚古墳(古墳群では最も小さな前方後円墳積石塚)


 
峰山公園の桜並木と分れ、「石船積石塚まであと120m」の指標に従えば直ぐに積石に行き当たる

国指定史跡「石船積石古墳」(前方後円墳積石塚 4世紀後半から5世紀前半築造)

後円部墳頂に名前の由来となった刳抜式割竹形石棺の身と蓋が有り、水が溜まっていた

竪穴式石室からは、鏡や土師器、円筒埴輪が出土しており、5世紀初め頃の築造と考えられる

此処から北へ進むと、鏡塚古墳(猫塚と同様、双方中円墳積石塚で4世紀前半築造)

そして北大塚古墳、北大塚西古墳(前方後円墳 4世紀前半)、北大塚東古墳(方墳 4世紀前半)

石船積石塚まで引き返し、急坂を下って稲荷山姫塚古墳を目指す



峰山・紫雲山ハイキングコース合流地点(右下に、奥の池0.9kmの指標)

合流地点から10分ほどで、素敵な命名の「小鳥の泉」 滾々と水が湧き出ている

側のベンチに腰掛けて鳥がやってくるかなと待ったけど、全然その気配無し



ベンチを挟んで泉の向かい側に、稲荷山姫塚古墳(前方後円墳 四世紀後半)

後円部に竪穴式石室が有ったと謂われ、土師器片が出土している

現在は文化財調査中とのことで迂回するようにと、高松市埋蔵文化財センターの指示がある

先ずは稲荷山のピークを踏みに行こうと、ほぼ平坦な道を北へ進む

看板(右写真)を過ぎると少し下りかけたので、この辺りが稲荷山の頂上(166m)かと思って引き返す

(後でログを見たら、頂上はもう少し北でした)



泉まで引き返す途中、これから向かう室山を眺める 高松市街に点在する山々は、クレーター五座

峠みたいなピークに室山の三角点(199.8m)が有り、傍の木に山名板が括りつけられていた



室山から栗林公園へと急坂を下っていたら、野犬が数匹走り去った

稲荷山でも一匹見かけたし・・・こんな藪で野犬集団に出遭ったら、どうしよう(ドキドキ)

「出てきたらストックで追い払うから大丈夫」と言いながら、グランパはどんどん下りて行くが

子どもの時に犬に咬まれた記憶が蘇り、私の足は止まったまま 

「引き返すよ〜」 (栗林公園に寄れんけど、紅葉の時にまた行くことにしよう)

峰山・紫雲山ハイキングコース合流地点まで戻り、ちょこっと「紫雲の広場」を覗いてみる

「紫雲の広場」からトンネル北口へ下りて行くのが最短のようですが

分岐(右写真)まで登り返し「森の広場」に向かう



暫く緩やかな道を進みジグザグ下って行くと、車道に沿って延びる水平道に当る

途中、適当に車道に下り立ち、車道歩き5分ほどで駐車地点に帰り着きました

(水平道を真っ直ぐ進めば「石清尾ふれあいの森 北入口」で、階段がありました)


野犬に遭遇し、楽しみにしていた栗林公園に寄れなかったのは残念だったけど

高松市街や瀬戸内海に浮かぶ島々を眺めながらの古墳巡り

古代に思いを馳せるロマンな山行でした

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