2016年12月17日  ” 熊 山 ”



GPSトラックログ (カシミールソフト使用)
この地図の作成に当たっては国土地理院長の承認を得、同院発行の数値地図50000(地図画像)、及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用
 承認番号 平18総使 第582号る


P(弓削八幡宮駐車場)  A(南山崖石積遺構)  B(鍛冶神社)  C(熊山遺跡)


熊山(509m)って、クマが棲んでいるの?と思ったら大きな間違いです

その山名は紀州・熊野三山に由来し、「熊山」の「熊」は「隈」のことで

端とか僻地を意味しており、「熊野」が畿内から遠く離れた霊地であったのと同じように

吉備国の端っこにある霊山信仰の山だったそうです

山中に国指定史跡「熊山遺跡」を始め、33基もの石積遺跡が点在する

謎を秘めたロマンの山です

JR岡山駅から山陽線で熊山駅下車 熊山を経て、備前焼の里・伊部へ下山し赤穂線で帰る

「駅からウォーク」も良いなぁ 久し振りに岡山の街ブラも等々と、あれこれ考えたけど

この時期、日生のカキオコも気になるし・・・やっぱり車じゃないと、無理

ということで、岡山市東区瀬戸町の弓削八幡宮から山頂往復の予定で出かける



弓削八幡宮横の登山口に設置された案内板

弓削八幡宮(8:50)〜(9:40)龍神山〜(10:15)南山崖石積遺構〜(10:55)熊山遺跡(11:20)〜(11:30)熊山神社
〜熊山遺跡発(11:40)〜(12:05)権現道分岐〜(12:45)坂根堰分岐〜(13:05)県道〜(13:45)弓削八幡宮
                                                 (4時間55分)



弓削八幡宮駐車場に車を停め出発

10分余り歩くと尾根に乗り、吉井川を見ながらクヌギの落葉フカフカの道をゆっくり高度を上げてゆく



指標に従い登山道から右に分れ急坂5分で、龍神山(行者様 344m)

山頂下の岩場からは大展望 逆光で分かり難いが、右に児島半島の山々、左奥に小豆島も見える

それにしても、吉井川の流れがこんなにも雄大で美しいとは! 感動です

龍神山から急坂を下り、登山道に復帰し暫く進むと再び分岐、少し薄いが右に取る

先程立っていた龍神山の岩場を振り返る 奥にキリンビール岡山工場 その直ぐ北に、山陽本線万富駅



電波塔を過ぎ作業道を少し進み、指標に従い右に200m下ると南山崖石積3号遺跡

何時、誰が何のために造ったのかよく分からないそうだが、石積は広範囲に広がっていた

作業道に戻り左に4号遺跡を見て、なおも作業道を進むと大坂峠 左は経盛山万富コース



登山道沿いにある、風神山1号2号遺跡、炭焼窯遺跡を見ながら進んで行くと、右に鍛冶神社の指標

石垣で囲まれた中にひっそりと佇む神社は、山麓の福岡・長船の備前刀工が勧請したらしい

古今集にも「眞金吹く 吉備の中山帯にせる 細谷川の音のさやけさ」と詠われているが

名刀と言えば「備前おさふね」 吉備国は多くの刀工を輩出した

その長船に残る、一大惨事の歴史

戦国末期の天正18年(1590)8月15日、熊山の山崩れにより長船上流で吉井川が氾濫

一夜にして、刀剣王国・長船が壊滅状態になったと「東備郡村志(史)」に記されている



車道を横切り、大杉が目立つ厳かな雰囲気の谷筋を登ると再び車道に出る ここは右へ

車道沿いに天然記念物大杉2本、樹齢1000年だそうです

さらに奥へ進むと、ピラミッドを思わせる三段方形の国指定史跡「熊山遺跡」

三段目の頂部にある深さ2mの竪穴から出土した、陶製筒型容器や奈良三彩小壺等から

奈良時代の仏塔である可能性が高いそうだ

周辺には猿田彦神社や、五輪塔、無縫塔、霊仙寺鐘楼か観音堂跡などの遺跡がある

展望所で寛いでいたら、ご夫婦、グループなど数組が到着し展望広場は賑やかになる

弓削コースピストンの予定だったけど「坂根丁石コース」を下りるのもいいなぁ

その前に頂上を踏んどかなくては



車道を引き返し、石段を上がると熊山神社(ここが熊山最高点509m) 備前焼の狛犬が迎えてくれる

三角点(507.8m)は、ここから北東1km位のところにありますが即パス

神社右を少し下れば、JR熊山駅からの登山道



熊山遺跡に戻り、坂根丁石コースを下る

丁石を見ながらの古道歩きも、なかなかいい雰囲気です (熊山神社に四十六丁石がありました)

大きな鉄塔の足元にある三十三丁石地点が、「JR香登駅中尾鉄塔コース」の分岐 ここは右へ

振り返れば、谷を隔てて熊山遺跡の展望所が見える



大谷山手前で権現道を左に分ける

あれ、何時の間にか大谷山をやり過ごしたみたい ピークを踏む積りだったのに、残念

それにしてもこの山は分岐が多い いろんなルートで 地元の方々に親しまれているんでしょう



二十五丁の分岐で丁石道と分れ、尾根道(右)を進む

向かいの尾根は、先程歩いた弓削コース  左端が出発点の弓削八幡宮で、中央の尖がりが龍神山

 

展望岩場で、のんびりコーヒータイム

展望を楽しんでいたら、あっという間に「のぞみ」が走り抜けた



尾根を下って来たところで、丁石道と出合う 暫くは古道を進む 

坂根コースの起点まで行ってみたいが、帰りの車道歩きが長いのでショートカットします

「山の神様 坂根堰→」の表示で丁石道と分れ、右折する

山の神様は何処だろう?と思いながら、キョロキョロと快適な道を進む



吉井川の川面が近付き、坂根堰が見えて来た 

真下に県道が走っているので、落葉に隠れた石を落さないよう慎重に歩く

わなでも仕掛けられてそうな道じゃねぇと話していたら、案の定 「この奥猪用わな有り 足元注意」の注意書

やれやれ、無事に県道に下り立つ 入口に登山口の標識は無い 

この先で工事が行われているのか、ダンプカーがひっきりなしに行き交う

その度に凄い風圧で眼も開けていられない 法面にへばりついてやり過ごす

 

蛇行する吉井川を抱き込むような鶴翼地形を眺めながら、土手を走る県道を歩く

流れ落ちる尾根の端に弓削八幡宮 もう少しです

5時間近くかかって駐車場着 標高のわりには歩きごたえがある大きな山でした

 

弓削八幡宮から車で10分弱走り、坂根登山口を確認

「從是熊山道」 (元文二年 四十六丁)と刻まれた立派な石柱が建つ

元文と言えば、享保と寛保の間(1736〜1740) 暴れん坊将軍・吉宗さんの時代です

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